文豪とホロスコープその29 横光利一
横光利一は日本の小説家です。
本名はとしかずですが、作家としてはりいちと読みます。
独特の表現を使うことから新感覚派と呼ばれ、特に戦前の日本を支えた文豪です。
代表作は『蝿』『日輪』『機械』など。
新感覚派というのは、一例をあげると、
「特別急行列車は満員のまま全速力で駆けていた。沿線の小駅は石のやうに黙殺された」(『頭ならびに腹』冒頭)
のような、擬人化と比喩を使った文学、だそうです。
文アルの説明文では「無機物を擬人化するような不思議な表現」と書かれていますね。
父親が鉄道技師だったこともあり、小さい頃はあちこちを転々としていたそうです。
15才くらいから家族を離れて下宿。
このころに文学を読み始め、小説家を志望し始めたそうです。
その後、親の反対を押し切って早稲田に入学。
文学に傾倒し、雑誌に投稿をはじめる。
その後、師匠である菊池寛と、菊池氏に紹介された川端康成に出会います。
菊池氏は「あれはえらい男だから友達になれ」と川端氏に言ったそうです。
さすが、人を見る目がある。
菊池氏の紹介もあり、有名作家への道を歩んでいきます。
横光氏は独特なレトリックや「文学の神様」と呼ばれたこともあって、
とにかく大物なイメージがありますが、
とくに大学時代はけっこう荒れていた模様で、
学校にはほとんど行かず、長髪で和服の上にマントを着けていた、
部屋に閉じこもって小説を書き、過度の喫煙をしていた、
とかなんとか。
まさかの不登校の上にロン毛&マント、そして引きこもりと煙草。
なかなかのギザギザハートに思わず(笑)。
文アルの理知的なイメージからすると、少し意外な・・・
また、ペンネームを一時期、横光左馬(さま)にしていた時期があります。
「これならいつでも人から敬称されている」と言っていたそうです。
鼠先輩と同じ発想です。
やっぱり尖ってて面白い(笑)
横光利一(1898/3/17 出生時間不明)
新感覚の秘密はここにあるのかもしれません。
無機物をあたかも生物のように比喩するというのは、感情タイプの水らしいです。
感情タイプは感情移入すれば、何もかも自分自身のように感じられるし、
魚座にとっては人や物という境界線もありません。
または、山羊座の月が良い仕事をしているのかも。
その比喩が人物描写や心理表現ではなくて、もっぱら物に使われているのが、特に。
さて、横光氏の金星は牡羊座です。
牡羊座の金星はデトリメントであまり居心地が良くないのですが、
けっこう面白い出方をします。
横光氏の大学エピソードは、自己主張が強い牡羊座金星らしいです。
また、牡羊座の金星はファッションセンスが極端で、
無頓着か、妙にスタイリッシュ(笑)のどちらかだそうです。
横光氏が金星の年齢域だった大学時代に荒れていたことは前述したとおりですが、
ロン毛にマントです。
なかなか攻めのセンスから推測するところ、
横光氏はスタイリッシュ(笑)派のようですね。
横光氏には他に、上海やヨーロッパを旅行して書いた小説(『上海』、『旅愁』)がありますが、
海外に関わり深い射手座には土星が、その対岸の双子座冥王星があります。
これらの小説が文明批評を含んでいるところが面白いなあと思います。
旅の最中、東洋という劣等感を感じたと言いますが、
その劣等感の中からこれらの小説ができたのかも、とも思います。
横光氏は例えば川端康成らに比べると一般にあまり知られていませんが、
なかなか面白いホロスコープの人だと思います。