文豪とホロスコープ

星占い&読書好きが主に古今東西の文豪のホロスコープを見ていきます。ほか、読書感想や星占い関連について、日々のつれづれなど。

文豪とホロスコープ フランス作家編その15 サガン

フランソワーズ・サガンはフランスの女性作家です。
18才の時に書いた『悲しみよ、こんにちは』が大ヒットし、
一躍時代の寵児となりました。
代表作は『悲しみよ、こんにちは』『ブラームスはお好き』など。

 

・人となり
サガンは本名をフランソワーズ・コワレといい、
フランスの裕福な家庭の末っ子に生まれました。
父親にかわいがられ、恵まれた子供時代でしたが、
ちょうど第二次世界大戦が起こり、
戦争映画や戦地の写真にショックを受けた、
という繊細な子供でもあったようです。
学校時代は自然や動物好きの内気な文学少女で、
文学が大好きで、これを生涯愛したいと思っていたそうです。
後々の奔放なイメージとは大分違いますね。

 

代表作でデビュー作でもある『悲しみよ、こんにちは』を出し、
戦後の華やかな時代を象徴する作家として、
日々男性に囲まれ、酒を飲み、気晴らしに車を高速でぶっ飛ばすという
なかなか怠惰な生活を送ります。
そのせいで、生涯で二度も交通事故に遭い、後遺症にも悩まされました。
一見華やかで派手な生活には裏の理由があって、
サガンはひどい寂しがり屋だったそうです。
一瞬でもひとりでいることに耐えられず、
常に友達やボーイフレンドに傍にいてもらわないとならないという。
そのせいで酒や薬に溺れ、2004年に亡くなりました。

 

ホロスコープ解説

フランソワーズ・サガン(1935/6/21 11:00)

双子座の太陽、魚座の月、ASCは乙女座。
サガンで目を引くのは、双子座の太陽と逆行水星の
ほぼ0度のコンジャクションです。
言葉やコミュニケーションを司る双子座の太陽で、
超調子の良い水星とコンジャクションというと、
作家としてはこれ以上ない才能、とも思えますが、
なかなか逆行というのが一筋縄ではいかない感じ。
双子座の作家に多いのですが、
頭の中で話している言葉をそのまんま文章にしている感じが、
サガンも多分にします。
独特の文章は句読点が多く、話しながら言葉を選んでいるような、
アンニュイな感じがします。
本人曰く、簡潔な文章を心がけたとのことですが、
同じく双子座で水星とコンジャクションの太宰治とよく似た雰囲気の文章です。

 

逆行は話すより書く方に向くと言われていて、
どちらかというと口べたなイメージがあります。
サガンは学生だった頃は内気で、
意外と成績が良くなかったそう。
頭の回転が良すぎて逆に勉強が出来なかったとのことで、
作家じゃないですけどエジソン水瓶座太陽水星コンジャクション)とか
と同じような感じでしょうか。
この頭の良さは、大人になってからも変わらず、
孤独に耐えられないというのは
自分を本当に理解してくれる人がいない、
という思いを常に抱えていたせいかもしれません。
月が魚座で、絶妙に寂しがり屋なのもなー。

 

一方、金星は獅子座で、蠍座木星とスクエアしています。
華やかで遊び好きな少女、という感じの獅子座金星は
サガンの外面的なイメージにぴったり当て嵌まります。
ただ、木星とスクエアしているので、
それが度を超すこともしばしばありそうです。

 

そういえば、『悲しみよ、こんにちは』は最初、自伝的作品と思われたそうですが、
完全なフィクションだそうです。
太陽水星コンジャクションの作家はよく自伝的な作品を書きますが、
双子座の作家はむしろ自伝に見せかけたフィクションが得意ですね。
前に書いたラディゲの『肉体の悪魔』や太宰治の『人間失格』などなど。
虚実織り交ぜて書くというか、
書きたい主題に合わせて現実を変化させている感じがします。
太陽以外の星でも双子座が目立つ作家はフィクションが上手いという
印象があります。
サガンは他の作家ではサルトルフィッツジェラルドが好きだったそうですが、
どっちも双子座強めですね。

 

とりあえず、サガンでフランス作家編は一区切りにします。

読んでくださり、ありがとうございました!