文豪とホロスコープ

星占い&読書好きが主に古今東西の文豪のホロスコープを見ていきます。ほか、読書感想や星占い関連について、日々のつれづれなど。

占星術と読書法について1

ブログも一年経過し、

一回、目先を変えたテーマについて考えてみたいと思います。

テーマはずばり「占星術と読書法」です。

 

本の読み方にも様々あります。

教科書みたいに作品の正しいメッセージを読み取ることが正解とは限りません。

多種多様な読みを追及したり、感情移入して読んだり、

純粋に言葉の面白さを読むなどなど。

正解はないわけです。

 

 

ただまあ、どんなものにも正しい方法や意義っていうのを求める人はいるもので、

よくある意見としては「自分の意見と違う本を読まなきゃならない」ってやつ。

「人は誰しも、自分の世界と価値観でしかものを見ることができない。
 読書の強みは、自分の考えやイメージを相手にも追体験させること。
 だから、違う考え方を身につけるために、自分とまったく違う人の本を読んで、
 違う考え方を身につけるべき、
 自分の考えに近い本ばかり読んでいるのは駄目だ、精神的自慰だ」

 ……って言う人もいるわけですよ。上の文章はイメージですが。

よく言う「自分の世界を広げるために全く知らないジャンルの本を読もう」

みたいなやつ。

言うのは簡単です。

が、実際はそんな簡単な話じゃないです。

星占いで言うところの、オポジションやスクエアの相手の考えを理解しろ

って言われているのと同じです。

牡羊座に天秤座や蟹座の考え方を説明しても分からないでしょ。

逆もまた然り。

射手座に双子座や乙女座の精神構造をそっくり理解しろと言われても、

かなりの精神的苦行です。

なんで癒やしの時間である読書の時間にそんな苦労をしなきゃならないのか。

 

実際、経験上、自分のホロの要素がない作者の本は理解するのに苦労します。

作品に感情移入するタイプだからかもしれませんが、

太陽射手座のわたしは太陽双子座、乙女座の作家さんの本がわりと苦手です。

あんまり理解できないというか……

天秤座や牡牛座も要素が薄いので、

面白いと思うけれど、あんまりするっと入ってこないです。

逆に射手座の作家は親和性が強い。

ぱっと読んですぐ理解できたり、好きだな~って思うのは

太陽が射手座の人が多い気がします。

太陽が射手じゃなくても月や金星や火星が入ってたりする。

トライン関係にある牡羊座や、水星のある蠍座もわりと理解しやすい。

けど、不思議なことに獅子座や月のある魚座の作家はそれほど好きではない(笑)

わたしの場合、獅子座にはキロンがあるし、

月は自分のわりと見たくない部分も表わしている、

っていうからでしょうかね。

 

と、最後の方は自分語りになっちゃいましたが、

次回は実例をあげて考えてみます。

 

 

文豪とホロスコープ 推理小説家編その10 アントニイ・バークリー

アントニイ・バークリーはイギリスの推理小説家です。

正式にはアントニイ・バークリー・コックスで、
イニシャルを繋げるとABCになるそうです。
(だいたい、アントニイ・バークリーで紹介されていますが)
「名」探偵、ロジャー・シェリンガムを主人公にしたシリーズが有名ですが、
他にもフランシス・アイルズという名前や

「?」という声に出して読みにくい(というか読めない)ものもあったとか。
代表作は『毒入りチョコレート事件』『ジャンピング・ジェニイ』

『第二の銃声』など。

 

○『ジャンピング・ジェニイ』

ある作家の主催で開かれた「殺人者と犠牲者」パーティ。
その余興として用意された絞首台と三つの首吊り人形。
その一つがパーティの終わりに、本物の死体にすり替わっていて…


アントニイ・バークリーは革新的な作風で知られる作家です。
この『ジャンピング・ジェニイ』でも変わらず。
どう革新的かは詳しく言えないのですが、
「名」探偵のロジャーが色々やらかします。
なぜ「名」かは読めばわかります(笑)
絞首台とか首吊り人形とかぱっと見怖そうですが、
わりと内容はライトでギャグっぽい。
100頁くらいまで読むと、がらりと印象が変わります。
リアルに「ええ?」って言いました。
声に出して言いました。

 

しかし、この探偵役のロジャーがどうしようもない人で、
「単純明快な事件をわざわざ複雑怪奇にする」
とライバルの警部に呆れられる探偵。
その思考は推理というより奇想天外な想像、たまに妄想はまさに迷探偵。
バークリーはホームズなどの典型的な格好いい探偵像を嫌って、
かけ離れた人物を作り上げたそうです。
確かに澄まし顔した名探偵より好感度は持てますが、
ツッコミ所が多すぎる(笑)

 

この『ジャンピング・ジェニイ』はバークリー入門書としてオススメらしいですが、
バークリーで一番有名なのが『チョコレート殺人事件』です。
(まだ読んだことはないのですが)
これは複数の探偵が見た同じ事件を別々に推理する、
「多重推理」を扱った最初のものだとか。

とある推理小説に書いてあったのですが、この多重推理構造は
芥川龍之介の『藪の中』と似ているそうです。
確かにバークリーと芥川龍之介はホロに類似点があります。
それは後ほど。

