文豪とホロスコープ

星占い&読書好きが主に古今東西の文豪のホロスコープを見ていきます。ほか、読書感想や星占い関連について、日々のつれづれなど。

文豪とホロスコープ ドイツ作家編その4 エンデ

ミヒャエル・エンデはドイツの作家です。
主に児童文学を書いていて、日本では『はてしない物語』『モモ』で有名でしょうか。
はてしない物語』はハリウッド映画の『ネバーエンディングストーリー』の原作です。
私は原作も映画も見たことありますが、
原作の方がいいです。確実に。
代表作は『ジム・ボタンの機関車大旅行』『モモ』『はてしない物語』など。

 

○人となり
ミヒャエル・エンデが生まれたのは1929年のドイツです。
父親はシュールレアリスム画家のエドガー・エンデ。
ちょうどナチスが台頭してきた頃で、
父親の絵は退廃的として目を付けられてしまいます。
16才で第二次世界大戦が終わるまで、子供時代は窮屈な生活を余儀なくされます。
ですが、決して言いなりにならず、むしろ抵抗する姿勢を取りました。
まだ学生だったエンデに戦争へ召集が掛かったとき、
召集の手紙を破り捨て、疎開していた母親の元に歩いて避難し、
その地域のレジスタンス活動に伝令として参加していたそうです。
反抗精神がすごい。

戦後は父親に影響されたのか芸術の道に進み、演劇の学校に通ったり、
詩や作品を書いていたようです。
また、結婚後はイタリアに移住したこともあります。
エンデは日本と縁が深い作家らしく、
最初の奥さんを亡くした後、『はてしない物語』の日本語訳をした女性と再婚したりしています。

わたしも『はてしない物語』や『モモ』に感動したクチで(読んだのは高校くらいになってからですが)、
あの膨大な世界観と深いメッセージ性に魅せられました。
わたしの好きなライトノベルに『戦う司書』シリーズというのがあるのですが、
この作者の山形石雄さんも『はてしない物語』が大好きのようですね。
別の話にも名前とかキャラクターとか文章にちょくちょく影響が見えます。

 

ホロスコープ解説

ミヒャエル・エンデ(1929/11/12 17:15)

蠍座の太陽、魚座の月、ASCは双子座。

蠍座に太陽、水星、火星が入っています。
意外と、かなり蠍が強いですね。
エンデの作品は大半児童文学なんですけど、
なんだか怖い。
子供向けなんだけれど、容赦なく迫ってくる追手とか怪物がいて、けっこう怖いです。
『モモ』では灰色の男たち、『はてしない物語』も怪物がけっこう出てきます。
実はかなり大人向けなんじゃないかと思います。
そういえば、『モモ』のテーマは時間ですが、
エンデは灰色の男たちを銀行の預金利子から思いついたそう。
蠍座(もしくは第八ハウス)は他人と共有するものという関連から、
他人との財産の共有、ひいては投資などのお金関係にも関わりがあるらしいと聞いたことがあります。
だから時間やお金っていうのはすごく蠍座っぽいなあと思います。

また、月が魚座なのはさすがですね。ファンタジックな想像力がある。
エンデは児童文学を書く際、
「私が小さい頃にこういう話が読みたかったなあ」と思っているものを作っているそうです。
あと、エンデの作品で面白いのは名前。
これだけ響きの良い名前がどこから出てくるのか……不思議です。
ちなみに、太陽・火星と月と蟹座の冥王星で水のグランドトラインです。
水のグランドトラインは、人情派って感じです。
なんか、無限にすっごく優しい感じ。

水以外だと双子座が意外と強くて、
ASCと木星が入っています。つまり木星は第一ハウス。
双子座っていうのがけっこう面白くて、
双子座(特に木星)の得意なことといえばストーリーテリングだと思いますが、
ストーリーテリングそのものが『はてしない物語』の大きなテーマになっているからです。
これは読んでもらえればよくわかると思います。
エンデは大人にこそ自信を持ってお勧めします。

 

文豪とホロスコープ ドイツ作家編その3 カフカ

フランツ・カフカはドイツの作家です。
その独特な世界観で、二〇世紀を代表する作家と言われています。

その作品のほとんどが未完ということでも有名。
代表作は『変身』『審判』など。

 

