文豪とホロスコープ イギリス作家編その12 オーウェル
ジョージ・オーウェルはイギリスの作家です。
社会主義運動家でもあり、スペイン内乱に参加した経験もあります。
代表作は『カタロニア讃歌』『動物農場』『1984年』など。
・人となり
本名はエリック・アーサー・ブレアといい、
植民地時代のインドで生まれました。
役人だった父親はイギリスとインドを行き来していて、
ほとんど母子家庭で育ちました。
イギリスで学校を卒業した後、
当時のビルマで役人になりますが、
父親への反発か、学校で自由な空気に触れたこともあったのか、
植民地支配の片棒を担ぐのに嫌気が差し、
仕事をやめてイギリス本国で文学を志します。
それまでエッセイや評論を書いていましたが、
取材のつもりでスペインの内乱に参加し、大きな影響を受けます。
そこで喉に銃弾を受けて生死の境をさまよいますが、
なんとか生き延び、後に『カタロニア讃歌』としてまとめます。
ビルマからイギリスに帰った後で
パリやロンドンで直接見た労働者階級の現状をエッセイにまとめているように、
オーウェルは民主社会主義(社会主義ではなく)に強い関心を抱いていました。
その一方、ソ連のスターリンには強く失望し、
革命についての寓話『動物農場』は
スターリンをモデルにしていると言われています。
・ホロスコープ解説
オーウェルについては前に書いたことと重複している部分がありますが、
今のわたしが見たら、という感じで書いていきます。
ジョージ・オーウェル(1903/6/25 14:30)
蟹座の太陽、蟹座の月、ASCは蠍座。
蟹座がぱっと見でとても強い。
太陽、月、海王星のコンジャンクション。
これはフィクションやファンタジーに強い配置で、
反面とても理想が高そうな人物であると思います。
高潔でロマンチックな人物ですが、
たまに理想や想像が過ぎて、現実には不可能なことをしてしまうこともあります。
オーウェルはスペインの内乱で、「革命的な状況」だと感動しますが、
まさに海王星が出ていたのかもしれません。
海王星は詩人の星と言われていますが、様々なものを酔わせます。
なので、海王星が強い人はお酒だったり、薬だったり、
何かしらに依存していることが多いです。
自分の家族や祖国のために戦うというのは、蟹座が一番興奮しそうなことで、
おそらくオーウェルはその状況に見事に酔ってしまったのでしょう。
さらに、この太陽などに天秤座の火星がスクエアしています。
オーウェルは『1984年』でディストピア社会を作りあげましたが、
太陽と月と海王星のみだったら理想的な社会を描きそうなものです。
ここに火星がスクエアするからかもしれない。
客観的な正しさが行き過ぎて、人の幸せな生活を脅かす社会を作り上げる。
また、射手座の天王星がいい仕事をしていて、
太陽などにオポジション、魚座の木星にスクエア、冥王星とオポジションで
Tスクエアを形成しています。
天王星は革命の星ですが、オーウェルの人生には何かと革命が関わっています。
帝国主義だったり、労働者だったり、社会主義だったり、反ファシズムだったり様々ですが、
人の自由な暮らしのために戦っているのは変わりません。
オーウェルの『1984年』は監視社会の恐ろしさについて書かれましたが、
言語についても深い考察が加えられています。
蟹座が強い一方で、
双子座の水星、天秤座の火星、水瓶座の土星で
グランドトラインを形成しています。
言語に関してオーウェルは、
1984年のオセアニア(舞台になる国家)で話されている
政策で簡単に略された英語(ニュースピーク)を細かく作り上げ、
付録に言語構成についての論文まで付けられている
というこだわりっぷりですが、
どうやら風のエレメントのおかげのようです。