文豪とホロスコープその35 堀辰雄
堀辰雄は日本の小説家・詩人です。
代表作の『風立ちぬ』は、2013年公開のジブリ映画でちょっと有名になりました。
あれからもう5年か・・・
代表作は『聖家族』『風立ちぬ』『菜穂子』など。
東京出身で、妾腹という複雑な出生をしています。
学生時代に文学を始め、田端では室生犀星、芥川龍之介、中野重治など、
多くの文学者と関わります。
通称たっちゃん、たっちゃんこ(by芥川さん)など。
他、佐藤春夫、萩原朔太郎、川端康成など、かなりの大物と知り合いだった模様。
芥川さんのことをとくに尊敬していたようですが、佐藤さんなんも、
滅多に人を通さない自分の部屋に通したことがある(意訳)
というくらい、かなり親しかったようです。(『堀辰雄のこと』より)
他、筆無精の自分の手紙を五通持っているのは愛人くらいだが、彼は三通持っているのであと一歩で愛人である、とかも言っています。
ちょっと笑った。
かなり多くの人から愛されていたようです。
堀辰雄は肺病を煩っていて、たびたび病床につきます。
恋人も肺を病んでいて、二人で過ごした療養地のことをモデルにした話が、
『風立ちぬ』です。
他にも、自分の経験や見聞を書いたものが多く、
『聖家族』は芥川龍之介とその周辺をモデルにしているそうです。
ちなみに、堀辰雄には、自分の身辺を美しく描いたものの他、
折口信夫に影響を受けた日本古典物も多いようです。
堀辰雄は時代に迎合しないもの、と言われています。
療養のために何度も訪れています。
当時から避暑地として有名で、室生さんや川端さんが別荘を持っています。
堀辰雄(1904/12/28 出生時間不明)
山羊座の太陽、乙女座の月(確定)。
かなりの地属性ですね。
小説の描写も自然描写が多いので、まあ納得でしょう。
読んでいて心地が良いです。
海王星と太陽が合かハードアスペクトとか、第一ハウスの近くにある作家は、
なんとなく身体が弱い印象があります。
たとえばR・L・スティーブンソンとかも結核でしたね。
大きいアスペクトとしては、
天秤座の火星、
双子座の冥王星で風のグランドトラインです。
これは芥川さんが文学の才能を褒めていてもおかしくはない感じ。
堀辰雄は刻々と移り変わる心理描写と美しい言葉使いに特長があると思いますが、
うつろいやすい微妙な心理を結晶化させるようなイメージですかね。
特に、結核という死の病を抱えた心理というのは、
想像だけならリアルなものは書けないでしょう。
これらを全部含めてカイトを作っています。
時代に簡単には迎合しない、
人当たりが良いわりに押しが強い、というのはここが由来なのかも。
堀辰雄作品には風のグライドトラインと、
現実主義である山羊座の太陽や水星が良い仕事をしているという感じです。
フランスの心理小説に大きな影響を受けたらしいですが、
まさにそういう感じで、写実主義っぽいところもある。
現実を美しく写実する、それこそ絵画のように思います。
ただまあ、個人的な好みを言わせてもらえれば、
堀辰雄の作品には情熱があまり感じられないかなあとも思いますが。
あんまり激しいや喜び悲しみではないです。
そこは、例えば同期の三好達治とは正反対ですね。
ちなみに、冒頭の話題ですが、
宮崎駿監督(1941/1/5)はかなり地属性が強いです。
堀辰雄の作品には、かなりシンパシィを感じたのでは、と思います。