田端文豪について(後編)
昨日の続きです。
田端に住みついた室生犀星を頼って引っ越してきたのが、萩原朔太郎でした。
8ヶ月の滞在だったんですけどね。
室生さんは、この頃のことを「田端は賑やかな詩のみやこ」と言ったそうです。
萩原さんと室生さんは、本当、よく仲良くなれたなあ、と思います。
この二人、太陽がきっちりスクエアしている同士です。
通常、太陽か月がソフトアスペクトだとまあまあ良い相性ですが、
萩原さんは太陽蠍月山羊、室生さんは太陽獅子で月乙女。
月は辛うじて同じエレメント?(出生時間不明でわかりませんが)
萩原さんは蠍や天秤を中心に水が目立ちますが、
室生さんは獅子を中心に火が目立ちます。
このふたつが上手くいったとすると、
内側にこもりがちな萩原さんを、室生さんが外に引っ張り出して、
やや視野が狭い室生さんも、萩原さんの深く鋭い感覚に学ぶことがあった、
みたいな感じですかね。
お互いの火星はそれぞれ中心的なエレメントと相性が良いので良かったのかもですが。
ふたりは後に、まったく性格が違うからこそ仲良くなれた、と言っていたそうです。
そういうパターンもあるんですねえ。
さて、時代が下って、田端にも後輩世代がやってきます。
田端時代はじゅうじ、とか、しげじ、と呼ばれてたらしいですね。
彼は字が下手で有名だったらしいですね。
文アルでもネタにされてます。
彼の直筆原稿があったのですが、噂に違わず、字がフリーダム。
原稿用紙のマス目一杯に書かれたひらがなはまだいいんです。
問題は、漢字が解読が必要になるレベルで崩しすぎて読めないこと。
手紙はともかく、原稿でこれは困るんじゃないかとも思います。
彼は水星と火星が水瓶座でコンジャクションして、
獅子座の月とオポジション範囲ですから、
文章を書くに当たっては豪快なんですかねぇ。
少なくとも、漢字はせっかちでああなったように思えますが。
田端文豪の最後輩がたっちゃんここと堀辰雄です。
たっちゃんこは太陽山羊で月が乙女座です。
田端の作家たちはもちろん、軽井沢の川端康成を訪ねて行ったこともあり、
かなり顔が広いようですが、
がいい仕事したんじゃないかなあ、と思います。
こう、みんなの間に入って仲を取り持ちつつ、みたいなイメージ?
ところで、堀辰雄で特徴的なのは、
「小説作品にモデルがいること」
じゃないかなあ、と思います。
『風立ちぬ』は自分と自分の恋人がモデルですし、
出世作の『聖家族』は芥川さんがモデルだそうです。
他、『菜穂子』という作品には後輩詩人くんの立原道造をモデルにしたそうです。
これに関しては、たっちゃんこのホロを見る時に詳しく調べますが。
そういえば、田端文豪たち、エレメントがほどよくバラバラで面白いですね。
芥川さんと萩原さんが水中心。
室生さんが火中心。
しげじが水瓶座で風中心。
たっちゃんこが山羊座で地と風多め。
室生さんと萩原さんもそうでしたが、
似たもの同士の寄り合いというより、それぞれ違う考え方の人たちが集まって、
それぞれ影響を受ける・・・という場所だったんでしょうね。
全員が作風やら何やら全然違うので、
面白いなあ、と思います。
田端文士村記念館の展示は9月後半までやっているようなので、
興味がある人はぜひ、訪れてみてください!