文豪とホロスコープその22 菊池寛
菊池寛は日本の作家です。
きくちかんと読みます。本名は寛と書いてひろし。
小説家というよりも、編集者・実業家としての方が有名かもしれません。
文藝春秋の生みの親で、数々の作品を世に送り出してきました。
代表作は『恩讐の彼方に』『真珠夫人』『無名作家の日記』など。
また最近は中学の教科書に『形』という話が載っています。
出身は香川県。中学時代は図書館の蔵書を読みあさり、
スポーツが得意で代表選手に選ばれ、成績優秀で首席だったそうです。
しかしその後は何があったのか、学校をサボったり退学したりしています。
記者を経て小説家になり、雑誌文藝春秋を創刊し、人気を博します。
敏腕編集者だった菊池氏は多数の作家と知り合いでした。
同級生の芥川龍之介、久米正雄、吉川英治、川端康成や横光利一など。
実業家で金持ちでもあったため、若手には資金援助を惜しまなかったそうです。
ポケットには、常に札束が入っていたとか。
菊池氏は多趣味な人としても有名でした。
読書、スポーツの他、よく知られているのでは将棋、麻雀、競馬などのギャンブル。
真面目な実業家と思えば、けっこう遊び人のところもあったようです。
菊池寛(1888/12/26 出生時間不明)
山羊座の太陽、月は乙女座or天秤座。
太陽は水星とコンジャクションしています。
太陽水星のコンジャクションは作家として有望ですが、
自分の人生経験や体験したことを作品に盛り込むことが多い、
主観的な作品を書く傾向があるので、賛否両論かなあと思います。
菊池氏にもその傾向があって、
自分の人生経験を活かしたり、身近な人物をモデルにしたり、
「二十五歳未満の者、小説を書くべからず」(『小説家たらんとする青年に与う』)
とも言っています。
文章よりも先に、経験を積んで人生観を養いなさいよ、と。
菊池氏は山羊座の太陽・水星ですが、
山羊座は堅実で、経験を力にすることが大得意な星座です。
それと同時に、山羊座は現実主義者でお金に関する才能もあるので、
作家と同時に敏腕編集者というのは、かなりらしいなと思います。
ひょっとしたら編集の方が天職だったかもしれない。
誰がどこで言ったか忘れましたが、
「生活第一、芸術第二」
という信条を掲げていたとかなんとか。
他、水瓶座で金星と火星がタイトにコンジャクションしています。
ギャンブル好きはここが原因かなあと思います。
何か刺激になりそうなことが好きというか、
賭事みたいに勝った負けたがはっきりすることが好きだったんだろうな、と察せます。
将棋や麻雀のように知的な要素が入るのが水瓶座らしいですが。
菊池氏は賭事の他に女遊びも好きだったらしく、
カフェ(当時のキャバクラ)に通ったり、複数の愛人もいたそうです。
水瓶座の方には失礼ですが、これもぽいなあと思います。
恋愛観が自由というか、独自で奔放というか。
前述のギャンブルについて逸話がありまして、
社内であまりに麻雀が流行って仕事にならないから、麻雀禁止令を出した菊池寛。
けれど、真っ先に破ったのも菊池寛だった。
という(笑)
そして麻雀に負けると途端に不機嫌になる菊池寛。
ついたあだ名はくちきかん(笑)
獅子座の土星だけあって、プライドが高いところがあったんでしょうかね。
そういえば、作品の『恩を返す話』や『忠直卿行状記』にも、
高すぎる誇りのせいで思い悩む主人公が描かれています。
と連なります。
色々とややこしいですが、
菊池氏の作品を通してのテーマには、
封建制の打破、というものがあります。
家柄や世間の評判から生まれた誇りや見栄は、実は意味のないものではないのか・・・
このテーマに、このアスペクトが呼応しているような。
人生経験で裏打ちされているからこそ、強い説得力を感じました。
後年はもっぱら編集者として活動が忙しく(芥川龍之介が心配していた)、
ちゃんと作品も優れているんじゃないかなあと思います。
まあ、これは本人のプライド次第でしょうし、
編集者、実業者として向いていることも確かですが。