 

ホロスコープ解説

アントニイ・バークリー・コックス(1893/7/5 出生時間不明)

太陽は蟹座、月は魚座(確定)、ASCは不明。

バークリーで一番目立つのは獅子座です。
水星・金星・火星がコンジャンクションしていて、
ここに天秤座の土星と双子座の海王星冥王星セクスタイル
小三角を作っています。
6星も巻き込んだ小三角ってなかなかいませんよ。
さらに、獅子座に蠍座天王星がスクエア。
バークリーのよく言うと革新性、悪く言うとひねくれ性は
ここが由来だろうなあ、と予想が付きます。
本当に面白い、言ってしまえば大衆にウケがいい作品を書くのは
獅子座は得意ですね。
似たような人では大デュマや谷崎潤一郎あたりが思い浮かびます。
犯人解決の展開がかなり急(同期のセイヤーズには「ロジャー・シェリンガム式」と言われた)で、
手がかりなしに真犯人が示されることもあります。
S・S・ヴァン・ダインが憤慨しそうです。
フェアかアンフェアで言えばアンフェアなんだろうけど、
面白ければ全て良し、と言っているようです。
そういうやや強引なところも獅子座の魅力、と取れなくもない。
人柄的には、かなりゴーイングマイウエイな人だったんじゃないかなあ、と思います。

 

さて、バークリーは推理作家には珍しく、
ライツが蟹座魚座と水属性強め作家です。
さらに太陽と蠍座天王星がトライン。
出生時間によっては月も含めてグランドトラインになります。
前述しましたが、バークリーと芥川龍之介の共通点とは、
水属性、特に魚座が強いところと双子座の海王星冥王星の合です。
(ちなみに、両者は一才違い)
芥川龍之介魚座の太陽・水星と双子座の海王星冥王星がきっちりスクエア。
バークリーはスクエアこそしていないものの、魚座の月で海王星冥王星コンジャンクションあり。
二人に共通するのは、ひとつの現実から無数の想像・虚構が生まれてくることです。
魚座は境界や結論を曖昧にする性質がありますし、
双子座は思考をもてあそびすぎてひとつの答えを出すことが苦手な面があるように思います。
人間の認識とはひどく曖昧なもので、
ひとつの現実から引き出せる「真実」はひとつではなく、
人の数だけ、認識の数だけ、無数の「真実」が生まれてくる。
そのため、本当の真実とはごく曖昧なものである・・・と述べているのかなあ、と思います。
芥川龍之介が病んだ原因もこの辺りにあるような気がしますが)
ひとつの出来事から自分に都合のよい真実を述べる『藪の中』の当事者達と、
ひとつの事件から妄想すれすれの無数の仮説を繰り広げるロジャー・シェリンガムと、
なんか似ているなあ、と思うのです。
しかも、悲しいことに彼らは絶対に真実には辿り着けない。

バークリーは稀代の皮肉屋と言われますが、
真実に辿り着けない「名」探偵の活躍を、ぜひご覧いただければ、と思います。

 

 

文豪とホロスコープ 推理小説編その9 S・S・ヴァン・ダイン

お久しぶりです。

なんやかや仕事やプライベートなことが重なりまして、

ご無沙汰しておりました。

いつの間にかサイトも一周年を越えておりました。

最初の方に書いた日本作家とか、

もはや全て書き直したいという衝動で一杯ですが、

ひとまずは推理小説作家編、続行していきたいと思います(^o^)

***

 

S・S・ヴァン・ダインアメリカの推理小説家です。
美術品をこよなく愛する素人探偵ファイロ・ヴァンスを主人公とし、
代表作は『グリーン家殺人事件』『僧正殺人事件』など。

生年月日では本来はクロフツとクリスティの間に入る人なのですが、

諸事情で後回しになっておりました。

 

○『グリーン家殺人事件』

ある雪の降る夜、時代に取り残されたような館に二つの銃声が響く。
それは、名家の連続殺人の始まりを告げる音だった……


作品に入る前に作者についてちょこっと解説。
ヴァン・ダインは本名はウィラード・ハンティントン・ライトと言い、
元々は新聞に美術関係の批評を書いていたそうですが、
病気療養中に暇にまかせて2000冊の推理小説を読破し、体系的に研究、
「この程度の作家がヒットしているなら私にも書ける」
と思って、推理小説家になった……とまことしやかに語られています。
が。
それは自伝で書いているウソらしく、
本当は借金や麻薬で首が回らなくなった時に金のために書いたのがきっかけ、
というのが真実らしいです。
かなり大胆なウソをつく人ですな(笑)。

しかし、実際に推理小説はかなり読み込んでいたらしく、作品の完成度は高め。
エラリー・クイーンもかなり影響を受けたのだとか。
両者読んでもらえてたらわかると思うのですが、
(探偵がやたらフランス語・ラテン語を使う。)
(やたら古美術や古典作品に対して言及する。)
こういうのを衒学的(ペダンティック)というらしいですが、
後の世代の探偵にもにもちょくちょく影響が見られますね。
私なんかは、てっきり、
「探偵は推理以上に文学・美術・音楽の知識がないといけないのか」
…と、思っていました。

