文豪とホロスコープ

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文豪とホロスコープ イギリス作家編その4 ディケンズ

ディケンズはイギリスの作家です。
19世紀を代表する大人気作家で、
彼の時代、イギリスは労働革命の最盛期を迎え、大英帝国として発展していきましたが、
同時に労働者と資産家との格差や身分差が生まれた時代でもありました。
ディケンズの作品にはよくそれが表われています。
代表作は『大いなる遺産』『二都物語』『クリスマスキャロル』など。

 

・人となり
彼の人生は貧しさと共に始まりました。
兄弟が多く、金銭にだらしない父親が破産し、
監獄に入れられたことで学校にも行けず、
子供だったディケンズが一日中工場で働くことになります。
その辛い経験が作品に活きているのか、
子供が主人公だったり、貧乏な労働者が登場することが多いです。
その後は新聞記者となり、文才を発揮し、人気作家となりました。
金銭的にも裕福になり、大きな邸宅に住んだとか。
世界に何人もいない、典型的な成功した作家です。

 

ディケンズは自分の経験をフィクションにしつつ話に入れるタイプで、
幼い頃の苦労は『デイビット・コパフィールド』や『オリバー・ツイスト』、
ロンドンで成功した後の苦労は『大いなる遺産』に書かれています。
しかし、作品で語ってしまうので、ここで語ることはあまりありません。
幸せになった人より、不幸になった人の方が語ることが多い
とは、本当のことのようです。

ホロスコープ解説
チャールズ・ディケンズ(1812/2/7 19:50)

 

水瓶座の太陽、射手座の月、ASCは乙女座。

ディケンズは子供の頃に一家離散し、ひとり工場で労働をしたことがかなりのトラウマだったそうです。
折しも産業革命まっただ中のロンドンで、労働法なんてない時代。
児童労働の上、休憩や睡眠時間もろくになかったことは想像に難くありません。
そりゃトラウマにもなるだろうって気がしますが。
子供時代は月や第四ハウスで表わされますが、
第四ハウスは射手で、月が海王星とほぼ0度のコンジャンクション
そこに魚座の金星と冥王星がスクエアしています。
月と冥王星のハードは、天王星と同じくらい、辛そうな子供時代ですね。
金星と冥王星のコンジャクションというのも金銭トラブルって感じです。
この配置はまあ、トラウマにもなりそうです。

 

ディケンズの話は主人公が様々な出会いをし、障害を乗り越えて成長していく
という典型的な王道ストーリーが多めです。
その出会いや障害の波瀾万丈さが作品の見所です。
出会う人物、ことごとくキャラが濃い。
特にディケンズは悪人や犯罪者、守銭奴になるといきいきと人物を描き出します。
特にディケンズはお金で苦労したせいか、お金関係の悪人が多い。
『クリスマスキャロル』の主人公スクルージとかは典型的ですね。
山羊座の水星、蠍座天王星魚座の金星と冥王星が小三角を結んでいます。
個人的にこの配置を見て、悪人往生説を思い出しました。
「善人なおもて往生をとぐ、いはんや悪人をや」・・・という。
金を稼いで善良な人の顔をしている紳士より、よっぽど貧しい犯罪者の方が正しい、
という逆説的なイメージです。天王星が絡んでるからかな。

 

また、冒険あり、恋愛あり、サスペンスあり、と面白いストーリー構成も人気の秘訣です。
ディケンズは双子座に木星があります。
ここに木星があると群像劇に実力を発揮する人が多いようで、
オースティンやバルザックコナン・ドイルなど、
なんとなくイメージができると思います。
連載で実力を発揮するタイプなのかもしれない。
ストーリー作りの面白さやキャラ作りの多彩さは恩恵を受けているのだろうなあ、
と思います。