○人となり
フランツ・カフカは裕福なユダヤ人商人の家に生まれました。生まれはチェコ
生前はもっぱら保険の勤め人として働き、作家として評価されることはあまりありませんでした。
当時流行作家だった友人の尽力で紹介され、
無名作家が今は二〇世紀を代表する作家と言われているわけです。
第二次世界大戦の時には、本人は既に故人でしたが、
友人や元恋人が頑張って原稿と手紙を守り抜いたそうです。

カフカといえば、超ネガティブだったことで知られています。
どれくらいネガティブかというと、
『絶望名人カフカの人生論』(頭木弘樹著)という本が出てしまうくらい。
日記や手紙は愚痴ばっかりだったそうです。引用してみると、
「ぼくは人生に必要な能力を、なにひとつ備えておらず、ただ人間的な弱みしか持っていない」
という、超ネガティブな内容が延々と綴られています。
内容はというと、仕事・健康・恋愛・家族・作品とほぼ身の回り全てです。
特に父親とは仲が悪く、父親の教育のせいで自分が歪んでしまったと書いていたそうです。
婚約者もいたけれど、なぜか自分から婚約破棄。
作品も全然自分の思うような自信作が書けない。
結局、結婚も納得いく作品も書けないまま、40才で病気で亡くなります。
しかし、才能を認めてくれる周りの人間には恵まれたらしく、
出版してくれた友人(本人は遺言で作品を焼却するように書いたらしいですが)や、
支えてくれた妹の他、数人の恋人もいました。
あれだけネガティブだったのに、モテたらしい。
実際、優しい人だったらしいからですかね。
ある種の女性は強い男性ではなく、弱い男性に惹かれるものですから。母性本能か何かかな。

えーと。ここから私事ですが。
私はカフカが苦手です。どうしても好きになれない。
私にとって世界三大苦手な文豪といえば、
カフカトーマス・マン太宰治の三人です(次点はフィッツジェラルド)。
何がそこまで苦手なのか自分でもわからないですが、
ひとつは文章が理解にくいってところでしょうか。
文章は読める、けど意味が全く分からない。想像できない。
言葉だけを並べてるみたいで読んでて気持ち悪くなります。
特に『巣穴』という作品は、まったく意味が分からない。
同じ現象は、トーマス・マンの『魔の山』でもありました。
そこを魅力に思う人もいるんでしょうが、わたしはきっぱりと苦手です。
しかし、双子座が強い人ばっかだなあ、私的世界三大苦手文豪。
多分、射手座や蠍座と拒否反応を起こしてるんでしょうけどねえ。

もうひとつは人間性、というかなんというか。
あのネガティブさが見ていて腹が立ってきます。
お父さんがかなり俺様で性格が合わなかったのはわかりますけど、
父親は父親で自分は自分、と思えない辺りがカフカというか。
太宰治と同じくらい見ててイライラする。ていうか、この二人本当よく似てる。
二〇世紀を代表する作家って結構居ますけど、
カフカは結構好き嫌いが分かれるタイプだと思います。
風属性が強い人は好きなんでしょうけど、ちょっと私には良さがわかりません。
カフカの良さが分かる方はぜひ星座を含めて教えていただきたいくらいです。
(しかし、二〇世紀を代表する作家のジョイスもアクが強いなあ……)
とりあえず、わたしは、カフカが苦手です。

 

ホロスコープ解説
フランツ・カフカ(1883/7/3 7:00)

1883年生まれってことは明治の人と同じ年です。
志賀直哉高村光太郎と同じ年。意外と昔の人なんだなあ。

蟹座の太陽、双子座の月、ASCは獅子座。
カフカホロスコープは非常に特徴的です。
見て頂ければわかりますが、
ほぼ蟹座と双子座と牡牛座にしか入っていない。
蟹座の太陽木星の合と、
双子座の月・水星・金星の合が際だってるなあ、と思います。
上でも書きましたが、太宰治と似てます。太陽と月が逆だけど、双子座と蟹座が強い。
妙にネガティブな所とか、なぜか女性にモテるところとか。

