文豪とホロスコープその25 佐藤春夫
佐藤春夫は日本の小説家、詩人です。
代表作は『田園の憂鬱』『西班牙犬の家』など。
他、多数の評論や短歌も残し、
門徒三千人とも言われる、多くの弟子を育てました。
自分は、佐藤さんのことを文アルを始めて知ったのですが、
てっきり小説家だと思っていたら、詩人でもあったことに驚きました。
「小田原事件」(谷崎夫妻との三角関係)の際に作った
『秋刀魚の歌』は代表作でもあり、有名らしいですね。
本人はかなり男らしい性格だったらしく、
はっきりきっぱりと物事を言うことを信条としていたようです。
相手のことを考えすぎて言いたいことを言えないより、
自分の言いたいことを何でも言う方がいい。
あけすけに物を言うことが一種の親愛の表現だとか。
男らしい・・・
その人柄を慕ってか、周囲には友人や後輩が多く集まっていました。
太宰が芥川賞嘆願のために4メートルの手紙を書いたとか、
芥川賞に落選した後、今度は10メートルにも渡る恨み言の手紙を書いたとか。
けれど、佐藤さんの方から激励もしていて、
「尊重すべき困つた代物」という文章も書いています。
困った後輩に対して、理解と共感があったのでは、と思います。
佐藤春夫(1892/4/9 出生時間不明)
牡羊座の太陽、乙女座の月です。
たしかに、このきっぱりはっきりした人柄は牡羊座っぽい。
何事も白黒はっきりさせる傾向があって、
言いたいことはすぐに言う、それでどう思われてもかまわない、
むしろ、思ってることを隠す方が相手に失礼、
という風なところが特にそれっぽい。
それ故に人とぶつかることも多かったでしょうが、
それでも言いたいことは言うべき、という辺りが牡羊座らしいです。
ただし、月が乙女座だったり、水星が牡牛座だったりと、
全体的に地属性が多いので、懐が広くて落ち着いている印象があります。
主観だけど指摘そのものは正しいことが多かったのかも。
そのためかどうかわかりませんが、
牡羊座はその自己主張の強さと感情の爆発のせいで、
他人と喧嘩になったり、暴力沙汰に発展することもありますが、
佐藤さんはそういう話をあまり聞きませんね。
谷崎さんとは一度、前述の小田原事件で絶交したことがありますが、
それも谷崎氏が約束を反故にしたからという理由ですし。
喧嘩後は和解して、後に遺恨を残さないあたりがやっぱり羊座だなあと思います。
例えば蠍座だったら、絶対にこうはいかないでしょう。
ちなみに、金星は双子座で、海王星、冥王星とコンジャクションしています。
佐藤さんの作品にこの傾向が現われているのかどうかは分かりませんが、
後輩の太宰治(6/19生まれ)の太陽と同サインです。
金星は良いと思う感性や価値観を表わすので、
太宰の作品を、佐藤さんの好みとしてはかなり気に入っていたのかもしれない。
作品の優れた点をいち早く見抜いて、
激励したり、恨み言を言われて困った奴だと言いながらも見捨てていないのは、
太宰に対する理解とシンパシィがあったのかもしれません。
『西班牙犬の家』は読んだことがあるのですが、
視点は火属性、描写そのものは地属性らしい、と思いました。
家の中の描写に文字を使っている辺りが、牡牛座らしい。
ちょっと不思議系の題材の発想は双子座かな?
短編ですが、面白く読むことができました。
今度は詩の方も読んでみたいです。