文豪とホロスコープ

星占い&読書好きが主に古今東西の文豪のホロスコープを見ていきます。ほか、読書感想や星占い関連について、日々のつれづれなど。

文豪とホロスコープ フランス作家編その12 サン=テグジュペリ

年末です。

この文章を書いているのは12月の初めですが、

良い年末を!

***

アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリはフランスの作家です。
あまりに長い名前と名字で、愛称はサンテックス。
パイロットでもあり、飛行士は小説内にもしばしば登場します。
代表作は『夜間飛行』『人間の土地』『星の王子さま』など。
第二次世界大戦期、飛行中に消息を絶ちました。

 

・人となり
フランス貴族の家系で、本名が
アントワーヌ・マリー・ジャン=バティスト・ロジェ・ド・サン=テグジュペリ
というとても長い名前です。ピカソみたいだ。
本によると、子供時代は父親を早くに亡くして母親に甘やかされ、
落ち着きがなくて、よくものを壊す子供だったそうです。
学校に入ってもそれは治らず、不器用で運動神経も悪く、
注意力散漫の、ひと言でいえば問題児だったそうです。
その後、自由な校風のスイスの学校へ転校したところ、
なんとか馴染むことができ、文学を始めて成績も上がったそうです。
なかなか生涯通して大人になりきれない大人だったようで、
「人生でひとつ残念なことがあるなら、それは大人になってしまったこと」
と後に書いているようです。

 

彼の代表作といえば『星の王子さま』。
日本では大人気ですが、けっこう恐ろしい話です。
愚かな大人を告発する星の王子さまは作者そのものです。
序盤で綺麗だけどわがままなバラが出てきますが、
これは作者の奥さんをモデルにしているそうです。
サン=テグジュペリは女性に対してトラウマがあって、
婚約破棄されたり、無関心だったりで、
奥さんとは上手くいっていなかったそうです。
このバラのせいで星の王子さまは傷つけられ、
旅に出て、きったねえおとなの世界を見て、
友達になったキツネに諭され、
最終的には身体を置いて魂だけ星に帰る、
つまりはまあ、自殺するという。
けっこうえげつない話です。
これ、何度読んでもメルヘンな童話に思えないんですよね。
実際、第二次世界戦争の告発のために書かれたという説もあるそうで。
そういうおとなに対して、皮肉と批判が盛大に盛り込まれているという、
あんまり楽しくない読み方もできます。
そういう読み方ばっかりしてしまうので、
わたしにとってこの本はあんまり楽しくないんですが・・・

 

ホロスコープ解説


アントワーヌ・(中略)・ド・サン=テグジュペリ(1900/6/29 9:15)

蟹座の太陽、獅子座の月、ASCは乙女。
けっこう面白くてわかりやすいホロスコープをしています。
落ち着きのない子供時代がけっこう特徴的でしたが、
月と水星がタイトにコンジャクションしています。
思ったことをそのまま口にしてしまうタイプでしょうか。
火のエレメントということもあり、落ち着きは全くなさそうです。
ただ、これだけだとまだ普通なんですが、
双子座の火星と射手座の木星天王星オポジション
その調停の位置に月と水星がいます。
火星と天王星アスペクトはかなり緊張が強いみたいで、
ストレスを抱え込みやすい。
往々にして反骨精神のカタマリみたいな人が多くて、
それがわがままと受け取られやすいようです。
その代わり夏目漱石とか谷崎潤一郎とか大物も多いです。
この影響を月がもろ受けしたのでは、とも思います。
火星も、木星天王星(しかも射手座)も、
せっかちで、まったく落ち着きはなさそうですから。
そういえば、サン=テグジュペリは飛行機操縦を天職としましたが、
双子・射手ラインぽいですね。
自由人すぎて普通の職場では働けなさそうです。


一方、太陽は土星オポジションしています。
太陽と土星アスペクトもけっこう作家には見られますが、
自分に自信がなく、コンプレックスを抱え込みやすい人が多いようです。
また、父親や男らしいものにコンプレックスを感じる人もいるようです。
江戸川乱歩とか、アンデルセンとかと同じです。
アンデルセンとかよく似ていますね。人付き合いが苦手なところとか。
しかも、太陽が蟹で土星がルーラーである山羊なので、
社会になじめない自分は駄目人間だ、とか
大人になることを強要された、とかそういう思いがあったのかもしれません。
サン=テグジュペリは作品の中で散々おとなに対して皮肉ってますが、
どうやら、おとなへのコンプレックスはここに原因があるようです。
ちなみに、『星の王子さま』以外の作品もあります。
『夜間飛行』はけっこう大人な話でした。
厳しい自然環境や仕事に立ち向かい、
時に犠牲を払いながらも職務を全うする、という感じの。
星の王子さま』感はゼロで、あれ、と思いました。
実際は、けっこう大人の人なんじゃないかな、と思います。


星の王子さま』で有名な言葉といえば、
「たいせつなものは目に見えない」でしょうか。
この星のどれかに愛する人がいると思えば、どの星も愛おしく思える・・・
いかにも愛着が強い水属性、とくに蟹座が言いそうな台詞です。
が、作者の地属性が山羊座土星しかないところも気にかかります。
物語内で語られる「おろかなおとな」が
けっこう山羊座土星っぽいところがあるなあ、と思います。
自分は山羊座に金星があるので、
なんか、ちょっと・・・と思うところもあります。