文豪とホロスコープ

星占い&読書好きが主に古今東西の文豪のホロスコープを見ていきます。ほか、読書感想や星占い関連について、日々のつれづれなど。

文豪とホロスコープその28 宮沢賢治

宮沢賢治は日本の詩人、童話作家です。

彼の作品は自然と宗教観が混ざった独特のものとなっています。

代表作は『銀河鉄道の夜』『注文の多い料理店』詩では『春と修羅』があります。

小学校や中学校の教科書にも載っているため、知っている人も多いと思います。

漫画では『文豪失格』が詳しいです。通称ミヤケン。

 

岩手県出身、実家は裕福な家でした。

小さい頃は石や昆虫の採集に夢中で、

この収集癖は大人になった後はレコードや浮世絵に向けられています。

 

その後、教師となりますが、後に農業家に転職。

その間にも童話や詩を書き続けていました。

が、出した童話集や詩集はまったく売れず、

死後発表された作品が大多数だったそうです。

 

宮沢賢治といえば、熱心な仏教徒法華経)で、

肉や酒などの欲を絶ったベジタリアンとして知られています。

生涯結婚せず、女性は苦手だったと言われています。

が、エロには興味があって、大量の春画(エロい浮世絵)を集めていたことも

よく知られています。

また、林檎と天ぷらうどんとソーダ水が好物だったそうですが、

エビの天ぷらだけは食べていたらしいです。

それでいいのか、ミヤケンよ・・・

 

宮沢賢治(1896/8/27 出生時間不明)

乙女座の太陽、牡羊座の月。

乙女座には水星、金星も入っています。

自然大好きな乙女座が強いのは納得です。

鉱石や昆虫の収集が好きだった、とか。

自然と同じく、収集癖があるのも乙女座らしいですね。

ミヤケンの童話は大半、動物や植物など自然の存在が出てきます。

それと同時に、資本家など裕福な者、力の強い者とそれらの弱い者が出てきて、

弱い者をいじめていた強い者がやっつけられる、というストーリーが多い。

または、自分を犠牲にして皆を助けるというストーリー。

金星、水星は双子座の海王星冥王星とスクエアしています。

この、弱いものへの慈悲や自己犠牲は、

主に金星と海王星の影響じゃないかなあと思います。

ただし、乙女座の金星は潔癖なものなので、

女性に対して夢を見すぎてしまうことがある。

ので、現実の女性が汚く見えてしまっているのかもしれない。

絵や本の中の女性は良いけれど、現実は駄目というのはそういう理由かも。

 

しかし、牡羊座の月はけっこう意外。

穏やかで大人しい人かと思っていたら、案外気性が激しかったのかも。

童話関係者は牡羊座が多いですけどね。

アンデルセンとか小川未明とか、月でいえば芥川龍之介も児童向けを書いてたような。

そういえば、ミヤケンは童話の中でもけっこうえげつない話が多い。

オツベルと象』『蜘蛛となめくじと狸』あたりはけっこうえげつない。

あと、詩の中の「春と修羅」は羊っぽい、かも。

 

日本の童話の第一人者で、小さい頃から好きという方も多いでしょうが、

実は、自分はあまりミヤケン好きじゃないです。

詩はともかく、童話が何か相容れない感じがします。

泥臭さとシニカルさが混ざった話とか、

他の人の幸せのためなら自分を犠牲にするという良い子ちゃんな感じが、

なんとも苦手。

自分は射手座なので、乙女座色の強い彼とは相性が悪いのかもしれない・・・

 

 

文豪とホロスコープその27 江戸川乱歩

江戸川乱歩は日本の小説家です。

日本の推理小説の大家で、明智小五郎シリーズが有名です。

推理もの以外にも怪奇、猟奇ものなども執筆しています。

代表作は『D坂の殺人事件』『陰獣』など、

推理以外では『パノラマ島奇譚』『人間椅子』など。

 

三重県出身、子供の頃から海外推理小説が大好きで、

ペンネームが小説家のエドガー・アラン・ポーから取ったことは有名。

人見知りだったらしく、学校では友達が少なく、いじめられっ子だったそうです。

就職した後も、寮生活になじめなくて辞めていたり。

 

作家になる前は何度も転職していて、会社員を始めとして、

古書店をやって、あまりに売れなかったため、志那そば(ラーメン屋)のバイトをし、

探偵になろうとしたこともありましたが、面接で落とされたそうです。

 

