文豪とホロスコープその１８ 若山牧水
酒と旅と自然を愛したと歌人と言われていますね。
『白鳥は 哀しからずや 空の青 海のあをにも 染まずただよふ』
という短歌はどこかで聞いたことのある方も多いのでは。
代表作は『海の聲』『別離』など。
私事ですが、文アルの当図書館では大変お世話になっている文豪であります。
いつも潜書でお世話になっております（ぺこり）。
宮崎県出身、医者の家に生まれました。
本名は繁、お姉さんが三人いたそうです。
面白いエピソードがありました。
もともとお祖父さんが他の名前を決めていたのですが、
お姉さんたちはそれが気に入らず、
役所に出生届を出す時に、
「繁でお願いします」
と出してしまったらしいです。
「繁」は当時詠んでいた小説の主人公の名前だったらしいです。
（若山牧水記念文学館サイトより）
参考リンク→http://www.bokusui.jp/wp-content/themes/bokusui/img/sidereader.pdf
そう考えると、当時としてはイケてる名前だったのかもしれません。
学生時代に和歌を作り始め、周囲から進学を勧められて上京、
文学活動をしつつ、この頃に園田小枝子という女性と出会います。
二人は情熱的な恋をし、牧水氏は結婚まで考えるのですが、
ここで問題が起こります。
実は、小枝子さんはすでに結婚し、夫がある身でした。
二人の関係はこじれにこじれて、結局、別れることになります。
この経験を元にした和歌は、かなりの数になるそうです。
その後、出会った女性に熱烈なラブレターを書き、結婚することになります。
ちょうどその頃、友人の石川啄木の最期を看取りました。
父親の病気を機に故郷に帰り、故郷で父親の後を継ぐか、文学者として生きるか、
選択を迫られます。
結局、上京し、生涯を歌人として生きることを選びました。
旅が大好きで、人生の大部分を旅で過ごしました。
自然と酒も大好きで、歌の中によくよく詠まれています。
酒の歌は約３００首もあるそうです。お酒、大好きですね。
酒好きの歌人らしく、死因は肝硬変でした。
若山牧水（１８８５／８／２４ 出生時間不明）
太陽は乙女座、月は水瓶座。
太陽の他、水星、木星も入っていて、乙女座が強いです。
さすが自然を詠んだ歌人だなあ、と思います。
地属性の中でも、乙女座は自然の情景が好きな人が多いと思います。
たとえば国木田独歩、宮沢賢治。海外ならゲーテ、トルストイなど。
若山牧水の魅力的なところは、美しい自然を詠んだこともそうなのですが、
いい意味で生活感があるところ、だと思います。
酒の歌の中で、
『妻が目を 盗みて飲める 酒なれば あわててのみむせ 鼻ゆこぼしつ』
（一部漢字変換なし）
というのがあるのですが、なんか生活感があって、かわいいじゃないですか。
働くこと、ルーチンワーク、日常と繋がりの深い乙女座にとって、
毎日続く生活というのは、人生でも創作でも切り離せないテーマだと思います。
それとも、蟹座の火星や土星の影響かもしれませんが。
ちなみに、
乙女座の作家は何らか副業を持っている人が多い傾向があると思いますが、
やっぱり手に職があった方が安心できるんでしょうか。
若山氏も雑誌を作ったり、生活のために何回か新聞社に入社しています。
さて、情熱的というか泥沼の恋愛経験のある若山氏ですが、
金星は天秤座で、天王星とコンジャクションしています。
あー・・・
金星と天王星のアスペクトは、なぜか恋愛問題になりやすい傾向があります。
不倫やら離婚やらも多いと一般的に言われています。
もちろん、全員が全員そうなるわけではないですが。
理由は色々あるでしょうが、
「恋愛に当然働くはずの倫理観が働きにくい」、というのもあると思います。
天王星は革命というか革新の星ということもあって、
世間の常識や問題を簡単に超えて、不倫や離婚に踏み切ってしまうのではないか、
と、わたしは思います。
若山氏の場合も、詳しい事情はわかりませんが、
人妻だとわかった時点で縁を切っていなかった、というのが何とも。
まあ、あとはモテたんじゃないかなあ、と思います。
牧水氏のホロスコープは風と地のエレメントが強くて、反対に火がゼロ。
穏やかで優しいし、けっこうモテたんじゃないかなあ、と思います。
ただ、見た限りでは超が付く酒好きだった様子が見出せませんでした。
アルコール類に関わりの深い魚座に星が入っているわけでもなく。
しいて言えば、太陽と海王星がゆるーくスクエアしているくらいです。
出生時間込みでハウスが出せれば良いのですが、
日本人は出生時間がわからないので、何とも言えません。
こういうところがもどかしいですねー。
