文豪とホロスコープ

星占い&読書好きが主に古今東西の文豪のホロスコープを見ていきます。ほか、読書感想や星占い関連について、日々のつれづれなど。

文豪とホロスコープ フランス作家編その5 ボードレール

ボードレールはフランスの詩人です。
近代詩人の先駆者で、退廃的・耽美的な作品が特徴。
各国の詩人・作家問わずファンが多く、
特に日本人はボードレール好きな人が多いような。
代表作は『悪の華』、散文詩の『パリの憂鬱』など。

 

・人となり
フランスの中流家庭に生まれましたが、
幼くして父親と死別し、母親が再婚。
それが結構衝撃だったとか・・・

 

義父に反発を覚えつつ、学生時代は頑張って優等生でいたそうです。
が、大学を中退し、文学者になると言い始めたそうです。
生活も破調というか、退廃的なところがあり、
借金を重ねに重ね、生涯貧乏に苦しんだり、
阿片中毒や性病に苦しむこともありました。
代表作の『悪の華』はケシの花のことだとか。
その『悪の華』は猥褻文章として有罪になったことがあります。
あとは、E・A・ポーが大好きで、
当時それほど注目されていなかったのに、フランスで紹介した
ということが有名でしょうか。

 

詩人からの評価は高い。
日本の近代詩人への影響はかなり大きいようです。
ぱっと浮かぶあたりで
北原白秋萩原朔太郎堀口大學三好達治中原中也
とかはボードレールの影響が強いかなあと。
白秋先生の『邪宗門』とか、朔ちゃんの『青猫』はかなり見てとれる。
あとは、芥川龍之介が『或阿呆の一生』で
「人生は一行のボオドレエルにしかない」
と言ったことが印象に残っています。

ホロスコープ解説

シャルル・ボードレール(1821/4/9 15:00)

牡羊座の太陽、蟹座の月、ASCは乙女座。
太陽と月はスクエアです。
意外と牡羊座って詩人多いような気がします。
島崎藤村佐藤春夫中原中也は水星と金星、宮沢賢治は月が牡羊座
私的にはけっこう好きな人が多い、火属性系詩人。

 

ボードレールは星の固まり方がすごく特徴的で、
まず、牡羊座魚座山羊座、蟹座にしか星がない。
牡羊座の初期度数と魚座の最終度数近くで、
コンジャクションがめちゃ多い。
具体的に言うと、水星・火星・冥王星魚座で、
金星・木星土星・太陽が牡羊座でステリウムを構成しています。

 

しかも、1821年はちょうど大合で、
牡羊座魚座の惑星群と山羊座天王星海王星がスクエアを結んでいて、
という、かなり個性の強いホロスコープです。
蟹座の月はオーブ範囲外ですが、サイン的にはスクエアですし、
かなり葛藤の強そうな人です。

 

多分この人、根は真面目です。
高校まで良い子にしようとしていたあたりでうかがえますが、
ちょっと理想が高くて感受性が強いのと、
自己の欲求に忠実であろうとするところと、現実への幻滅などなど、
ストレスが多すぎて、色々な非行に走るんではないかと。
というか、天王星海王星と水星・火星・冥王星のスクエアは
特にヤバそうです。
アルコール中毒か薬物中毒かニコチン中毒のどれかをもれなくプレゼント
ていう感じですね。どんな感じでしょうか。
そもそも詩人は海王星が強い人が多く、
酒や薬や精神錯乱や情緒不安定とお友達の人が多い。
ボードレールなんてその典型例。
海王星がそれら全部を示してるから、
いい作品を作るためには仕方ないことなんでしょうか。

 

ちなみに、この天王星海王星のコンジャクションは171年周期で、
だいたい40年ごとにスクエアやオポジションを結びます。
1820年代の世代がボードレールドストエフスキーフロベール
この次に牡羊座と蟹座でスクエアを結ぶのが1860年代後半、
夏目漱石正岡子規尾崎紅葉らの世代に当たります。
その次のピークが1900年代後半で、
天王星山羊座に戻り、蟹座でオポジションになりますが、
坂口安吾中原中也太宰治
フランス作家なら泥棒作家の異名を取るジャン・ジュネ
という、時代がくっきり出るような人々の生まれ年になっています。
天王星という星そのものが改革を意味していて、
天王星海王星アスペクトは精神の変動や改革を表わしているので、
それまでの社会や文学を否定して、新しいものを作りだそうとする人々が
多いなあ、と思います。1900年代は特に顕著ですが。
ちなみに、この天王星海王星、次にコンジャクションを結んだのは
1821年から約171年後の1990年代前半と、わりと最近です。
私もコンジャクション圏内だったりします。オーブ差一度で。
これからこの世代があれこれ改革を起こしていくのかどうか。
が、がんばります。