作品を書くのに時間がかかる方で、原稿が書けなくなると

どこかへ失踪する逃亡癖があったそうです。

さらに、長編を書くのが苦手だと語っていたそうです。

一寸法師』という作品の出来に自分自身でがっかりして、

一年近く書かずに放浪していた時期もありました。

ついでに、自分に関する新聞記事があると必ず切り抜いて集めていた。

記事といえば、同性愛に関する資料を集めていたことが有名で、

本人もその気があったらしい(作品でもテーマにしている)。

 

色々と濃い人物ですが、古今東西の探偵小説を熟知しており、

また、大正末期のエログロナンセンス好みの風潮により、大衆人気は絶大でした。

本格推理小説から耽美もの、果ては子供向けの少年探偵団までお手の物。

詩人の萩原朔太郎や作家の坂口安吾も乱歩ファンだったそうです。

 

江戸川乱歩(1894/10/21 出生時間不明)

天秤座の太陽、蟹座の月。

太陽は土星とタイトなコンジャクションで、

牡羊座の火星とこれまたタイトなオポジション

風属性の推理小説家は、理路整然と筋道立てて推理をする形式ですね。

同じ風属性ならコナン=ドイルやG・K・チェスタートン、

同じ天秤座なら、自分は有栖川有栖氏が好きです。

太陽と土星の合は自分に対して厳しく、自信を持てないことが多い。

乱歩氏が自分の評価を気にしたり、すぐ作品に自信をなくして書けなくなったり、

逃亡するのはこれが原因じゃないかな、と思います。

一方、火星と土星というのはちょっと怖いアスペクトで、

怒りや情熱が制限された結果、ちょっと変わった風に出てきやすいというか。

サディズムマゾヒズムに傾くこともあります。

乱歩氏の作品内には、そういうちょっとアブノーマルな展開、

たとえば殺人だったり、人形愛だったり、同性愛だったり、異形の姿をしていたり、

ということが非常に多いです。

ちなみに残虐というか、グロい殺し方も多いです。

さすが牡羊座の火星。

ちなみに、乱歩氏が大いに尊敬した谷崎潤一郎も火星と土星アスペクトがあります。

どういう作風かは、もう言うまでもない。

 

重要なところは、蠍座の水星と天王星のコンジャクションです。

推理作家、または探偵小説好きは蠍座に重要な星が入っていることが多いです。

そういう作家は、心理戦や人の心理を利用したトリックが得意なような。

乱歩氏の推理小説には2つの目的があって、

ひとつは探偵が筋道立てて、事件の論理を説明すること、

もうひとつは犯人が事件を起こす前後の心理を事細かに描くこと。

前者は本格推理と呼ばれるもので、後者は犯罪小説とも言われます。

乱歩氏の作品では犯人側の視点に立つ倒叙形式のものも多く見られます。

普通の倒叙は、視点を犯人側に置くことで、

一見完全なトリックを裏をかいて見破る探偵のカッコよさ、

犯人の側から探偵に追い詰められる緊張感などを要としています。

しかし、乱歩氏の作品の場合、トリックや推理自体はシンプルで、

代わりに犯人の事情や心理が事細かに書かれます。

犯罪者の心理を書きたいから倒叙にしたんじゃないか、と思うほどです。

多分、乱歩氏としては探偵より犯人に大いに感情移入して、

犯罪を犯すちょっと普通ではない心理を書きたかったんじゃないかなあと思います。

このホロスコープを見て、

もしも乱歩氏が犯罪小説を書いていなかったら、本物の犯罪者になっていたかも・・・

とも思いました。

ちなみに、蠍座の水星・天王星じゃ人付き合いは大いに苦手そうですね。

乱歩氏は実際人嫌いで、近所づきあいもあまりしてなかったらしいです。

代わりに、人の意表を突くようなトリックの才もあったのかもしれません。

 

江戸川乱歩の作品はけっこう読んだので、まだ語れるところはありますが、

今回はこれまで。

確実に言えることは、乱歩氏は探偵や犯人に劣らずキャラが濃いということです。

 

 

文豪とホロスコープその26 吉川英治

吉川英治は日本の小説家です。

新聞連載小説、いわゆる大衆文学といわれるジャンルで活躍し、

主に、歴史上の剣豪や武将に題材を取ったものが多いです。

代表作は『宮本武蔵』『三国志』など。

特に、『宮本武蔵』はかなりの人気を誇ったようです。

 