さて『グリーン家殺人事件』はヴァン・ダインの第三作品にあたり、
『僧正殺人事件』と並んで、傑作の名高い作品です。
先に言っておきますが、S・S・ヴァン・ダインの作品は一筋縄ではいきません。
普通だったらトリックやアリバイや現場の状況から犯人を割り出しますが、
ヴァンス先生はそんなまどろっこしいことはしません。
現場の証拠品を一切否定し、
「この事件はいったいどんな犯人が起こすだろうか?」
「この人物は事件を起こし得る性格だろうか?」
という、心理学的なアプローチで犯人を追い詰めます。
私が最初に読んだのは『僧正殺人事件』だったのですが、
(最後の最後で思いっきりしてやられました。)
今まで出てきたトリックやアリバイや証拠を全裏切りしつつ、
筋が通っている。
心理学といえば、江戸川乱歩の『心理試験』ですが、
その前身みたいな感じです。
ただし、彼のやり方に慣れてくると犯人の特定がしやすくなるのが玉に瑕。

『グリーン家殺人』のすごい所は、
解答編の前に今までわかった情報が箇条書きでまとめて示してあるところです。
全部で90数個の情報が読者に示してあります。
エラリー・クイーンの読者への挑戦以上の、
ある種、究極のフェアプレイとも言える所行。
実際、ちゃんと読んでいけば犯人はわかります。
わたしは論理的な推理がわりと苦手なので、
犯人の心理を追っていくやり方は、けっこうわかりやすかったです。
ただ、トリックそのものやアリバイそのものはかなり単純なものが多いので注意。
ロジック重視ではない、一風変わった事件の解き方に興味ある方はぜひどうぞ。

 

ホロスコープ解説

S・S・ヴァン・ダイン(1888/10/15 出生時間不明)

太陽は天秤座、月は水瓶or魚、ASCは不明。

出ました、推理小説家の天秤座。
太陽と天王星コンジャンクション
さらに射手座の火星、獅子座の土星が組み合わさって
小三角を作っています。

ぱっと見、派手好きそうだなあ……と感じました。
ヴァン・ダインの作品と言えば、
わりと展開が派手で、驚きの結末が待っていることが多い、
という特徴があげられると思います。
観客を飽きさせない、アメリカ映画的な感じです。
エラリー・クイーンの『エジプト十字架の謎』のような。

あとは、先に述べましたが、ヴァンス先生のややこしい喋り方。
ようするに、自分の知っていることを見せびらかしたいというか、
すごく幼稚な言い方になりますが、
「見てー、見てー、俺こんなに色々なこと知ってるんだよ(えへんぷい)!」
って、言っている感じです。
射手座とか獅子座ってそういうところありますよね。多少は天秤座も。
元々、天秤座って批評が得意なイメージがありますが、
ヴァン・ダインが最初は美術の批評記事で生計を立てていたあたり、
納得でした。

 

ただし、獅子座の土星は目立つことに関して多少強迫観念的というか、
人に見せびらかすために多少無理をしているところが感じられます。
要はかっこつけたがりで自分の実力以上に見せたがる。
射手座の火星もかなりやんちゃで無謀なところがありますし、
冷静なはずの天秤座の太陽も破天荒な天王星と合しているし。
ヴァン・ダインは派手好きで豪遊癖があったらしく、
そもそも、推理小説を書くきっかけになったのも借金のせいでした。
そして、お金を稼ぐために本来6作品で終わらせるはずのシリーズを12作に延長、
しかも、後になればなるほど質が悪くなっていくという、
悪いパターンにハマってしまったそうです。
射手座の木星が双子座の海王星冥王星オポジションしているところ、
地のエレメントが一つもないところも影響してそうだなあ。。。
射手座の木星って根がかなり楽観的で自分に甘いところがあるので、
ルーラーだけど、すごく良い!とは手放しに言えないところがあります。
いやまあ全体的にルーラーの星って強力過ぎるところがあるんですが。


別の所へと目を向けると、蠍座の水星と金星がコンジャンクションしています。
ここがヴァンス先生の心理学的アプローチの秘密でしょうね。
犯人の行動を外から見て判断するのではなく、
犯人や被害者になりきったつもりで内から行動を予測する。
客観ではなく主観、人の心は数量化できないものです。
この辺、ごっつ蠍座っぽい。

わたしは蠍座に水星があるのですが、
ヴァンス先生のやり方がすごくわかりやすかったです。
アリバイがどうのトリックがどうのと言われると頭が混乱してくるタイプなので。。。
ホロに水属性多めの人にお勧めです。
逆に、風属性多めの人は論理が合わないことが多いので面食らいそうですね、

この人の作品は。

 

しかし、推理小説作家は意外と水強い人が多いですね。
論理派のエラリー・クイーンも二人合わせると水属性強いし。
時に論理では括れない心理、つまりは感情というのも、

案外推理小説では外せない要因なの、かも。

 