まず蟹から、
前にも言及したことがあるように思いますが、
太陽と木星の合は、大らかさや豊かさというイメージがありますが、
木星=父親と見ると、自分自身が父親に飲み込まれてしまうこともあります。
カフカの父親は商人として一代で富を築いた人で、
カフカは成功者の父親をとてもプレッシャーに思っていたそうです。
同時に、カフカの作品の、例えば『流刑地にて』など、
神について書かれているものがあるのですが、
この神は父親のように自分を裁く存在のように思っているように感じます。
木星は宗教を意味することがありますが、
カフカの神=父親的存在、と解釈できるんじゃないかなあ、と。
父なる神って言い方もしますし、そう考えるとちょっと面白いです。

あとは、双子座の月・水星・金星です。
頭の中で考えていることをそのまんま書き写しているんでしょうね。
上でカフカの文章は気持ち悪いと書きましたが、
双子座は相当言語能力が高いので、風星座以外にはちょっと理解できないことがあるのではないかと。
他の人にも理解できる言葉に直すのが苦手なのかもしれません。
ちなみに、この双子座の星に、乙女座の天王星がスクエアしています。
これがけっこうキツそう。
天王星は結構論理でずばっと裁いちゃうところがあるんですが、
カフカが妙にネガティブというか、自己懲罰的なのはこの天王星のせいかもしれません。
しかし、自分がダメなやつだと認めたくはないので、
双子座の星々は都合の良い論理を見つけて自己弁護、というか言い訳します。
自分がダメのは自分のせいではない、父親のせいだと必死に言い訳するカフカの姿は、
努力する必要なく育てられてきた現代の若者たちの姿に通じるものがあります。
他、牡牛座から双子にかけての火星・土星海王星冥王星のステリウムも見るからにヤバそうですが……

カフカの作品の特徴は、話の内部に漂う不安感です。
すでに述べたようにかなり精神的に不安定な人だったことに原因するのか、
言語の意味もあやふやで、現実にないような不思議な世界観です。
突然、人間から正体不明のわけの分からんもの(原文だとそう)になってしまった『変身』や、
姿形もはっきりしない生き物の膨大な住居記録を延々聞かせられる『巣穴』など、
曖昧ではっきりしない世界や身の回りへの不安感がよくよく現われています。
これが二〇世紀の不安感を先取りしていると言われています。
どこまでも広がっていく世界と、それに付いていけない自分と。
二〇世紀、そして二一世紀は誰もがカフカのような不安を抱えている時代なんでしょう。

文豪とホロスコープ ドイツ作家編その2 リルケ

ライナー・マリーア・リルケはドイツの作家です。

ライネル・マリア・リルケとも。
詩人として有名ですが『マルテの手記』など小説や戯曲を書いたり、
彫刻家のロダンと親しく、彼の評論も書くことがあったとか。
むしろ、日本では最初に戯曲が紹介されたらしいです。
代表作は『形象詩集』『時祷詩集』など。

 

○人となり
リルケは自伝的作品でも語っているように、
古くからの伝統を持つ家系の出身で、父親は軍人でした。
ただし、強い影響を受けたのは母親の方でした。
この母親がかなり変わった人だったらしく、
女の子が欲しかったために、
男の子のリルケを五歳まで女の子として育てる
という奇抜なことをしています。
この両親はリルケが9歳の時に離婚して母親から離れて育ちますが、
実際にリルケには女の子っぽいところがあったらしく、
軍人の父親より母親に親しみを覚えていたようで、
少女の歌や聖母マリアへの呼びかけの詩など、乙女チックな点が見られます。

リルケの詩は時代ごとに変遷を遂げていて、
最初は恋人に送った叙情詩、恋愛詩を多く書いていました。
ロシア旅行やロダンとの出会いを経て、
「個々の事物を注視して其内に隠れている深い心を引出し」(茅野蕭々『リルケ詩抄』より)
という『形象詩』の境地にまで達し、汎神論に至った……らしいです。
正直、わたしにもよくわかっていません。
ぱっと読んで思ったのは、実に抽象的かつ乙女チックだなあ、ということでした。
先に言ってしまうと、リルケは射手太陽・水瓶座月なので、
かなーり抽象的かつ精神的です。
わたしは海外の詩人でいえばボードレールの方が好きなので、リルケはぴんと来なかったですねえ…

