文豪とホロスコープ

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文豪とホロスコープ フランス作家編その9 モーパッサン

クリスマス・イブです。

モーパッサンかあ、って感じですが。

***

 

ギー・ド・モーパッサンはフランスの作家です。
フロベールを師匠とし、自然主義の代表とされています。
代表作は『女の一生』『脂肪の塊』、ほか多数の短編など。

 

・人となり
フランス北部に生まれ、学校や戦争への召集を経て、
やがて役人になります。
伯父の友人だったフロベールから教えを受け、
ゾラなどと共に小説を発表し合い、
長編『女の一生』はトルストイに評価されるほどだったとか。

 

しかし、神経性の疾患で目を病み、不眠症に悩まされ
自殺未遂を起こすまでになり、
最後は精神病院で亡くなったそうです。
鉄骨を使った無骨なエッフェル塔をひどく嫌って、
わざわざエッフェル塔のレストランに通い、
「ここなら塔を眺めずに済むから」と言った、
という話を聞いたことがありましたが、
誰かと思えばモーパッサンだったらしいですね。


ホロスコープ解説

ギー・ド・モーパッサン(1850/8/5 8:00)

 

獅子座の太陽、蟹座の月、ASCは乙女座。
けっこう偏った配置の人で、
獅子座で太陽・水星がコンジャクション。
乙女座で金星・火星・木星がコンジャクション、
さらにASCの関係で乙女が第一ハウスに来るので、
なおさら強調されています。
そういえば、エッフェル塔が大嫌いだったことは先に述べましたが、
自然のもの・こと・景色が大好きな乙女座にとって、
鉄筋で作られた、いかにも人工物なエッフェル塔
お気に召すのは難しかったかもしれません。
言い表すとしたら、価値観の強い人?
自我が強くて自分の見方に絶対の自信があり、
優れた観察眼を持っている感じです。
日本では詩人の立原道造に似ている感じ。
モーパッサンの場合は太陽と月がそれぞれ調子の良いので、
なおさら自我が強そうです。

 

作品がまさしくそういう感じで、
フロベールが登場人物になりきり(憑依し)、
その人物から見える景色を同じ目線から描くのに対し、
モーパッサンは自分(作者)の立場から見える景色を
あくまでも自分の立場から描いているように思えます。
例えるなら、自分の目線をカメラにして、
見えるものをひたすら客観的に描写します。
無論、カメラで見えるのは外側のみなので、
人物の内心を描くことはできません。

 

わたしの認識として自然主義とは
「物事を客観的に描写することによって、世界のありのままの姿を描く」
ということだと思っています。
すると、誰の目にも見える事実を描く、
というのは自然主義の極地じゃないかなあ、と思います。
地属性の乙女座が強いモーパッサンからすると、
目に見える、ってところが多分ミソですね。
むしろフロベールの方が変則的で、
モーパッサンの方が一般的な自然主義っぽいです。
ある種、この芸当が出来たのは
良い意味で我が強い獅子座ならではと思います。

 

モーパッサンフロベールの弟子とされ、
両者合わせて写実主義自然主義の代表とされていますが、
おそらく、今現在で自然主義と言われているものは
モーパッサンの方に近いのでは、と思います。
だから実質上、自然主義の代表はモーパッサン
と言っていいんじゃないでしょうか。
すると、ゾラはまた別の立場になり、
いやいや他の自然主義作家もそれぞれ個性があって・・・
と切りがないですが。
それぞれ自分のやり方があって面白いですね。

 

さらに加えると、
蟹座の月と天王星冥王星セクスタイル海王星がトライン・・・
これは神経系への影響かなあ。
興味深いのは牡羊座(目や頭部)や魚座(神経系)との関わりがあるところ。
そういえばモーパッサンの小説って女主人公が多いですが、
蟹座の月の人って、作品内で女性にやたらこだわったり、
女主人公や女性一人称の作品を描くことが得意なことが多いですね。
わかりやすいのは太宰治(『女生徒』『皮膚と心』など)。
女性主人公が多いのは尾崎紅葉で、ジッドもマザコンの気があったらしいとか。
モーパッサンは子供時代に両親が離婚して、
母親に引き取られたそうなので、その影響かもしれませんが、
そういえば生涯結婚しなかったらしいです。
乙女座の影響かも知れません。
現実と理想の女性の間に溝があったのかもしれない。
なかなか興味深いものです。