文豪とホロスコープ 推理作家編その8 ディクスン・カー

ジョン・ディクスン・カーアメリカの推理小説家です。
密室を初めとする不可能犯罪が大好きで、
「密室派の総帥」の異名を持ちます。この呼び方、超格好良い。
代表作は『皇帝のかぎ煙草入れ』『帽子収集狂事件』『火刑法廷』など。
また、別ペンネームのカーター・ディクスンでも多数の作品があります。

こちらでは『ユダの窓』など。

 

○『皇帝のかぎ煙草入れ』

前の夫と離婚した可憐な女性、イヴ。
すぐに新しい出会いがあり、新しい婚約者と幸せを掴むかと思われた。
だがある夜、婚約者の父親が何者かに殺害されてしまう。
その容疑がかかったのはイヴで……


この作品のトリックはクリスティが絶賛したとして知られています(諸説ありますが)。
まさかの方法で騙されます。
カーと言えば密室、密室といえばカー。
とにかくトリックの種類が豊富で飽きない。
まさか、そんな手段で……というのがいくつも出てきて面白い。
カーは射手座ですが、
射手座好みの作品だなあ、と思います。


奇抜なトリックもさることながら、カーは文章が上手くて、
普通の読み物としても面白い。
純文学系ではなくて大衆小説系です。
漫画の最後の頁に気になるコマを置いて、
次頁の冒頭で明かす、みたいなやり方が上手い。
ついつい読んでしまう。
それに、結構わかりやすく本文中にヒントを置いているんですよね。
しかし、なぜか見逃してしまう。
最後に「やられた!」と叫ぶことがしばしば。
ちょっとだけアイリッシュ(『幻の女』)に似ているところがありますね。
反面、エラリー・クイーン(カーより一つ上)に比べると、
論理が強引だったりするところもあるようですが。

 

しかし、カーといえば
アメリカ人なのにイギリスやフランスの話ばかり書いていたり、
(そのせいかイギリス人と思われたり、辞書にはイギリスに帰化とある)
半分以上誰も知らないようなネタを詰め込んだ歴史小説だったり、
主人公のひとりのメリヴェール卿の口が超悪かったり(面白いんですが)、
けっこう変わった、面白い人だったようです。
『三つの棺』という有名な作品には密室講義という章があって、
なんと、主人公が「この作品はフィクションなんだけど」という、
メタ発言までし始める。なかなかこの時代じゃ見られない。
フリーダムすぎるカーさん。

 

わたしも推理小説家の中では、カーは屈指で好きです。
特に『ユダの窓』のトリックはかなりびっくりしました。
それ以来○○○○には気を付けるようになったりして……
まさか、あんな方法で……詳しくは言えませんが。

 

前述した『皇帝のかぎ煙草入れ』『ユダの窓』『髑髏城』、
未読ですが『爬虫類館の殺人』『白い僧院の殺人』
怪奇小説じみた『火刑法廷』も有名ですね。(カーター・ディクスン含む)
しかし、80個以上の作品があるのでとても読み切れない。
あと、カーはタイトルが面白い。
『悪魔のひじの家』とか。どんな家だろう……
他、例えば前述した『爬虫類館の殺人』の原題は
『He Wouldn't Kill Patience(彼が蛇を殺すはずはない)』。
タイトルから興味を引かれるものも多いです。
しかも、内容にぴったりと沿う。
どんな話だろう、と想像力を掻き立てられるものばかりなので、
タイトルリスト見ているだけでワクワクします。

 

ホロスコープ解説

ジョン・ディクスン・カー(1906/11/30 出生時間不明)

太陽は射手座、月は牡牛座か双子座、ASCは不明。

ホロを見ていただければ一発でわかりますが、
太陽、水星、金星がきっちりコンジャンクション(笑)
まさにキングオブ射手。
もう、自分の好きなことしかしない人ですね。
面白いトリックが好き、じゃあトリック考えよう。
歴史小説が好き、じゃあ歴史小説にしよう。
怪奇小説が好き、じゃあ怪奇小説にしよう(カーはポーの大ファンだったとか)。
アメリカよりイギリスが好き、じゃあイギリスに行こう。
やりたいからやった。面白いと思ったから書いた。
なんとまあ、すごくわかりやすい。
完全にカーの趣味が入っているとしか思えない作品も多いらしいですからね。
「俺はこれが好きなんだー!」って聞こえてきそう。
なんというか、すごく射手座らしい。
海外好きですしね。イギリスだけじゃなくてフランスも好き。

 

そういえば、
『ユダの窓』の文庫版に座談会が載っていたのですが、
その中でカーはトウェインに似ているとありました。共通点が多いと。
カーとトウェインは同じ11/30生まれで射手座なんですよねー。
ヨーロッパ大陸に何度も渡航しているし、懐古趣味もあるし。
両者とも歴史小説好きだし。
うーん、興味深い。

 

しかし、推理小説家としては珍しく、風のエレメントが少ない。
天秤座の火星くらい(何故かポーと同じ位置だったりしますが)。
だからこそトリック重視だったのかな?とも思います。
そういうところは火が乏しかったエラリー・クイーンと対照的です。
エラリー・クイーンが一部の隙のない完璧な作品だとすると、
ディクスン・カーは奇抜なトリックによる一点突破形ですね。
不可能状況を打破するトリックへと、ぐいぐい進んでいく。
どうやってあの状況をひっくり返すんだ? と思って、ついつい読んでしまう。
やっぱりわかりやすくて単純に面白い。
けど、結構そこに至るまでの過程が強引(笑)
あ、でも月は双子座かな、と思います。
文章が軽くて読みやすいので。