ちなみに、リルケが日本に初めて紹介されたのは1927年。
堀辰雄立原道造がけっこう影響を受けたらしいです。
うん、なんかわかる。乙女座男子系。
乙女チックなところがよく似ている気がする。


ホロスコープ解説
ライナー・マリーア・リルケ(1875/12/3 23:50)

 

永井荷風と同じ誕生日。
リルケの誕生日はぎりぎり3日ですが、たまに4日と書かれている本も見ました。

射手座の太陽、水瓶座の月、ASCは乙女座。
リルケにはたしかに射手座っぽいところがあります。
妙に抽象的なものだったり、理想主義的なところがあったり。
射手座の作家は現実から距離を取る傾向があって、
現実を離れて美しい過去や冒険のための別世界を描くことが多いです。
トム・ソーヤーの冒険』や『不思議の国のアリス』が典型例。
リルケの詩も、現実から離れている感じがしますね。
よく言えばロマンチックかつドラマチック、
悪く言うと地に足が着いていない。
そういえば、リルケは旅行が好きだったようで、
イタリアやロシア旅行に行ったり、パリに住んだりして、
それぞれ詩や小説の題材にしています。
他のドイツ詩人といえばシラーやハイネが浮かびますが、
ハイネも旅行が好きだったなあ、と思い出します。
ちなみに、ハイネも射手座ですね。
ドイツは哲学的なことを好む国民性のせいか、
射手座の詩人が強いんでしょうかね。


リルケの月は水瓶座にて、
火星・土星コンジャンクションです。
この組み合わせ、かなりえげつないですねー。
散々リルケは乙女チックと書きましたが、
月(女性性)が火星と土星によって傷つけられているので、容赦ない言い方すると、
乙女っていうより、去勢された男って言った方が近いかもしれません。
言い方はアレですが、
男性特有の理知はあるけれど、ギラギラしていないというか、妙に男っぽくないというか、
そういう感じがするような気がします。乙女座男子が引き付けられるわけです。
水瓶座そのものがかなり中性的な印象があるので、そのせいでしょうか。
(ちなみに、同じく火星と土星と月がアスペクトしているのはアンドレ・ジッド。こちらは火星・土星と月がオポ。
ジッドは同性愛に走りましたが、リルケはそういう話は聞いたことがないです。
サインの違いのせいかな? 興味深い)

本当は、リルケについて詳しく知らないので
紹介せずにスルーしようかと思ったんですが、
ホロスコープを見て気を変えました。
作成していただければわかりますが、不動宮のグランドクロスです。
Tスクエアやグランドトラインならともかく、クロスは滅多にいないです。
参加しているのは水瓶座の月・火星・土星に加えて、
牡牛座の冥王星、獅子座の天王星蠍座木星
と、他は大惑星ばかりです。なんかすごいです。
ということは、水瓶座の星に力が集中しているようですね。
実際、水瓶座がかなりいい仕事しているようで、
リルケの詩は叙情ではなく、客観で作られています。
こう、色々と星の影響が流れ込んだものを客観的に捉えることで、
そのもの自体の本質を引き出した云々という詩が書けたのではないかと思います。
自分でもよくわかっていませんが、リルケの詩は水瓶っぽいです。
でも根っこは射手座っぽくもあります。どちらにせよ、現実に存在していない感じ。
とりあえず、このグランドクロスを見た限り、
時代を代表する大詩人ってことは間違いないようですね。

文豪とホロスコープ ドイツ作家編その1 ゲーテ

ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテはドイツの作家です。
シェイクスピア、ダンテと並んで世界三大文豪と呼ばれ、
ドイツで最大の文豪と言われています。
代表作は『若きウェルテルの悩み』『ファウスト』など。
主に小説や戯曲で知られていますが、詩もよく書いています。

 

○人となり
裕福な家に生まれ、大学に通ううちに文学に目覚めていくという、
典型的な文学青年でした。

若い頃のゲーテシュトゥルム・ウント・ドラング(疾風怒濤)運動という、
まあドイツの文学ルネッサンスみたいな、
新しい文学を作ろうとする若手のひとりでした。
人妻への恋愛と友人の自殺に影響されて書いた
『若きウェルテルの悩み』は当時の若者に大流行した本でした。
大流行というと病気みたいですが、
実際に『ウェルテル』を読んでピストル自殺をする若者がヨーロッパ中にいたとか。

