文豪とホロスコープ

星占い&読書好きが主に古今東西の文豪のホロスコープを見ていきます。ほか、読書感想や星占い関連について、日々のつれづれなど。

文豪とホロスコープ フランス作家編その11 ジッド

アンドレ・ジッドはフランスの作家です。
代表作は『狭き門』『贋金つくり』『法王庁の抜け穴』など。

 

・人となり

ジッドといえば、ずばり同性愛者です。
言いにくいけれど、これはどうしても避けて通れない。
あのオスカー・ワイルド(やっぱり同性愛者)と盟友で、
かなり若い頃にアフリカ旅行に行った時にハマってしまったとか。
奥さんとは結婚した後も清い関係のまま、つまりはプラトニック・ラブで、
知り合いの男の子と関係を持っていたとか。
後々にそれが奥さんに知れ渡り、
関係が冷え切り別居、さらに手紙を全部燃やされたそうです。
そりゃ燃やしますよ、当然。それに顔も見たくないでしょう。
奥さんは『狭き門』のアリサのモデルになった超真面目なキリスト教徒です。
しかも、このモデルの件も実は了承無しで、
自分をモデルにしたヒロインを無惨に死なせるというおまけ付き。
あと、男の子以外にも愛人がいて、一人女の子も生ませているそうです。
正直、この話を聞いてドン引きしました。
なので、ジッドについてあまり詳しく語りたくないんですけどね・・・
半生については自伝的作品が『狭き門』含めて複数あるので、
どうぞそちらをご覧くださいませ。

 

そんな人間的にはちょっとアレなジッドですが、
昭和の一時期日本で大流行したことがありました。
明治時代に開国して以来、ようやくフランス文学者が育ってきて、
同年代のジッドがこぞって翻訳されたためだと思います。
無頼派石川淳織田作之助はジッドの影響が強いようです。
石川淳は評論も書き、ジッドの反宗教性(後で書きますが)に
強く共感したようです。
一方、、織田作は『可能性の文学』の中で
ジッドの『贋金つくり』を面白いと褒めてました。
多分、思想のあれこれより物語の面白さに注目したのだと思われますが。
二人とも同性愛者のあれこれは知ってたのかな・・・

 

ホロスコープ解説

 

アンドレ・ジッド(1869/11/22 3:00)

蠍座の太陽、蟹座の月、ASCは天秤座。
星は全体に散らばっていますが、全体で平行四辺形を作った
ミスティックレクタングルという珍しい形を作っています。
二種類のオポジションがそれぞれセクスタイルとトラインをとったもので、
ジッドは牡牛、蟹、蠍、山羊で形成されています。
今のところ彼の他はメルヴィルでしか見たことがないです。
ものの本によると非常に安定した形で、
ジッドの場合は五つの星で形成されていますが、
水星、金星、木星天王星冥王星がそれぞれ影響を与え合っています。
物書きの星である水星が入っていることからも、
多種多様で多角的な作品が書けそうだなあ、と思います。
また、一説ではミスティックの名の通りに神秘的なものに関わりが強い、
と書いてありました。
代表作の『狭き門』で示されている通り、
ジッドはキリスト教や信仰というものに関連が深いです。

 

ただし、ジッドのキリスト教への姿勢は
どちらかといえば皮肉や批判を含んだものです。
『狭き門』のヒロインは行き過ぎた信仰のため、
孤独のうちに死ぬことを自ら選びます。
この話は一般的に言われているように美しい悲恋の一方、
人間を制限する宗教や信仰への疑惑と皮肉が感じられます。
ジッドは射手座で火星と土星がコンジャクションしています。
射手座は宗教や精神性、神秘主義に関連が深いですが、
自由を制限するようなものは、たとえ神であろうと許さない
という感じがします。
わりと何でも受け入れる魚座とは正反対です。
そういえば月射手座のユゴーも『レ・ミゼラブル』の中で
宗教や修道院について長々と批判している項がありました。

 

ただ火星と土星のコンジャクションって結構激しいところがあって、
自分の欲望にごく忠実だったり、怒りを抑えられないとか、
わざわざ法律や決まりを破るとかしそうです。
射手座だから信仰や宗教について疑問と怒りを持っている感じでしょうか。
彼の作品の『背徳者』というタイトルの話もあります。
まさか、その背教が同性愛方面に向かうとは思いもよらない。