文豪とホロスコープその9 樋口一葉
今日は明治を代表する女性作家、樋口一葉についてです。
文語体による雅俗折衷、特に女性の恋や悲しみについて書いたとされています。
もともとは裕福な家でしたが、父親の事業の失敗と死、兄の死と続き、
一葉は貧しくなった家庭を家長として支えなければなりませんでした。
小説を書き始めたのはお金を稼ぐため。
ちなみに本名は奈津で、「一葉」というのは「お金」のこと。
よっぽど貧乏だったのか・・・
そう思うと、今現在の五千円札になっているのは皮肉ですね。
が、そんな逆境の中でも強い女性でした。
和歌の教室(萩の舎)に通っていた時も、
新しい着物を身につける華族のお嬢様たちの中、古着で通い続けました。
針仕事は自分の仕事ではないと言って、もっぱら家計を支えていたのは母と妹。
まったく、男性顔負けに気が強い。
他、小説の師匠であった半井桃水と愛人関係になったり、
婚約者から一方的に婚約破棄されたりと、なかなか波瀾万丈な人生でした。
作品が森鴎外らに評価された矢先、結核のために24才で亡くなりました。
27才で亡くなった石川啄木以上の、日本文学界でも屈指の早世です。
樋口一葉(1872/5/2 出生時間不明)
太陽は牡牛座ですが、火星、冥王星とコンジャクションしています。
気がすっっごく強そうです。
しかも、金星は牡羊座にあります。男勝りです。
負けん気が強くて、プライドが高い。そして超頑固。
牡牛座だからなおさらですが、絶対に自分の意見は譲らなさそうです。
貧乏や逆境に対する底力がすごい。
ただし、その気の強さはほとんど表には出さないでしょう。
冥王星が関わると、かなりがっつり隠します。
外から見るとミステリアスで、何考えてるかわからない人だったかもしれない。
ただし、内心では怒りで煮えくりかえっている可能性もありますけどね。
そういえば、金星が守護星の牡牛座は、美男美女が多いという説がありますが、
樋口一葉も美人で有名だったらしいですね。
そして、何かと金が絡むのも金星および牡牛座らしい。
本人の人生や時に父親を表わす太陽に、徹底や極限を意味する冥王星ですからね。
ちなみに、水星も牡牛座です。
紅葉師匠もそうでしたが、雅文を使う人って、地属性が多いのかなあ。
一葉の小説のテーマといえば女性の恋愛ですが、
さらに、そこに蟹座の木星と天王星、山羊座の土星でTスクエアを作っています。
金星と海王星のコンジャクションは、悲恋や道ならぬ恋を意味することがあります。
蟹座と山羊座は社会規範や家のしきたり、世間の評判などと関連が深いです。
牡羊座の金星は純情で情熱的、自分の気持ちをど直球に打ち出しますから、
何かと世間体を気にする蟹・山羊とはぶつかります。
純粋な想いは、世間体や周りの社会によって遮られ、決して叶わない・・・
結婚は自由恋愛より家同士の決め事だった明治時代の文化もありますが、
この配置は一葉と半井桃水との愛人関係も思わせますね。
樋口一葉の小説は女性の恋愛悲劇が多いですが、
自分の苦い経験や想いがあってのことだったのかもしれません。