そういえば、この世代、天王星海王星オポジションですが、
この年(1906年)生まれは海王星木星も被っている(多少ヤバい)年代。
なんとなく、カーはデュ・モーリアに近い雰囲気がありますね。
サスペンスというか、張り詰めた緊張感というか。
怪奇好きはここ由来かなあ、とも思います。

 

エラリー・クイーンほど正統派じゃないのですが、
カーは面白いです。
推理するよりも、面白がるつもりで読んでみてください。
たまに、誰が喜ぶんだこれ? というところが出てきますが、
きっと作者は楽しんで書いた部分なのだと思います。

 

文豪とホロスコープ 推理作家編その7 エラリー・クイーン

エラリー・クイーンアメリカの推理小説家です。
実はエラリー・クイーンは一人ではなく、
プロットを担当するフレデリック・ダネイ、
執筆を担当するマンフレッド・リーの連名のペンネームです。
二人は従弟同士だったらしいです。
(ちなみにダネイとリーもペンネーム)

 

作家と同名の探偵、エラリー・クイーンが活躍する作品は
後に多大な影響をもたらしました。
代表作は『ローマ帽子の謎』に始まる国名シリーズ、
バーナビー・ロスという別の名前で『Xの悲劇』に始まるシリーズもあります。
こちらも名作として有名です。

 

エラリー・クイーンの国名シリーズ

「読者よ、すべての手がかりは与えられた」

 

タイトルに国の名前が必ず入っていることからこう呼ばれます。
フランス、オランダ、アメリカ、スペインなど。日本もあります。
この中でも有名なのが『フランス白粉の謎』『ギリシャ棺の謎』『エジプト十字架の謎』です。
それぞれどうしてそんな状況になったのか、理解に苦しむようなものばかりですが、
実に明快な論理で推理していき、最後には全てすっきりします。
なので、読後感がとても爽快です。
すごいところが、発想が奇抜なトリックや論理ではなく、
誰もが思いつくことができて、気づきさえすればわかるだろうところ。
多分、わかりさえすれば誰でも犯人が当てられると思います。
ただ、普通ならば気づかないような些細な手がかりなので、
まずもって誰もわからない。
そして、最後にエラリー・クイーンが解き明かして、
周りが「おお!」というのが鉄板のパターンです。
これが、本当に惚れ惚れするような推理なのです。

 

エラリー・クイーンの有名なところといえば、
読者への挑戦を入れるところでしょうか。
全ての手がかりが与えられて、犯人を当てることが出来る時点で、
「読者よ、すべての手がかりは与えられた」
というお決まりのセリフが入ります。
この時点までで出てきた情報で犯人を当てることは可能である、という。
わたしは当てられたことが一回もありませんが。
S・S・ヴァン・ダインの二十則の中にも解答編の前に必ず読者に知らせなければならない、
というものがあります。
登場人物紹介といい、フェアプレーに拘る傾向があるようです。

 

エラリー・クイーンの作品はつまらないものがないと言われているので、
推理小説好きの人ならば言うまでもなく、
初心者の人も読みやすいと思います。

 

ホロスコープ解説

フレデリック・ダネイ(1905/10/20 出生時間不明) ※プロット担当
マンフレッド・ベニントン・リー(1905/1/11 出生時間不明) ※執筆担当

それぞれ太陽天秤座、山羊座、月は蟹座、魚座(確定)、ASCは不明。
推理小説家って全然出生時間明らかになってないんですよね……くそう。

 

さて、この二人(従兄弟同士らしいです)がどうして組んだかというと、
ダネイはプロットは作れるけど文章が書けない、
リーは文章は書けるけどプロットが作れない、
という、互いの短所と長所を補った結果だったそうです。
まずプロットをダネイが考えて、二人で相談して直しつつ、
リーが実際に書くという。

 

まずダネイの方から見ていきます。
天秤座の太陽と蠍座の水星が合、
これが水瓶座土星と双子座の冥王星とトライン、
風のグランドトラインを作っています。
うわあ、推理小説家っぽい。
たしか、アガサ・クリスティにもありましたね、風のグランドトライン。
前述した通り、エラリー・クイーンは奇抜なトリックは使いません。(わたしが読んだ限りでは)
ごく当たり前の、些細な事実から推理を重ね、
やがて全体の真実を導きだしていきます。
トリック派というより、ロジック派。
そういうところは天秤座、および風属性らしい。
同世代のディクスン・カーと正反対で面白いです。

 