吉川英治は小さい頃に苦労した作家で、

家計が傾き、小学校を中退して働きに出たそうです。

執筆や勉強は、すべて独学です。

この時点でかなりすごいなあ、と思いますが。

そのためか、吉川氏の作品は独自の解釈を含んだものも多いようです。

 

自分にとっては思い入れのある作家で、

中学校の時に母に勧められて『新・平家物語』を読んだことを思い出します。

中学生にとっては長く、しかも13巻くらいでやめた記憶が(全24巻)。

正直難しかったですが、おかげで歴史小説に対しての抵抗はなくなりました。

また、青梅の吉野梅郷に梅を見に行った時に、

近くにあった吉川英治記念館に寄ったことがあります。

 

吉川英治(1892/8/11 出生時間不明)

太陽は獅子座で、月は魚座

吉川氏の小説は厳密な歴史ものではなくて、

多数の人物が織りなす時代活劇という感じです。

そう考えると、ドラマチックが大好きな獅子座らしいですね。

歴史小説といえば、主人公の輝きが強いのも特徴かなあ、と思います。

歴史小説は、登場人物の中には歴史に名を残す人物がもちろん多くて、

ヒロインやライバルなど、その他の人物もキャラが濃い。

そして、それに負けずに主人公のキャラが一番濃くなくてはならないわけです。

だからこその獅子座。

獅子座の作家は、

登場人物(とくに主人公)が強烈な個性を放っている人が多い気がします。

吉川さんも多数の人物が登場する中で、キャラクターの魅せ方が上手いと思います。

太陽が守護星で、スポットライトを浴びるのが大好きな獅子座らしい。

ちなみに、同じ歴史小説というジャンルの作家で司馬遼太郎がいますが、

彼も獅子座です。

海外の似たような歴史小説家では、フランスのデュマ・ペールがいますが、

彼も獅子座です。

 

そういえば、大学時代に聞いた話ですが、吉川英治の『三国志』では、

同じ人物が三回登場して三回死んでいる、

ということがあるらしいです。

ようは盛り上げ役のモブキャラが以前に死んだことを忘れていたらしいですが、

こういう豪快なところも獅子座らしい(笑)

デュマ・ペールも自分の出生時間を間違えて書いたらしいです。

星占いをやってる身としては、こういう間違いは心臓に悪い・・・

 

さて、主人公のキャラクターが濃いと前述しましたが、

吉川氏の主人公は、ただただ格好良くて男前で強い、というわけではありません。

かなり人情面が強い。

宮本武蔵』は剣の修行の中で人を殺す剣から、人を活かす剣、

殺人剣から活人剣への転換が行われます。

修行の途中で悩み、迷い、葛藤する武蔵の成長が主軸です。

『新・平家物語』では、源頼朝義経の成長はもちろん、

普通は悪役のはずの平清盛や、平家の武将、

彼らの心境や隠された苦悩にも焦点が当てられています。

結果、自分は大層清盛に感情移入しました。

人間、それぞれやむを得ない事情があるんじゃないかと思わせる。

吉川氏の月は魚座ですが、

魚座は感情の共感力が強く、それが月であるならばなおさら。

これが、吉川氏の小説が人情派であるところに繋がるのかなあと思います。

 

ついでに、作品内では女性が強い影響を持ってると思います。

宮本武蔵』は読んでいないのでわかりませんが、

『新・平家物語』では清盛の母親や頼朝の妻となる北条政子

新書太閤記』では秀吉の妻であるねね、

さらに「日本名婦伝」というものも書いている。

歴史の影に女性あり、と言いますが・・・

吉川氏の金星は蟹座で、母や女性というものの影響が強いことを知っていたのかも。

ちなみに吉川氏自身も、かなり母親思いだったそうです。

 

文章書いていたら、また吉川氏の小説が読みたくなってきました。

読み終わるのに何年かかるかはともかく。

文豪とホロスコープその25 佐藤春夫

佐藤春夫は日本の小説家、詩人です。

代表作は『田園の憂鬱』『西班牙犬の家』など。

他、多数の評論や短歌も残し、

門徒三千人とも言われる、多くの弟子を育てました。

 

自分は、佐藤さんのことを文アルを始めて知ったのですが、

てっきり小説家だと思っていたら、詩人でもあったことに驚きました。

「小田原事件」(谷崎夫妻との三角関係)の際に作った

『秋刀魚の歌』は代表作でもあり、有名らしいですね。

 

