文豪とホロスコープ

星占い&読書好きが主に古今東西の文豪のホロスコープを見ていきます。ほか、読書感想や星占い関連について、日々のつれづれなど。

文豪とホロスコープその11 有島武郎

今日は白樺派の作家、有島武郎についてです。

代表作は『或る女』『カインの末裔』『生れ出ずる悩み』など。

 

有島武郎は実業家の長男として生まれ、農学者を志して札幌農学校へ入学、

海外留学も挟んだ後に、白樺派の作家として活躍しました。

白樺派志賀直哉武者小路実篤などが所属して、理想主義・人道主義的と言われています。

 

海外留学中に、社会主義に影響を受けました。

理想が高く、不平等に敏感な人だったのでしょう。

後々には理想に従って、

所有している農場を小作人に無料で譲渡しました。

ちなみに、北海道の話については

カインの末裔』で主に触れられています。

 

有島武郎キリスト教にも強い関心がありました。

学生時代に入信し、信仰に疑問を持って離れはしましたが、よほど印象が強かったのか、作品の中にキリスト教の影響が見えるものも多くあります。

 

しかし、最後は夫ある女性と恋に落ち、

軽井沢の別荘で心中することとなりました。

 

なんか切ない・・・

有島氏の作品を読むと、

真面目で、いい人だったんだな~、と思います。

ただ、ちょっといい人すぎるような気もしますが。

 

有島武郎(1878/3/4 出生時間不明)

いきなり魚座の太陽、月、土星のコンジャクション。

魚座めっちゃ強い。

貴方はとてもいい人ですね!って言いたくなります。

少々お人好しすぎるくらい優しい人だったんでしょう。

作品も、まあ魚座と言われれば納得なものが多い。

貧しい人、恵まれない人に大いに同情して共感する魚座にとって、

なるほど、キリスト教は大いに共感できるところだったはずです。

ただ、土星のコンジャクションが・・・

自分に対して厳しいところがあったんでしょう。

魚座はもともと非現実的なほどの理想(たとえば全世界の平和とか)を描くイメージがありますが、

土星があると、それが叶えられないことに罪悪感を覚えてしまうタイプ。

しかも、太陽と月のコンジャクションだとなおさら思い詰めてしまうでしょう。

真面目でいい人だからこそドツボる。自分を責めてしまう。

キリスト教から離れたことも、心中事件も根っこはこの辺りにありそうですね。

ちなみに、有島氏の幼少期は長男だったこともあり、

父さんが結構厳しかったらしいです。

月は幼少期の家庭、それが太陽と土星と重なっているということは、

厳しい父親が人格面に強く影響したのかもしれませんね。

 

さらに、水瓶座の水星金星コンジャクション、

牡牛座の火星、冥王星のコンジャクション、

獅子座の天王星

の三つがTスクエアです。

なんというか、わかりやすく理想と現実との相克図に見えます。

高い文章力があって、文学として読みやすいながらも、

作品内に理想主義的な甘ちゃんなところもありますから、

水瓶座の水星金星は納得です。

これに獅子座の天王星オポジション

結構、内心激しいところがあったのでしょうか。

農場開放とか、意外と活動的ですしね。

(金星と天王星は恋愛事件を表わすこともありますが)

ただまあ、火星と冥王星が両者にスクエアしているというのが・・・しかも牡牛座。

牡牛座の冥王星って、アラブの油田みたいなイメージがありますね。

地下に埋もれている膨大なエネルギーで、富と争いの元にもなる・・・的な。

水瓶座と獅子座の高潔な理想に、牡牛座の莫大な所有欲が入った結果、

理想と現実のでっかいずれが生まれる、という。

火星と冥王星という、この組み合わせが何か怖いですね。

追い詰められた局面で、何をし出すか分からない。

ちなみに、有島氏が心中されたのは45才。

ちょうど、火星期の終わり頃のことです。

 

有島氏とキリスト教について追記

多分、世間で伝えられているキリスト教と有島氏のキリスト教は少し違うものだったのでは、と思います。

キリスト教では自殺は禁止されています。

神からもらった命を自分の意志でどうこうする権利は人にはない、と。

いろいろな話や作品を読む限り、

有島氏にとって、大事なのは神ではなくて「人への愛」だったのではないかと。

だからこその心中です。

遺書の中には

「愛の前に死がかくまで無力なものだとは此瞬間まで思はなかつた」

と書いてあるものがあったそうです。

う~ん・・・

有島氏の著作を全て読んだわけではないので断言はできませんが、

そう感じられました。