他に気になるところでは
山羊座天王星と火星が合、
これが太陽水星、土星と小三角、双子座の冥王星オポジション
ということは、風のグランドトラインにカイトを作っています。
しかも火星の正反対には月と海王星の合が。
この辺り、かなり訳分からなくなっています(乙女座金星も入れればTスクエア)。
1905年から10年近く続く、天王星海王星オポジション世代です。
多分ですが、この人がプロットしか書けなかったのはこの辺りに原因があるんじゃないかなあ、と思います。
あんまり天王星海王星の影響が強すぎると、かえって普通の文章が書けなくなるのではと。
例えば、ジャン・ジュネの文章とか、かなり難解です。
考えるんじゃない、感じるんだ方式というか。
しかし、推理小説は明快で簡潔な描写あってこそですからね。
人によってとらえ方の違う、感じるんだ形式では困る。
文章が理解できなければ推理以前の問題です。
月と海王星の合、火星と天王星の合はそれぞれ単体で見れば大作家も多いんですけどねー。
ダネイは発想力がすごいけれど、それを形にまとめられない人って感じでしょうか。
数学の証明は得意だけど計算が苦手みたいな。


続いて、リーの方。
天秤座の火星、魚座の金星、蟹座の海王星でグランドトライン、
さらに、海王星山羊座の水星天王星の合がオポジションでカイト。
火星、水星天王星、金星で小三角。
なんと、9ヶ月も離れているのに二人ともだいたい同じ位置でグランドトラインがあるという。
ダネイと似ていますが、リーでは風属性は減って、水の方が強くなっています。
しかし、リーも文章が訳分かんなくなってもおかしくないのに、
ちゃんと簡潔に書けていますね(失礼)。
割合シンプルになっているからか、カイトになっているからか。
オポジションこそありますが、カイトはかなり安定している形なのだそうです。
グラントトラインの循環するパワーが一点に流れ込むとか。
その先は水星ですしね。
天秤座の火星も関わってるし、
面白く、かつ整頓された文章が書けそうだなーと思います。

 

しかし、二人とも似たもの従兄弟だったようですね。
同い年とはいえ、なんとなく構成要素が似てる。
これだったら、そうモメずに面白い話が作れたんじゃないかなあ、と思います。
しかも、それぞれお互いの水星と火星が入ることで水と風のグランドトラインを作っている。
論理面と心理面、両方からアプローチ。
エラリー・クイーンの作品は複雑なトリックが少ない代わりに、
犯人が誰か(フーダニット)、
どうやったのか(ハウダニット)、
どうして起こしたのか(ホワイダニット)、
をきっちりと推理していきます。
この過程で犯人の心理や背景にもかなり迫っていきます。
その辺りが水っぽいなあ、とも思います。
作品を書くとき、カーはトリックから、エラリー・クイーンは犯人から考え始めると聞いたことがありますが、やはり犯人の心理あっての推理なんでしょうね。
ダネイとリー合わせての二人だったらそれが補えたのではないか、と思います。

特に、ベテランになってから書いた『災厄の町』などは、

論理より心理描写にメインが置かれているそうです。

クイーンは時間が経つごとに作風が変わっていくそうなので、

がんばって読んでいきたいと思います。

 

 

文豪とホロスコープ 推理作家編その6 アイリッシュ

ウィリアム・アイリッシュアメリカの推理小説家です。
主に本名のコーネル・ウールリッチで執筆していましたが、
日本ではアイリッシュ名義で書いた『幻の女』が超有名なため、
ウィリアム・アイリッシュの方で知られています。
代表作は『黒衣の花嫁』『幻の女』『暁の死線』など。

 

○『幻の女』

ある夜、主人公は名前も素性も知らない女性と食事をし、劇を見る。
妻と喧嘩して、家を飛び出してしまったからだ。
だが、女性と別れた主人公が家に帰ると、妻は死んでいた。
無罪を証明するために女性を探すが、彼女の痕跡は全て消えていて……

 

殺人容疑のかかった主人公の無実を証明できる女性(「幻の女」)を探す、
というストーリーですが、
なぜ女性は見つからないのか? そもそも女性は本当にいたのか?
そして、誰が妻を殺したのか? 徐々に近づいてくる死刑の日付。
この時点でもう面白い。

 

章タイトルが「死刑執行まで~日」という形式で、
けっこうドキドキします。
手がかりがなかなか掴めない時もあって、
女性はまさしく幻そのもの。
最後の50頁くらいは続きが気になって止まらない。

 

ネタバレなので詳しくは言えませんが、
本格推理と言うよりサスペンスという感じで、
ロジックやトリックというより、テクニックに騙される感じ。
わりと反則すれすれっぽい。
多分、これ皆騙されるんじゃないかなあ、と思います。
古典とされる話ですが、絶対面白い。
ただし、ウィ○ペディアだけは絶対に見ないでください。

 

また、書き出しが名文として有名。

 「夜は若く、彼も若かったが、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった」(稲葉明雄氏訳)

 

このように擬人化や比喩を多用した文章は見事で、
サスペンスの詩人と言われてるそうです。
SFの詩人のレイ・ブラッドベリみたいですね。

 

ちなみに、日本では1942年に出た時、江戸川乱歩
「絶対に訳して読むべき本」って言ったことで有名になったらしいですね。

この人も本当、見る目はあるなあ。

セイヤーズの『ナインテイラーズ』も紹介していたらしいですし。

 

