文豪とホロスコープ

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文豪とホロスコープ フランス作家編その6 フロベール

ギュスターヴ・フロベールはフランスの作家です。
代表作の『ボヴァリー夫人』にて作者の主観を徹底的に排するという
写実主義を完成させた作家として有名です。
代表作は『ボヴァリー夫人』『感情教育』『三つの物語』など。

 

・人となり
フランスの医者の家庭に生まれ、
小さい頃は妹とともに病院の死体安置所で遊ぶなど、
あまり教育によろしくなさそうな環境で育ちました。
大学で法学を学ぼうとするものの、
病の療養のため、別荘で好きなだけ執筆できるという、
とてもうらやましい境遇に落ち着きます。

 

彼は弟子のモーパッサンとともに写実主義の代表と言われていますが、
この写実主義、および後の自然主義はどうも定義が曖昧なんですよね。
フロベールはほとんど偏執的な推敲をすることで有名で、
その結果、作者の主観ではなく、登場人物の心情のみを追求したようです。
言わば、登場人物の主観になりきるタイプの写実主義です。
色々文章も工夫していて面白いですが、
読んでて、あれ全然客観的じゃないなあと思ってしまいました。

 

一方、後の自然主義作家、特に日本の場合は、
主観的な様子を排し、心情を含めて客観的に描写することで
人間のありのままの姿を表現しようとしたわけです。
つまり、外側から見た人間の姿です。
そうすると、ある種内側から人間を描こうとした
フロベールとは逆なのではないかと思います。
見ている方向が内からか外からかの違いですが、
読んでいると結構大きな違いだなあ、と思います。
自然主義作家はタイプが結構分かれるもので、
火属性か地属性かでかなり分かれるなあ、と思います。

 

ホロスコープ解説
ギュスターヴ・フロベール(1821/12/12 4:00)

射手座の太陽、獅子座の月、ASCは蠍座

ボードレールで既に書きましたが、
ボードレールとドストとフロベールは同い年で、
牡羊座に大合があります。
ドストとは一ヶ月違いなんですよね。
しかし、二週間とかならともかく、
一ヶ月で結構ホロは変わってしまうものですがね。

 

注目するべきは、蠍座の水星、獅子座の月、魚座冥王星
水(一個火ですが)のグランドトラインです。
前述した通り、フロベールは登場人物になりきるタイプの人で、
地の文に登場人物の内心がそのまま出てきたりするようです。
(こういうの何て言うんでしたっけ・・・自由なんとか文)
他の人間の心理になりきる、ようするに相手の立場になって物を考える
というのは、感情の働きで水タイプの独壇場です。
水星と冥王星がけっこう近めにトラインしているので、
多分、この辺だろうなあ、と予想が付いています。
彼の有名な言葉で、「ボヴァリー夫人は私だ」というものがありますが、
主人公のエンマ(ボヴァリー夫人)になりきって、
ある種エンマの霊が憑依してというか、
そういう風に書いていたんだろうなあ、と思います。

 

ただし、読んでいただければ分かりますが、
エンマはそもそも射手座っぽいです。
ロマンチックなことが大好きで、
ぞくぞくするような恋愛小説が大好きで、
結婚して普通のつまらない現実に幻滅するという、
射手座にとってすれば、まったく身につまされる話でした(笑)。
私的に射手座女子といえば『赤毛のアン』ですが、
もしアンが上手く現実になじめなかったらこうなるんじゃないかなあ、
という感じです。
「普通」「凡庸」に幻滅するのは射手座にはよくあることです。
なので、
フロベールはエンマという女性の心理を一から理解してすごい!
というわけじゃないんでしょうねえ、きっと。
文庫の後書きに「エンマは男性っぽい」(うろ覚えですが)とあったのを見て、
そう思いました。
あれ、そうすると作者の主観を排するっていうのは・・・?