文豪とホロスコープ

星占い&読書好きが主に古今東西の文豪のホロスコープを見ていきます。ほか、読書感想や星占い関連について、日々のつれづれなど。

文豪とホロスコープその5 アメリカ作家編、トウェイン

マーク・トウェインアメリカの作家です。
本名はサミュエル・ラングホーン・クレメンズで、
小さい頃から憧れの職だったミシシッピ川の水先案内人の用語、
安全水域を表わす「深さ二尋(マーク・トウェイン)」から取ったそうです。
代表作は『トム・ソーヤーの冒険』『ハックルベリー・フィンの冒険』『王様と乞食』など。


・人となり

冒険小説を書いていたトウェインは、実際フリーダムで劇的な人生でした。
若い頃は新聞記者、蒸気船の水先案内人、鉱脈探しと、
かなりの間、ふらふらしていたようです。鉱脈探しって。
ヨーロッパ旅行から帰国後、ユーモア作家として活躍し始め、
資産家の娘さんと結婚し、美人の嫁さんと豪邸を手に入れましたが、
が、一方で出版事業で破産して、多額の借金を負ったりと、
浮き沈みの激しい人生だったようです。
借金は10年かかって返済しましたが、
最愛の妻と娘を亡くし、晩年は心霊現象に凝ったり、
ペシミスティックになっていたそうです。


代表作のひとつである『ハックルベリー・フィンの冒険』は、
出版当時こそ評判が悪かったそうですが、
ヘミングウェイアメリ近代文学の祖と評しています。
それまでのアメリカ文学がヨーロッパ寄りだったのに対して、
トムやハックのようなアメリカらしい自由奔放な悪ガキが
活躍するのは画期的だったらしいですね。
ちなみに、どうして評判が悪かったかというと、
訛りの強い庶民語を四つも駆使して書いた文章と、
黒人奴隷を対等に扱うことへ、上流階級から反発があったそうです。
この反骨精神と平等主義は作品全てに見られる傾向です。


執筆以外にも皮肉とユーモアのこもった講演が大の得意で、
講演で世界一周旅行をして、多額の借金を返すことができたそうです。
あとは奥さんが大好きだったそうで、
資産家の娘にどこの馬の骨ともしれない作家が恋をして、反対され、という
ドラマチックな展開もあったようです。
あとは、意外と落ち込みやすい性格だったらしいとか。
トム・ソーヤーの性格にも大体同じような部分が見られます。

 

ちなみに、『学問のすゝめ』を書いた福澤諭吉と同い年。

ぜんぜんイメージ違いますけど、

若い時ヨーロッパに渡ったり、

そのことを記事にしていたり、

意外と共通するところがあります。

トウェインの方が数倍くらい落ち着かない印象ですけどね。


ホロスコープ解説
マーク・トウェイン(1835/11/30 4:45)

射手座の太陽、牡羊座の月、Ascは蠍座
めっっちゃ火が強い。
射手座に太陽、金星、火星が同座しています。
作品に見られる自由奔放さと空想・妄想好き(特に盗賊ごっこが趣味のトム)、
反骨精神やアウトサイダーを好む性質は、
まさしく典型的な射手座です。
ものの本によると、トウェインの作品では
双子や入れ替わりという「分身」というテーマが大きいそうです。
ダブルボディーズサインだからかなあ、としっくり来る感じがします。


そういえば、モンゴメリの『赤毛のアン』に対して、70過ぎのトウェインは
「”不思議の国のアリス”以来の魅力ある人物」と
直接手紙を送ったそうです、(と、近くにあった『アンの愛情』の解説に書いてありました)
モンゴメリも、アリスの作者のキャロルも、
射手座だったり、射手座が強めだったりします。なんとなく好みがわかる。
この辺のキャラクターは同じ括りでまとめられますが、
アリスもアンも妄想大好きですが、トムも相当です。


さて、トウェインは射手座も強いですが、牡羊座も強いです。
作品の中にはかなり皮肉が強かったり、風刺の辛辣なものも多いです。
特にハックは、子供に読ませていいのか、ってくらいえげつないこともある。
太陽が射手座で月が牡羊座の組み合わせというのは、実は小林多喜二と同じです。
えげつなさには大小がありますが、残酷な現実から目をそらさない辺り、
なんとなく似たような傾向があるなあ、と思います。
個人的に読んだ感想では、
トムは射手座で、ハックは牡羊座って感じです。
トムは想像力と妄想力で辛うじて文明社会に適応できるけれど、
野生児のハックは完全に対立しています。
そう考えると、ハックを人間社会に適応させるのは
牡羊座を従わせようとするのと同じで、
どだい不可能っぽいです。


火が強い一方で、Ascや水星は蠍座木星は蟹座と、水も強いです。
蠍座の水星は大分作品内に見て取れて、ユーモアの反面言葉に毒があったり、
皮肉や風刺が大好きなのはそういう理由でしょう。
ちなみに、蟹座の木星牡羊座の月ときつくスクエアで、
かなり調子に乗りやすそうだなあ、という感じがします。
作品に盛りすぎて話に詰まったり、事業広げすぎて失敗したりとか。
そこには、月に合した冥王星の影響もありそうです。
そして、地のエレメントにひとつも星がないのは
安定や堅実や常識と一切縁がなかったトウェインらしいなと
しみじみ思います。