文豪とホロスコープ

星占い&読書好きが主に古今東西の文豪のホロスコープを見ていきます。ほか、読書感想や星占い関連について、日々のつれづれなど。

文豪とホロスコープ 推理作家編その3 アガサ・クリスティ

アガサ・メアリ・クラリッサ・クリスティはイギリスの女流推理作家です。
その作品は世界中で読まれ続け、
「ミステリーの女王」として有名です。
代表作は『アクロイド殺し』『オリエント急行殺人事件』『そして誰もいなくなった』など。

 

○人となり
小さい頃は母親の教育方針にて学校にも通わず、
ひとり遊びで空想することが好きな内気な少女だったそうです。
本を読んだり、長じては小説を書くようになりました。

第一次世界大戦中に薬剤師の助手をしていたこともあり、
毒薬の知識に詳しくなったそうです。
どこかで聞いた話だと、とある看護婦がクリスティの小説を読んでいたおかげで、
症状から毒の種類がわかって、手当が間に合った・・・ということがあったそうです。
戦前から完成させていた『スタイルズ荘の殺人』でデビュー。

クリスティは海外旅行が好きだったそうで、
作品内にも外国の知識や旅先のエピソードが多く盛り込まれています。
代表作の『オリエント急行殺人事件』はその典型例でしょう。

ちなみに、二人目の夫は考古学者だったそうです。

ちなみに、ペンネームのメアリ・ウェストマコット名義で、
推理小説以外にもロマンス小説なども書いているそうです。

 

○『オリエント急行殺人事件

イスタンブール―パリを繋ぐオリエント急行
その車内で起こった殺人事件、
けれど、乗り合わせた乗客の証言はバラバラで・・・?

 

最早わたしが説明するまでもないと思いますが、超有名な推理小説の古典です。
2017年の12月に映画化したこともあり、ラストを知っている方も多いのではと思います。
ちなみに、わたしは三谷幸喜監督のテレビドラマで知りました。

 

クリスティの魅力は意表を突く奇抜なトリックと、そこに導くまでの推理です。
論理派の代表はエラリー・クイーンと私は思っていますが、
クリスティの場合、トリックや結末が全く想像の埒外にあることもままあります。
代表作に挙げた三つとも、知らずに読めば驚かされること間違いなし。
特に『アクロイド殺し』はアリかナシか、フェアかアンフェアか、
揉めに揉めて、論争を巻き起こしました。
それがきっかけで有名になった面もあるんですけどね。
推理作家の中でも意見が割れたそうですが、
たとえばS・S・ヴァン・ダインはアンフェア派、江戸川乱歩はフェア派だったそうです。
なんかキャラが出てるなあ、と思います。ヴァン・ダインは二十則書いているだけあって真面目ですね。

 

さて、この『オリエント急行殺人事件』もクリスティの魅力が発揮された作品です。
具体的に言うと、旅行趣味、奇抜な結末、そこに至るまでの冷徹な推理。
手がかりは全て文中に示されています。
ホロを見ればわかりますが、大変クリスティらしい作品です。

わたしが言うべきこともありませんが、
まだ読んだことのない方は、ぜひどうぞ。

 

ホロスコープ解説

アガサ・クラリッサ・クリスティ(1890/9/15 14:14)

太陽は乙女座、月は天秤座、ASCは射手座。
彼女のホロスコープはひと言でいえば、「見事」です。
見事に推理小説家向きのホロです。

 

まず、推理小説家最多の天秤座に月と水星と天王星が同居。
2位の双子座で海王星冥王星が合。

そして天秤座の月、水瓶座木星、双子座の海王星冥王星
風のグランドトライン。
(ちなみに、この海王星冥王星の合は1886年あたりから始まっていて、
クリスティより2つ下の芥川龍之介とかも持っているアスペクト
太陽星座の乙女座よりも天秤座の方が目立っているくらいで、
推理作家は思考タイプの風星座が多いという印象を全く裏切らないホロ。
ただまあ、人としてはどうかな・・・とも思いますが。

案外コミュニケーション苦手だったかもしれない。
月は幼少期を意味するので、小さい頃の家庭学習が彼女の人生には意味があったのかな、とかも思います。
初等教育を意味する水星は天王星とゆるく合ですし。
普通とは違っていたことは間違いないかと。

しかし、それがけっこう大事だったんだろうなとも思います。

彼女自身、そういう育て方だったことが良かったと述べていたそうです。

 

他、目を引くのは射手座のASC付近。
火星とほぼきっちり合しています。
射手座といえば高等教育、宗教、旅行、海外……etc.
海外旅行が趣味で、作品にも活かしているクリスティらしい配置です。
射手座の推理作家は奇抜なトリックや結末を好む作家も多い(→例、ディクスン・カー)ので、まあ納得です。
推理小説作家以外にも奇抜な発想を好む射手座は多いですが。
射手座はつまらない現実に飽き飽きして小説を書くんじゃないかと時々思うくらいです)
そういえば射手座に重要な星が入っている作家って、

マザーグース好きだなあ……と思います。

不思議の国のアリスと言い換えてもいい。

そもそもキャロルが射手座強いですしね。
クリスティの『そして誰もいなくなった』、カーの『帽子収集狂事件』、ヴァン・ダインの『僧正殺人事件』がいずれもマザーグースが出てくる作品です。

それぞれ結構射手座入っている。
あれ出てくると怖いんですけどね。


なので、クリスティの作品は射手座の部分が考えたトリックや結末へ、
風属性の冷徹な推理で筋道立てて辿り着いて見せる、
という感じですね。
それが強引でなくてごく自然に見える。
この辺りは若干影が薄いですが、乙女座の太陽や土星がそれぞれツッコミを入れてくれているのかな、と思います。
ちゃんと地に足が着いている。
風星座主体の作家では論理重視でやや無味乾燥になりがち、
射手座主体の作家ではトリックは面白いけどたまに論理が暴走する。
その辺りのバランスがちゃんと取れているのがクリスティなのでは、と思います。

 

ただ一点だけ足りないとしたら、情緒でしょうか。
金星が蠍座に入っているだけあって、怖いのは十分なんですけれど、
人間心理描写が冷たいというか。。。
そして誰もいなくなった』とか、淡々と人が死んでいく系は
水属性主体の私にはちょっと残酷すぎるので、読める気がしません。
まあミステリーはトリックや論理の面白さがメインだから人情はいらない、という意見もあるので、それでいいのかもしれませんが、

クリスティの人物描写が同じような人ばっかりで微妙というのは結構有名らしいですが、

それでもなお、新しい状況やトリックで驚かせてみせる、

というのが彼女のすごいところでもあるんでしょうね。