ホロスコープ解説

ウィリアム・アイリッシュ(1903/12/4 出生時間不明)

 

太陽は射手座、月は牡牛か双子座、ASCは不明。

射手座で太陽、水星、天王星がゆるいですが合でステリウム。
また、射手座の水星天王星合に冥王星オポジション
さらに魚座木星がスクエアで、Tスクエアを作っています。
かなりの緊張感がある配置です。
他の作品(『暁の死線』とか)でもそうですが、
イムリミットを想定して、時間切れまでに無実を証明しなければならない
という形式が好きなようです。
周りの誰も信じてくれない、頼れない孤立無援の状況で、
自分の力だけで状況を打破しなければならないとか。
この人自身、ちょっと人間嫌いの面があったらしいので、
実体験かなあ、とも思います。
自分の個性を前面に押し出してしまって、どうしても孤立しがちで、
本当のことを言ったり、自分のしたいことをして何が悪い、という感じ。
水星が絡むTスクエアって結構キツい。
しかし、魚座木星が関わっているあたりはサスペンスの詩人の要素が垣間見えます。

魚座木星っていうと、ゲーテとかです。あとはポーとか。

どっちも詩人としても有名ですね。

 

ちなみに、プロレタリア文学小林多喜二と三日違い生まれ。
そう言われて見れば、『蟹工船』と似たところがある気がしてきます。
孤立無援で自分たちの力だけで戦わなければならないとか。
どちらかといえば、
同じ文庫に入っていた『党生活者』の方に雰囲気が近い感じがしますね。
追い詰められ方はアイリッシュの方が上ですが。

月は不明ですが、おそらく双子座じゃないかなあ、と思います。
詳しくは書けませんが、文章で騙される面が大きい。
カーもそうですが、射手座双子座の強い作家って、
トリックやロジック以外に書き方から凝っているところがあるので、
なんだか双子座っぽいなあ、と思います。

 

ちなみに、金星は天秤座で山羊座の火星ときっちりスクエア。
この作品、タイトルにある「幻の女」を初めとして、
登場人物、特に女性のキャラが濃い。
しかも、けっこう男性を翻弄する小悪魔的な面を持つ女性が多い気がします。
騙して、振り回して、そしてついには破滅させてしまうような、
美しいけれど不実な女性。
多少ネタバレですが、ヒロインが情報を持つ男に近づく辺り、
かなり緊張感とリアリティがあって面白いなあ、と感じた覚えがあります。
ヒロインは清純派に書いてあるはずですが、実際、結構なことしています。
作者が女性に対して裏切られた経験があるというか、かなりの不信感を持っていたんじゃないかなあ。
本当かわかりませんが、同性愛者だったという噂があるそうなので、
やっぱり女性に恐怖心はあったのかなあ、と思います。
最初から最後まで『幻の女』に振り回される運命だったのでしょう。

 

ちなみに、アイリッシュフィッツジェラルドが好きだったらしいですね。
アイリッシュの金星が、フィッツジェラルドの水星金星に合しています。
結構文章の中にも影響が見られますが、
小林多喜二志賀直哉のファンだったのに似てて、ちょっと面白いですね。
(あっちは山羊座水瓶座の繋がりでしょうけれど)

文豪とホロスコープ 推理作家編その5 江戸川乱歩

江戸川乱歩は日本の推理小説家です。
横溝正史と並んで、日本の推理小説の第一人者です。
細かいところは以前に書いた文章があるので、そちらを参考に。

ポーやドイルには言うことはないけれど、

乱歩には言ってやりたいことがあるので。
乱歩の作品にはスリラー小説や少年向けや純文学っぽいものもありますが、
ここでは推理小説家として見ていきます。

 

○『D坂の殺人』他 ※多少のネタバレ注意

D坂にある古本屋にて女主人が殺害された。
その解決に明智小五郎が乗り出すが、どうも彼も怪しいようで……?

 

乱歩初期の短編です。
この作品を読んだ先輩探偵作家の小酒井不木が絶賛したことで有名です。
視点人物は明智小五郎じゃないんですが、
探偵役のはずの明智小五郎がかなり怪しいという、ちょっと変わったものです。
殺害したトリック(というかロジック)そのものはごく単純、

そんなのアリかよ!?と思うもので、
わたしは持っていた本を壁に投げつけそうになりました。

(図書館のものだったのでやめましたが)
乱歩は最後の最後で結末を二転三転させて、しかも嫌な方面にひっくり返す傾向があるので、
それが許せるか許せないかで好みが分かれそうですね。

非現実的なこと書いているくせに、変なところで現実的なんですよね、この人。


『赤い部屋』『湖畔亭事件』、推理じゃないけど『人間椅子』などでは、
見事に嫌な方面にひっくり返されて、ポカーンとしました。
「ハハハ、嫌だな~、そんなことが現実にあるわけないじゃないですか~」
と、言われている気がする。お前が言うな、と。
その読後感の悪さも含めて魅力なんでしょうか……ううむ。

 

そういえば、乱歩は長編が苦手だったらしいですね。
最後までプロットを考えずに書き出して、詰まると旅に出るというパターン。
一寸法師』『蜘蛛男』は確かにちょっといまいちだったかな……
色々とツッコミ所が多すぎるので、そういう意味で面白くはあるんですが。
しかし、短中編はなかなか面白いものも多いです。
『心理試験』『石榴』『陰獣』ちょっと変則だけど『目羅博士』とか?

