文豪とホロスコープ

星占い&読書好きが主に古今東西の文豪のホロスコープを見ていきます。ほか、読書感想や星占い関連について、日々のつれづれなど。

文豪とホロスコープその8 島崎藤村

今日は詩人、自然主義作家の島崎藤村です。

 

昨日の徳田秋声、おとといの田山花袋と並ぶ、自然主義作家の代表です。

代表作は『若菜集』(詩集)『破戒』『夜明け前』

はじめは詩人として活動していました。

『まだあげ初めし前髪の、林檎のもとに見えしとき・・・』(「初恋」)

これは最近の中学教科書に載っているみたいです。この詩、すごい可愛いです。

その後、詩で自己表現をすることに限界を感じ、小説を書き始めました。

『破戒』は日本自然主義の代表作とされています。

他に、この人がすごいのは、

姪との愛人関係、からのフランスへの逃亡、

その一連の流れを小説にして発表したことでしょうか。(『新生』という小説です)

それを書いちゃうあたりが正直者というか、すごい。

教師時代にも教え子と禁断の恋に落ちたことがあるとか、ないとか。

それこそ小説になりそうな人生を送った人ですね。

 

島崎藤村(1872/3/25 出生時間)

ホロスコープ見ていただければわかりますが、

牡羊座、多っ。

太陽、水星、火星、海王星牡羊座

そのうち、水星、火星、海王星はコンジャクション。

まあ、まず詩人としては納得かな?

詩に限界を感じたのは火星がうずいてきたんでしょうか。

水星、火星は主張が強いので、詩よりも小説向きでしょうね。

わたしは個人的に、自然主義には2タイプあると思っていて、

ひとつは、地属性を中心にしたタイプ、

もうひとつは火属性(特に牡羊座)を中心にしたタイプ。

前者は外部の状況描写から淡々と現実を描いて、

後者は内部の心理描写を赤裸々に書き出している・・・感じがします。

藤村氏は後者の火属性タイプに当てはまると思います。

フロベールやゾラと同じタイプです。

ときに醜悪な現実を正直に、あるがままに書く。

観察力以上に、心構えの問題でもあるでしょうね。

牡羊座って結構、真実とか事実とか不正にこだわる方だと思うので。

姪との関係も小説にしちゃいましたからね。

もっとも全て真実というわけではなく、都合の悪いところは伏せてあったそうですが。

それもむべなるかな。

火属性は凡そすべて、かっこつけです。ナルシスト的な面があります。

自分がかっこわるく見えるところは無意識に排除されます。

そういう現実は見たくないので、本人の中ではそう思い込んでいるというか。

これだけ牡羊座の性質が強ければ仕方ないのではないかと。

そういえば、芥川龍之介島崎藤村の『新生』の主人公を

「偽善者」と言ったらしいですが、

牡羊座に月と金星の入っている芥川さんも、全然人の事言えないと思いますけどね。

かっこつけという点では似た者同士です。むしろ同族嫌悪?

 

また、藤村氏の小説は「家・小社会」と「個人」との関わり

が、テーマになっていると思います。

『破戒』は社会上の差別と個人の意志との葛藤が作品の肝ですし、

『夜明け前』も家や社会と、個人との対立ですね。

牡羊座の惑星群と、蟹座の木星と、山羊座土星がTスクエアを結んでいます。

牡羊座個人主義で、自己主張の強い星座です。

蟹座の木星はまさしく「家・小社会」です。

(あるいは、ここを「父親」としてもいいかもしれない。藤村氏は父親に対して、けっこうコンプレックスがあったらしいので)

山羊座土星を加えるなら、「伝統の束縛」でしょうか。

総じて「家や社会などと、個人の意志との葛藤」が重要になってくるのではないかと。

これを念頭にして読むと、ひょっとして自然主義文学という以上に重要な作品だったのかもしれない・・・

とも考えられるので、面白いですね。 

 

にしても、

火星と海王星がコンジャクションで木星とスクエア、という配置は、

何らかの中毒とか依存を示唆するものに見えるのですが、

藤村氏については、あまりそういう話は聞きませんね。

滋賀の桑酒が大好きだったと聞いたことはありますが。

 

それにしても日本作家、って牡羊座・蟹座・山羊座のTスクエア多いような・・・

機会があれば、あらためて調べてみたいと思います。