大文豪として名を知られた他、自然科学や音楽にも興味を持ち、
色彩学、地質学、植物学など幅広く著作を遺しているようです。
また、小国ですが宮廷に招かれて宰相になったことも有名な話。
文豪の中で一番出世したのはこの人だろうなあ、と思います。
82才と長生きし、最後の言葉は「もっと光を!」だったそうです。

ゲーテは色々名言を残していて、
特にエッカーマンという人が書いた『ゲーテとの対話(上中下)』に詳しいです。
その中に見えるゲーテはかなり冗談好きな明るい人だったようです。
興味ある方はぜひどうぞ。

 

ホロスコープ解説
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(1749/8/28 12:30)

 

乙女座の太陽、魚座の月、ASCは蠍座

ゲーテホロスコープは大半が地と水のエレメントで出来ています。
特に水が強くて、月とASCの他にも
蟹座の海王星蠍座冥王星魚座木星でグランドトラインです。
ゲーテは文豪として知られていますが、
実は小説よりも戯曲や詩の方が得意だったようです。
ゲーテの詩といえば、
シューベルトが曲を付けた「魔王」や「のばら」など。
水、特に魚座が強い人は詩が好きな傾向があるようです。
詩の中でもロマン主義的なものです。
ぱっと浮かぶ魚座系の詩人というと、一九世紀ロマン主義の代表ユゴー
日本では島崎藤村とか国木田独歩とか。
国木田さんなんてゲーテと同じく太陽乙女・月魚で、
あれは自然主義じゃなくてロマン主義だったんだなあ、と思いました。
魚座芥川龍之介国木田独歩のことを褒めていたような、と思い出したりする)
魚座はもともとロマンチックでファンタジックなものが好きですから、
その影響かもしれません。

水に負けていないのが地属性。
乙女座の太陽と山羊座の火星がトラインしています。
これが結構強いようで、ゲーテの発言にはちょこちょこ地属性っぽいものが見えます。
前述したエッカーマンによると、ゲーテ
「経験を積むとなると、先立つものは金だよ。私がとばす洒落の一つ一つにも、財布一ぱいの金貨がかかっているのだ」
「なにもかも独学で覚えたということは、ほめるべきこととはいえず、むしろ批難すべきことなのだ」
「趣味というものは、中級品ではなく、最も優秀なものに接することによってのみつくられる」
と言っていたとか。
お金や経験に言及しているあたり、ちょいちょい乙女や山羊っぽいところが見えますね。

自然科学に夢中になったのは乙女の影響だとしても、
政治家になっている辺りは山羊座っぽい。
そういえば、ゲーテも若い頃はロマン主義な傾向が強かったようですが、
晩年はロマン主義批判に回り、
ファウスト』に見られるようにギリシャ古典へ回帰する傾向が強くなったようです。
山羊座って古典への憧れというか、伝統を大事にする傾向が強くて、
分かりやすい例でいうと、尾崎紅葉
明治の文明開化・西洋最高って時に、日本伝統の粋を書きまくった人ですね。
他、一時期王朝文学にはまっていた堀辰雄三島由紀夫は言うまでもない。
意外なところだと与謝野晶子とか北原白秋とか。
わたしは金星山羊座なので、
山羊座の傾向がある作家は結構好きなんですけどね。
ちなみに名前を挙げているのが日本作家ばかりなのは理由があって、
やっぱり海外作家より日本作家の方が古典かどうかわかりやすいんですよね……
海外作家で古典っぽい傾向があるよ、とわかる方がいれば、
ぜひ教えていただきたいです。海外で古典っぽい人。

ドイツ作家について

ホロスコープ海外編もアメリカ、フランス、イギリス、ロシアと来てドイツですが、

ドイツでひとまず終わりにしたいと思います。

次は何しようかな…推理小説作家編とか面白いんじゃないかと考えていますが。

 

さて、ドイツの文学ですが、

そもそもドイツという国が成立したのは19世紀末、1871年のことでした。

実は日本の文明開化よりも遅い。

それまでは神聖ローマ帝国というゆるい国同士の繋がりがあっただけでした。

 