 

わたしのオススメは『何者』です。
乱歩の中ではかなりまとも、というか珍しく本格派です。
というか、力を入れて書いたこの作品の評価が当時あんまり宜しくなかったので、
結局、怪奇や変則方面に向かって行ってしまったという曰く付きのもの。
タイトルや内容はE・A・ポーの『お前が犯人だ!』を参照にしていますが、
推理もちゃんとしていますし、良い意味での裏切りもある。
ポーよりもエラリー・クイーンに近い感じ。
この人もやろうと思えばちゃんとやれる人なんですよ。
むしろ、本格派の方が書きたかったらしいですし。
ただ、折しも時代がエログロナンセンス最盛だったのが運のツキだっただけで。

 

そういえば乱歩の作品って、海外作品のトリックの流用・変形が多いようです。
『何者』然り、『心理試験』然り、『石榴』然り。
『赤い部屋』も谷崎潤一郎の作品を参考にしたらしいです。
ちゃんと工夫はしてあるものの、
なんかどっかで見たことあるなあ、と思うものがしばしば見られる。
明言しているあたり、正直なのか、なんなのか。
自分でトリック考えろや、と思う一方、
よっぽど国内外のミステリを読んでいたんだなあ、と感心します。
幻影城』という東西の推理小説のトリックを分類した本も書いているくらいですから、よっぽど詳しかったんでしょうね。
天才というより、秀才タイプなんでしょうか。


ホロスコープ解説

江戸川乱歩(1894/10/21 出生時間不明)

 

太陽は天秤座、月は蟹座(確定)、ASCは不明。

前にも書きましたが、太陽天秤座で土星と合、
それが牡羊座の火星ときっちりオポジションです。
エログロの部分がここに由来しているだろうことは周知の事実。
推理小説家としてはロジック中心に持ってくる作家、という感じでしょうか。
また、土星ときっちり合している辺りは、
最後の(私の苦手な)嫌なひっくり返し方に通ずるところがあります。
結局のところ、現実主義なんでしょうな。
また、乱歩は戦後になると評論の面で活躍します(『幻影城』含む)。
個人的なイメージですが、天秤座って評論が得意そうですね。
客観的に言葉で語りたいタイプに思えます。


で、水星は蠍座天王星と合。
この辺りはエラリー・クイーンとよく似ている。
プロット担当のフレデリック・ダネイとも、
執筆担当のマンフレッド・リーとも。
かなり意表を突く結末や展開が得意。
蠍座ゆえか、乱歩の作品って心理トリックが結構多いですよね。
誰もそんなことは考えない、人の盲点を突くというか。
そういうところは蠍座っぽい。
発想そのものはかなり奇抜なんですが、
それを天秤座で論理的に道筋立てて考えていく。
天秤座そのものは理知的なのですが、手に負えない蠍座の水星が振り回している感じで、結構見てると面白いです。
セイヤーズもそうですが、風星座と水星座が隣り合って強い人って結構面白く感じます。
また、蠍座って情報を集めて分類していくのが好きなタイプなので、
ここもらしいなあ、と思います。トリック集成について。

 

さて、蟹座には月と、木星が同居しています。
ぱっと浮かぶのは、
蟹座といえば、模倣が得意だな……ということ。
しかも、蟹座はただの真似ではなく、さらに自分なりに発展させるところ。
まさに乱歩スタイルでは? と思います。
乱歩も若い頃は人付き合いが超苦手(あの太陽と水星じゃ無理もない)でしたが、
徐々に克服して、日本推理クラブを作ったり、若手の世話をしたり、
けっこう面倒見の良いところが発揮されるようになります。
そもそも蟹座って、天才というより秀才タイプですよね。

 

こう見ると、牡羊座の火星以外はかなり推理小説家っぽい配置してますね。
火星だけは明らかに別方面。
こう、少年探偵団とか猟奇趣味とかそういう方面の影響だろうなあ、と思います。
しかし、これがあってこそ乱歩になる要素であることは間違いない。
なかったら、乱歩もただの推理小説家です(それはそれで本望かもしれませんけど)。

というか、気になるのが乱歩はどういう要素でE・A・ポーが好きだったんですかね。
やっぱり蠍座の水星あたりが怪奇趣味に反応したのか、
天秤座の太陽、土星、金星あたりが推理もの(ポーの火星は天秤座)に反応したのか。
その辺りがちょっと気になりますね。

 

しかし、特に国内の作家は江戸川乱歩の影響がある人が多いようですね。

新人発掘や日本推理クラブ、

少年探偵団などの子供向け活動があったことも理由のひとつでしょう。

名探偵コナン』を含めていいならば、現代への影響も計り知れない。

あとは、やっぱり日本人にしか通じないネタが使えるのが強みかなあ。

やっぱり文化や言葉の違いってあります。

わたしはあまり好きって言いたくない人ですが。

だって変態だし、怖いじゃん。ねえ?