文豪とホロスコープ

星占い&読書好きが主に古今東西の文豪のホロスコープを見ていきます。ほか、読書感想や星占い関連について、日々のつれづれなど。

文豪とホロスコープ ドイツ作家編その2 リルケ

ライナー・マリーア・リルケはドイツの作家です。

ライネル・マリア・リルケとも。
詩人として有名ですが『マルテの手記』など小説や戯曲を書いたり、
彫刻家のロダンと親しく、彼の評論も書くことがあったとか。
むしろ、日本では最初に戯曲が紹介されたらしいです。
代表作は『形象詩集』『時祷詩集』など。

 

○人となり
リルケは自伝的作品でも語っているように、
古くからの伝統を持つ家系の出身で、父親は軍人でした。
ただし、強い影響を受けたのは母親の方でした。
この母親がかなり変わった人だったらしく、
女の子が欲しかったために、
男の子のリルケを五歳まで女の子として育てる
という奇抜なことをしています。
この両親はリルケが9歳の時に離婚して母親から離れて育ちますが、
実際にリルケには女の子っぽいところがあったらしく、
軍人の父親より母親に親しみを覚えていたようで、
少女の歌や聖母マリアへの呼びかけの詩など、乙女チックな点が見られます。

リルケの詩は時代ごとに変遷を遂げていて、
最初は恋人に送った叙情詩、恋愛詩を多く書いていました。
ロシア旅行やロダンとの出会いを経て、
「個々の事物を注視して其内に隠れている深い心を引出し」(茅野蕭々『リルケ詩抄』より)
という『形象詩』の境地にまで達し、汎神論に至った……らしいです。
正直、わたしにもよくわかっていません。
ぱっと読んで思ったのは、実に抽象的かつ乙女チックだなあ、ということでした。
先に言ってしまうと、リルケは射手太陽・水瓶座月なので、
かなーり抽象的かつ精神的です。
わたしは海外の詩人でいえばボードレールの方が好きなので、リルケはぴんと来なかったですねえ…

ちなみに、リルケが日本に初めて紹介されたのは1927年。
堀辰雄立原道造がけっこう影響を受けたらしいです。
うん、なんかわかる。乙女座男子系。
乙女チックなところがよく似ている気がする。


ホロスコープ解説
ライナー・マリーア・リルケ(1875/12/3 23:50)

 

永井荷風と同じ誕生日。
リルケの誕生日はぎりぎり3日ですが、たまに4日と書かれている本も見ました。

射手座の太陽、水瓶座の月、ASCは乙女座。
リルケにはたしかに射手座っぽいところがあります。
妙に抽象的なものだったり、理想主義的なところがあったり。
射手座の作家は現実から距離を取る傾向があって、
現実を離れて美しい過去や冒険のための別世界を描くことが多いです。
トム・ソーヤーの冒険』や『不思議の国のアリス』が典型例。
リルケの詩も、現実から離れている感じがしますね。
よく言えばロマンチックかつドラマチック、
悪く言うと地に足が着いていない。
そういえば、リルケは旅行が好きだったようで、
イタリアやロシア旅行に行ったり、パリに住んだりして、
それぞれ詩や小説の題材にしています。
他のドイツ詩人といえばシラーやハイネが浮かびますが、
ハイネも旅行が好きだったなあ、と思い出します。
ちなみに、ハイネも射手座ですね。
ドイツは哲学的なことを好む国民性のせいか、
射手座の詩人が強いんでしょうかね。


リルケの月は水瓶座にて、
火星・土星コンジャンクションです。
この組み合わせ、かなりえげつないですねー。
散々リルケは乙女チックと書きましたが、
月(女性性)が火星と土星によって傷つけられているので、容赦ない言い方すると、
乙女っていうより、去勢された男って言った方が近いかもしれません。
言い方はアレですが、
男性特有の理知はあるけれど、ギラギラしていないというか、妙に男っぽくないというか、
そういう感じがするような気がします。乙女座男子が引き付けられるわけです。
水瓶座そのものがかなり中性的な印象があるので、そのせいでしょうか。
(ちなみに、同じく火星と土星と月がアスペクトしているのはアンドレ・ジッド。こちらは火星・土星と月がオポ。
ジッドは同性愛に走りましたが、リルケはそういう話は聞いたことがないです。
サインの違いのせいかな? 興味深い)

本当は、リルケについて詳しく知らないので
紹介せずにスルーしようかと思ったんですが、
ホロスコープを見て気を変えました。
作成していただければわかりますが、不動宮のグランドクロスです。
Tスクエアやグランドトラインならともかく、クロスは滅多にいないです。
参加しているのは水瓶座の月・火星・土星に加えて、
牡牛座の冥王星、獅子座の天王星蠍座木星
と、他は大惑星ばかりです。なんかすごいです。
ということは、水瓶座の星に力が集中しているようですね。
実際、水瓶座がかなりいい仕事しているようで、
リルケの詩は叙情ではなく、客観で作られています。
こう、色々と星の影響が流れ込んだものを客観的に捉えることで、
そのもの自体の本質を引き出した云々という詩が書けたのではないかと思います。
自分でもよくわかっていませんが、リルケの詩は水瓶っぽいです。
でも根っこは射手座っぽくもあります。どちらにせよ、現実に存在していない感じ。
とりあえず、このグランドクロスを見た限り、
時代を代表する大詩人ってことは間違いないようですね。