とはいえ、ドイツの文学は宮廷で騎士物語などを披露した

吟遊詩人(ミンネジンガー)や、

中世の職人詩人(マイスタージンガーニュルンベルクとか有名)など、

かなり歴史が古いものです。

その影響があるのか、とくに初期のドイツ文学は民話や詩の影響が強く、

代表的な作家には『青い花』のノヴァーリスや、

ポーに影響を与えたE・T・A・ホフマンや、

人魚姫の元ネタっぽい『オンディーヌ』のフケーなどがいます。

 

ドイツの代表作家といえばゲーテです。

ちょうどゲーテの時代に疾風怒濤運動(シュトルム・ウント・ドラング)という運動が起こり、

中心にいた作家がゲーテと友人の詩人であるシラーです。

これがきっかけでドイツという国民性がまとまり始めた、

という文学的にも政治的にも意義の深い運動だったようです。

文学で国ってまとまるもんなんですね。

時期的にも日本の文明開化みたいなもんでしょうか。

ということは、ゲーテは日本でいうところの夏目漱石

 

20世紀はドイツにとって受難の時代になります。

第一次世界大戦ナチスの台頭、第二次世界大戦と立て続けに戦争が起こり、連合国の分割統治によってベルリンの壁が作られ、西と東に分裂させられていまします。

戦争には反戦を示したり、ナチスによって迫害され、亡命した作家も大勢います。

反戦ではヘルマン・ヘッセ(『車輪の下』)、亡命した作家にはレマルク(『西部戦線異状なし』『凱旋門』)やケストナーなどがいます。

やはり、第二次世界大戦はドイツの作家には強い影響を与えたようです。

戦後にはノーベル賞受賞作家のグラスや、日本でも人気の高いミヒャエル・エンデがいます。

 

ドイツ文学はロシア同様、そこまで詳しくないので、今回は四人だけ紹介します。

ドイツ文学は読んでいるとドイツだなーって感じがします。

なんというか、すごくマジメ。

だけど合間からすごく下らないユーモアが飛び出すこともあるという。

国としては山羊座っぽいイメージがあって好きなんですけどね、ドイツ。

 

文豪とホロスコープ ロシア作家編その2 トルストイ

レフ・ニコラエヴィチ・トルストイはロシアの作家です。
ドストエフスキーと並ぶ大文豪で、
ロシア国内では、彼こそ最高の作家であるという評価も与えられています。
代表作は『戦争と平和』『アンナ・カレーニナ』『復活』など。

 

・人となり
トルストイはロシアの由緒ある伯爵家に生まれました。
ドスとは違って裕福な大貴族です。
ちなみに、親戚(確か甥っ子)もA・トルストイという作家がいます。

裕福で苦労することなく育ったトルストイですが、
相続した農地で農民の生活改善を目指したり、
自分の土地の農奴(領主の持ち物とされる農民)を解放しようとしたり、
農民のための学校を建てたり、
理想主義が多分に混じっているこの改革は上手くいったり行かなかったりですが、
いろいろと取り組んだことは事実です。

トルストイは作品以外に思想面でも強い影響力を持っています。
非暴力・平和主義や自分の財産をなげうっての社会事業、
晩年には独自のユートピア的な思想を広めるため、
もっぱら社会思想家として活動していたそうです。
これはトルストイ運動と呼ばれているそう。
この思想、かなーり理想的なものなのですが……
大文豪が最後に行き着いた答えとしては興味深いので解説で詳しく触れます。

私生活では9男3女(!)という大家族に恵まれ、
孫も生まれましたが、だんだんと自分の人生に悩み始めます。
また、裕福な大貴族であり、召使いに囲まれての生活に疑問を持ち、
1910年、82才の時に家出します。
その途中で体調を崩し、小さな駅で肺炎にて亡くなりました。

作品面・思想面の影響力は大きく、ロシア国内から世界中にまで見られます。
日本は明治時代に大いにロシア文学の影響を受けたのですが、
白樺派武者小路実篤有島武郎あたりはかなり強い影響が見られます。
とりわけ影響を受けた武者さんはトルストイに倣い、
「美しい村」という村人同士の相互援助で生活する農場を作っています。
日本版トルストイって感じです。
あとは宮沢賢治もかなり似ています。
農民のためにあれこれ取り組みをするとか、
自分の裕福な家柄が申し訳なくなって農民と同じような生活をするとか。

