文豪とホロスコープ

星占い&読書好きが主に古今東西の文豪のホロスコープを見ていきます。ほか、読書感想や星占い関連について、日々のつれづれなど。

文豪とホロスコープ イギリス作家編その7 スティーブンソン

ロバート・ルイス・スティーブンソンはイギリスの作家です。
略してR・L・Sとも言うそうです。
世界中で有名な『ジキル博士とハイド氏』や『マーカイム』のようなサスペンスの他、
『宝島』や『新アラビア夜話』のような冒険物など、
多種多様な作品を書きました。
代表作は『宝島』、『ジキル博士とハイド氏』など、

 

・人となり
イギリスは北部のスコットランド地方に生まれました。
生まれつき身体が弱く、特に肺を病んでいたそうです。
元々は技師だった家系に続いて技術者を目指しますが、
身体が弱かったことや父親との確執など様々なことがあり、
結局は法律を学んで弁護士の刺客を取ります。

 

その後、人妻で子持ちのアメリカ女性ファニー・オズボーンに心底惚れ、
単身船で太平洋を横断してアメリカまで追いかけます。
半年くらいかかったそうですが、スティーブンソンは身体が弱いので
この途中にほとんど死にかけたそうです。
そこまでして人妻子持ちの女性を追いかけるってすごい情熱だなあ、と思いますが。
色々あり、無事ファニーと結婚し、実家のスコットランドで執筆と療養の日々を送ります。
ちなみに、ファニーの連れ子であるロイドが書いた宝の地図、
それを元にして書いた話が『宝島』であるそうです。
『宝島』には当時の首相のグラッドストーンも夢中になり、
それに対してスティーブンソンは
「そんなことより政治をやられるとよかろう」
と言ったことは結構有名です。

 

晩年のスティーブンソンは健康のため、
南の島のサモアに移り住み、現地の人からは
「ツシタラ(語り部)」と呼ばれて親しまれたそうです。
この辺りのことは日本作家の中島敦
『光と風と夢』という小説で詳しく書いていますが、
伝記ではなく小説であるのに注意。
けっこうRLSじゃなくて敦の部分もちょいちょい入っています。
実際、似ているところもあるんですけどね。
小説としては芥川賞候補になったこともあって、ちゃんと面白いです。
審査員にも、これスティーブンソンじゃなくて敦でしょ、って言われたらしいですが。

 

ホロスコープ解説
ロバート・ルイス・スティーブンソン(1850/11/13 13:30)

 

蠍座の太陽、魚座の月、ASCは水瓶座

蠍座には水星と火星が同座していて、太陽と火星はコンジャンクション
けっこう蠍座強めです。
それに加え、魚座で月と海王星コンジャンクション
水星座に5星とかなりみずみずしいです。
代表作の『ジキル博士とハイド氏』を始め、
ティーブンソンの話にはおどろおどろしさやサスペンス、
また人間の欲望や悪の部分が剥き出しになる話がよく見られます。
ジキルハイドによく似た『マーカイム』という話や、
『宝島』でもジョン・シルバーという人間の欲望・悪徳を前面に出した悪役が縦横無尽に活躍します。
人畜無害なジキル博士や宝島の領主は対比して弱く見えるのですが、
善人が良いわけではなく、悪人には善人にない魅力と強さと知恵があり、
むしろ弱い方が悪いんじゃね?と思えてしまいそうな、弱肉強食的な痛快さがあります。
ティーブンソン自身は月が魚ということもあり、
一見、かなり人畜無害そうな人なのですが、
心の底に何か闇を抱えていたのでしょうかね。
蠍の火星はかなり野心や欲望が強そうで、
ここらへんがスティーブンソンのハイド氏になったのでしょう。

蠍魚と水が強い一方、射手座に金星が入っています。
サスペンスの他、スティーブンソンは冒険小説でも活躍しています。
恋した人妻を追いかけてアメリカにまで渡り(ちょっとストーカーっぽいですが)、
一匹の驢馬を連れて一人で山道を旅をしたり(『驢馬の旅』より)、
晩年は異国の南の島に移り住んだりと、
身体が弱いわりに、かなり移動の多い人生です。
この旅行好きと異国に縁がある感じは射手座っぽいです。
射手座の何らか星ある人って紀行文書くの好きみたいですね。
トウェインとかハイネとか、
日本人では田山花袋とか坂口安吾とか福澤諭吉とか。
旅行好きの他、スティーブンソンは結構正義感が強い。
人道的な立場から晩年のサモアに住む人々のために骨を折ったり、
話の中でも何だかんだ正義、というか良心が悪を倒すことが多い。
(強大な悪に対し、善が諸共に破滅する、という形も多いですが)
ただ、大雑把なところがあるらしく、
『宝島』の中では島の方位がかなり滅茶苦茶になっているとか。
案外、細かいところは気にしないようです。