文豪とホロスコープ

星占い&読書好きが主に古今東西の文豪のホロスコープを見ていきます。ほか、読書感想や星占い関連について、日々のつれづれなど。

文豪とホロスコープその16 北原白秋

北原白秋は国民詩人と言われるほど有名な詩人です。

詩の他に、短歌や童謡の作詞も行いました。

詩は知らなくても、「雨降り」、「ゆりかごのうた」「とんぼの目玉」など、

一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

代表作は『邪宗門』『桐の花』など。

 

出身は九州の柳川(福岡県)、地元では有名な酒造の家だったそうです。

小さい頃は坊っちゃんとして可愛がられたようです。

学生時代は文学に夢中でしたが、実家の酒造が火事で焼失、

家を継いで欲しいという父親の意向から逃げるように上京しました。

東京では北原射水と号し、早稲田大学に入って若山牧水と出会い、

友人の中林蘇水も含めて「早稲田の三水」と呼ばれていました。

 

その後、『明星』で新進気鋭の詩人として注目されましたが、

何かとトラブルがつきまとう。

人妻と不倫し、姦通罪で訴えられたり、

生活が苦しかったり、

二回の離婚があったり、

晩年は糖尿病などで視力を失ったり。

女性関係は特に問題があって、

あるときの祝いの席で、

芸者をたくさん連れてきて華やかに宴会したことがありましたが、

その費用は二番目の奥さんが着物を全て質に入れて捻出したものだった、

ということがありました。

弟たちに責められ、奥さんは失踪。

結局、奥さんの不貞を疑った白秋によって離婚となりました。

芸者遊びの金を奥さんに出させた挙げ句に離婚、って・・・

この件のせいで、この人は女性にだらしない人という印象があります。

 

まあそういうことがありつつも、詩集を出したり、マザーグースの和訳をしたり、

童話雑誌の『赤い鳥』で童謡を発表したり、

萩原朔太郎室生犀星など若手の応援をしたり、

様々な活動に取り組みました。

ちなみに、煙草が大好きで、高級煙草の敷島を、

一日200本、三分の一だけ吸って捨てていたという話があります。(文アルより)

また、故郷柳川の影響か、カステラが好きだったという話もあります。

 

北原白秋(1885/1/25 出生時間不明)

太陽は水瓶座、月は牡牛座。

ホロスコープを出していただければ、ぱっと見でわかりますが、

エレメントが風と地しかないです。

すげえ。

なるほど、だから情がないのか。

と納得してしまいました。焼失した実家を見捨てたり、奥さんと離縁したり。

それは冗談として、パーツ事に見ると、けっこうすごい人だとわかります。

太陽と火星が水瓶座でコンジャクション。

水星と金星が山羊座でコンジャクション。

月と海王星が牡牛座でコンジャクション。

太陽、冥王星天王星で風のグランドトライン。

「ことば」に対して強いこだわりがありそうな人です。

風のエレメントは伝達のための言葉として関わりが深いですが、

地の中でも牡牛座は――喉とか口とかを司ることもあり――

音楽的な、ひびきとしての「ことば」と縁が深いように思います。

白秋のリズムのある詩や短歌、

童謡とか作詞はとてもそれっぽいです。

 

同時に芸術や美しさにもこだわりが強そうですね。

山羊座の水星・金星ですが、

地属性の中でも力強そうなビビッドカラー

ダイナミックというか、時にどぎついほどの鮮やかさというか、

イメージとしては原色使いの絵画です。

とくに『邪宗門』の中で際立っているように感じました。

その他の歌集や詩集でも、赤がよく歌に出てくるイメージがあって・・・

ちなみに、牡牛座はパステルカラー、乙女座は混色というイメージです。

火や水がありませんから、主張や叙情性には欠けるかもしれませんが、

純粋に美しい言葉で美しい詩を書かせるなら、この人は日本一かもしれない。

 

ただまあ、森鴎外もそうだったのですが、

水星と金星のコンジャクションは、

特に女性関係で、問題のある人が多い気がします。

才能はあるのだけれど、自分に対して甘い。

すごい作家や詩人で、たまに生活上に問題がある人はけっこういますが、

才能と裏表だと考えると面白いですね。