宮沢賢治でも思いましたが、
どうしてこう、この人たちはお人好しなのか。
人間、生まれたからには自分の目的を達成するために最大限動くべきという、
自分第一主義者の私(射手座)から見ると苦々しくて仕方がない。
お人好しと言ってしまえばそれまでですが、
やはり自分をなげうって皆のために尽すという行為には、
これだけ多くの人を共感させるような、一種の美しさがあるんでしょうね。

 

ホロスコープ解説
レフ・ニコラエヴィチ・トルストイ(1828/9/9 22:52)

乙女座の太陽、乙女座の月、ASCは蟹座。
はい出ました、乙女座。武者さんやみやけんが影響受けている時点でなんとなく予想はしていましたが。
めちゃくちゃ乙女強いです、この人。
太陽、月、水星が合。
さすがの大作家、さすがの影響力という感じです。
自分の考えや思想を上手く書き表す才能があったんでしょう。
農民のために尽すとか、私財をなげうつとか、非暴力・平和主義など
地属性・奉仕・暴力反対の乙女座っぽいキーワードが頻出しています。
この人がやった事業の中では、
農民のために学校を建てるというのが興味深いです。
これから農民がひとりの人間として生きていくにあたって、
学があること、ものを識別する能力が大事だと考えたわけです。
こういうところも実に乙女座っぽいです。

そして、この乙女座のステリウムに、
山羊座の火星と海王星の合がトラインしています。
少し離れた山羊座天王星も含めて、
地属性に6星入っていることになります。
まさに、理想のために邁進する、って感じですね。
実際に社会を変えるためにあれこれ活動している方なので、
山羊座の火星が良い仕事をしているのかもしれません。
その活動が理想の社会を作るため、
また、思想や宗教面での活動に出る辺りが、
山羊座の火星と海王星の合だな~って感じです。
しかし、火星と海王星アスペクトが強い人は、
結構わがままだったり、理想が高すぎて苦悩したり、
海王星の影響か酒その他に溺れる傾向が強いと思っているのですが、
トルストイは乙女座のステリウムに上手く流れたから大丈夫だったのかもしれません。
結局、苦悩は深かったようですが。

作家としてのトルストイの顔もホロに出ています。
トルストイ写実主義の作家として知られています。
現実社会をありのままに描くというアレです。
代表的な例は『戦争と平和』。
制作足かけ5年、登場人物は500人超、
日本版だと分厚い文庫で4冊以上という大長編です。
これは写実主義の傑作で、
サマセット・モームが「世界の十大傑作」のひとつに挙げているそうです。
長すぎてわたしはとても読む気になれませんが……
同じく地属性が多い作家のバルザック同様、
トルストイといえばやたらと長いイメージがあります。
作品内ではトルストイの思想や経験と思しき場面が多々登場します。
ここは太陽・月・水星が発揮されている感じがします。
太陽や月と水星が合している作家は、
作品を自分の言葉や思想を伝えるツールとして書いている面が強いなあと思います。
しかし、地属性ばっかり入っているせいか、
作品の展開が遅々として進まないことがままあります。
火属性や風属性が強い人にとっては読みにくく感じるかもしれませんが、
「これが地属性の典型か~」と思って読んでみると、
何か新しい発見があるかもしれません。

 

ロシア文豪について

さて、ロシアの文豪ですが、
私はロシア作家はぜんっぜん読んでいません。
ドストエフスキートルストイくらい。


もちろん、ロシアにも優れた作家はたくさんいます。
プーシキンとかツルゲーネフとかは日本の明治期に大いに影響を与えました。
他にも『桜の園』や『三人姉妹』などの現代戯曲を書いたチェーホフや、
ロシアのどん底をありのままに書いたゴーリキー
度重なる戦争や社会主義からソビエトの時代に入ってからは、
ザミャーチンパステルナーク、ソルジェニーツィンなど。
しかし、ロシアが最先端だった明治ならともかく
現代日本だとどうしても知名度が下がりますねー。


他の作家もおいおい読んでいきますので(プーシキンとかレールモントフとかガルシンとか面白そう)、
まずはドストエフスキートルストイについてやっていきます。