文豪とホロスコープ

星占い&読書好きが主に古今東西の文豪のホロスコープを見ていきます。ほか、読書感想や星占い関連について、日々のつれづれなど。

文豪とホロスコープその23 室生犀星

室生犀星は日本の詩人、小説家です。

友人だった萩原朔太郎とともに、日本近代詩を支えました。

「ふるさとは遠きにありて思ふもの そして悲しくうたふもの」(小景異情その二)

という詩が有名です。

代表作は『愛の詩集』『抒情小曲集』『杏つ子』(小説)など。

 

出身は金沢。この故郷の景色や自然を読んだ歌も多いです。

出生がやや複雑で、

私生児として生まれ、実の両親の顔を見ることなく養子に出されました。

育ての母とも合わず、この事を生涯気にしていたそうです。

その後上京し、貧乏に苦労しながらも北原白秋に認められ、詩を発表。

それを見た萩原朔太郎から熱心な手紙が届き、友人になりました。

が、初対面ではお互いに期待違いだったと言っているそうです。

 

本人は無愛想で人見知りと自称していましたが、

面倒見が良いためか、室生さんの周りには多くの人が集まりました。

特に田端に住んでいた時には芥川龍之介堀辰雄中野重治など、

文学、詩で有名な人が集まっていました。

どれくらい面倒見が良いかというと、

若手を集めてご飯を食べさせてやる会の幹事をしていたとか。

たまに芥川さんも来ていたそうです。

芥川さんは室生さんのことを、これほどの世話焼きは他にいない、と言っています。

 

 

室生犀星(1889/8/1 出生時間不明)

獅子座の太陽、乙女座or天秤座の月。

獅子座には水星、土星も入っています。

熱い。

獅子座は納得です。

自分の気持ちを詠った叙情的な詩はもちろん、

後に始めた小説は、かなり自伝的な要素が強めです。

自我が強くて自己肯定的な獅子座らしいです。

ただし、(コンジャクションはしていませんが)同サインの土星の影響も強そうで、

ただの自己肯定ではなく、生まれなどのコンプレックスもあってのことかもしれない。

どちらかといえば、

今の自分の気持ちや存在を確かめるために書いているのかなあ、と感じます。

ちなみに親友だった萩原朔太郎とは、ほぼきっちりの太陽スクエア。

よく仲良くなれたなあ、と思いますが、

お互いに性格に似たところがないから、と語っていました。

なるほどなー。

 

月は乙女か天秤か不明ですが、

個人的には乙女座っぽいなと思います。

詩の中に故郷の自然の景色を詠んだものが多かったり、

庭いじりが好きだったり。

乙女座ってガーデニング大好きなイメージがありますが。

この月は、乙女、天秤にかかわらずですが、

双子座の金星、射手座の木星とTスクエアを形成しています。

ここが幼少期のコンプレックスの原因かなあ、と。

子供の時にあまり愛されなかったのかもしれない。

家や生まれのことで、あまり堂々としていられなかったのかもしれない。

それが詩や歌にも影響しているのかなあ、と。

面倒見の良さにも繋がっているのかも・・・。

 

面倒見の良さといえば、室生さんは蟹座に火星があります。

蟹座の火星は身内と外様をきっちりと区別します。

初対面には冷たいけれど、一度心を許せばかなりべたべたにくっついて甘やかします。

人見知りだけれど、面倒見が良い。ついでに世話焼き。

おお、ぴったりかもしれない。

けれど、蟹座にはもう一面あって、

感情的で、キレると手が付けられなくなる、という。

有名な話ですが、

あるとき、詩のことで仲間と口論になった萩原朔太郎

それを喧嘩だと誤解した室生犀星は驚きの行動に出ます。

助太刀のために、なんと、椅子を持って駆けつけた(笑)

まさかの暴力沙汰です。

他、友人に長男の名前が変だと言われた時に、

「変じゃない!」と熱湯の入った鉄瓶を投げつけたという噂も。(中野重治談)

一歩間違えれば大怪我です。

獅子座も強いためか、

激しくキレるタイプのようですが、

どちらも親友だったり、自分の子供だったりと、

身内のためにキレているところがそれらしいです。

 

室生さんの詩はあたたかみがあるなあ、と思います。

自然や、自分の気持ちを詠んでいても、

あまり尖っていなくて、ひょうひょうとしているような。

詩人って、ひょっとすると小説家より人柄が作品に出るのかも。