文豪とホロスコープ

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文豪とホロスコープ フランス作家編

12月のテーマはフランス文学についてです。

アメリカや日本よりずっと歴史が長いので大変でした(ーー;)

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フランス文学は日本やアメリカに比べて古い歴史があります。
とはいえ、17世紀や18世紀は詩や劇作が中心で、
小説は卑しいものとされてきた歴史があります(イギリスやドイツでも同様)。
とはいえ、宮廷のサロン文化があったため、趣味で文学をやっていた人も多かったようです。
劇作家で有名なのはモリエール
サロン文化の代表はラファイエット夫人、ペロー(『赤ずきん』など)、
本格的な作家はスタンダール(1783年生)が最初かなあ、と思います。
その影響か、日本に比べて現代でも戯曲や劇が盛んな印象があります。
ジロドゥー、ベケット、イヨネスコなどなど。


その後はフランス革命、ナポレオンの登場、共和制の成立を経て、
文学でも一気に自由化が進みました。
代表的なのはバルザックユゴー、デュマ・ペールのほぼ同期組。
小説、詩、劇作でそれぞれ大活躍しました。
この頃から新聞小説が大ブームとなり、
デュマ・ペールの他、『オペラ座の怪人』のルルーが連載を書いていました。
フランス文学は日本文学にも大きな影響を与えていて、
ボードレール、ジッド、ラディゲあたりはファンが多いようです。
ちょうど昭和の初期あたりにフランス文学ブームが起きたらしく、
その辺りにはファンが多い。小林秀雄とか大岡昇平とか。
ざっと述べると石川淳坂口安吾太宰治織田作之助などの無頼派
象徴派詩人の影響が強い三好達治中原中也
あとは三島由紀夫遠藤周作などなど。

 

フランス文学の特徴といえば、恋愛です。
劇でも詩でも小説でも、登場人物が若きも老いも、
まず恋愛が絡んできます。
一番多いのが人妻を含めた三角関係です。
さすが恋愛至上主義の国。
とくに浮気(というか人妻との恋)が多いので、
現代日本人の感覚からすると眉をひそめることもままあります。
えー、これは別にフランス人が異常というわけではなく、
当時の制度として、結婚には持参金やらなんやらでお金がいるわけです。

1、男性が社会的に成功してお金を稼いで結婚するのには時間がかかる。
  すると、自然と中年の男性と若い夫人という年の差婚になる。
  (しかも、往々にしてお金目当て)
             ↓
2、若い夫人としては年老いた夫で満足できないため、
  若い年下の間男と不倫して楽しむ。
  間男は年上の女性との恋愛で、愛のイロハを学ぶ。
             ↓
3、そして、間男が中年になってから若い夫人と結婚し、
  夫人が新しい間男を作り不倫して・・・

という繰り返しになるわけです。
夫の方も自分が若い頃にやったことなので、結構寛容に受け止める人も多いらしい。
というか、皆やっているからこそ、共感が得られたんだろうなあ、と思います。
同時に、フランス文学の特徴である心理描写ですが、
多分、この恋愛主義があったからこそ発達したんじゃないかなあ、と思います。
恋愛といえば喜びあり、嫉妬あり、不安あり、悲しみありで、
人間の持つ中で一番心理描写に適した感情なのかもしれない。
恐るべし恋愛至上主義者の国。


その一方で、自然主義が発達した国でもあります。
多分、自然主義の祖というか先駆はバルザックじゃないかなあ、と思いますが、
フロベール、その弟子のモーパッサン、ゾラなどなど。
華やかな恋愛とロマンスの裏で、
人間のありのままの生活や感情を描く文学が発達したのは、
なかなか面白いです。
また、現代フランス文学になるとカミュサガンなど
ちょっと変わった視点の小説が増えるので、
読んでみると面白いと思います。