本人はかなり男らしい性格だったらしく、

はっきりきっぱりと物事を言うことを信条としていたようです。

相手のことを考えすぎて言いたいことを言えないより、

自分の言いたいことを何でも言う方がいい。

あけすけに物を言うことが一種の親愛の表現だとか。

男らしい・・・

 

その人柄を慕ってか、周囲には友人や後輩が多く集まっていました。

同年代では芥川龍之介谷崎潤一郎久米正雄など。

後輩では井伏鱒二堀辰雄太宰治など。

とくに太宰治とは、芥川賞を巡るあれこれが有名ですね。

太宰が芥川賞嘆願のために4メートルの手紙を書いたとか、

芥川賞に落選した後、今度は10メートルにも渡る恨み言の手紙を書いたとか。

けれど、佐藤さんの方から激励もしていて、

「尊重すべき困つた代物」という文章も書いています。

困った後輩に対して、理解と共感があったのでは、と思います。

 

佐藤春夫(1892/4/9 出生時間不明)

牡羊座の太陽、乙女座の月です。

たしかに、このきっぱりはっきりした人柄は牡羊座っぽい。

何事も白黒はっきりさせる傾向があって、

言いたいことはすぐに言う、それでどう思われてもかまわない、

むしろ、思ってることを隠す方が相手に失礼、

という風なところが特にそれっぽい。

それ故に人とぶつかることも多かったでしょうが、

それでも言いたいことは言うべき、という辺りが牡羊座らしいです。

ただし、月が乙女座だったり、水星が牡牛座だったりと、

全体的に地属性が多いので、懐が広くて落ち着いている印象があります。

主観だけど指摘そのものは正しいことが多かったのかも。

そのためかどうかわかりませんが、

牡羊座はその自己主張の強さと感情の爆発のせいで、

他人と喧嘩になったり、暴力沙汰に発展することもありますが、

佐藤さんはそういう話をあまり聞きませんね。

谷崎さんとは一度、前述の小田原事件で絶交したことがありますが、

それも谷崎氏が約束を反故にしたからという理由ですし。

喧嘩後は和解して、後に遺恨を残さないあたりがやっぱり羊座だなあと思います。

例えば蠍座だったら、絶対にこうはいかないでしょう。

 

 

ちなみに、金星は双子座で、海王星冥王星とコンジャクションしています。

佐藤さんの作品にこの傾向が現われているのかどうかは分かりませんが、

後輩の太宰治(6/19生まれ)の太陽と同サインです。

金星は良いと思う感性や価値観を表わすので、

太宰の作品を、佐藤さんの好みとしてはかなり気に入っていたのかもしれない。

作品の優れた点をいち早く見抜いて、

激励したり、恨み言を言われて困った奴だと言いながらも見捨てていないのは、

太宰に対する理解とシンパシィがあったのかもしれません。

 

『西班牙犬の家』は読んだことがあるのですが、

視点は火属性、描写そのものは地属性らしい、と思いました。

家の中の描写に文字を使っている辺りが、牡牛座らしい。

ちょっと不思議系の題材の発想は双子座かな?

短編ですが、面白く読むことができました。

今度は詩の方も読んでみたいです。

 

文豪とホロスコープその24 芥川龍之介

芥川龍之介は日本の小説家です。

文学好きでなくとも、誰でも名前を知っている作家で、

おそらく、知名度でいえば夏目漱石と並んで、1,2を争うくらいでしょう。

代表作は『羅生門』『地獄変』『河童』など。

俳句集なども含めて、多数の作品を作りましたが、

その作品のほとんどは短編でした。

 

東京生まれ、生後数ヶ月で生母から育ての親へと養子に出されます。

学校の成績は優秀で、学生時代から作家として活躍していたそうです。

親切で、自宅には様々な人が訪れたと言いますが、

生活苦や家族の問題などの心労が重なり、

最後は睡眠薬で服薬自殺。

「ぼんやりとした不安」という遺書の一節は有名です。

 

芥川龍之介といえば、いろいろエピソードがあって、

大の風呂嫌いだったらしいとか、犬が嫌いだったとか。

甘党で『しるこ』という随筆内でしるこについて熱く語っているとか。

奥さんにかなり熱烈なラブレターを書いたとか(笑)

また、夏目漱石志賀直哉を尊敬していたそうです。

友人も多く、菊池寛谷崎潤一郎佐藤春夫室生犀星堀辰雄や、

田端のご近所さんのことは文章内でもよく語っています。

自殺や『河童』『歯車』等の印象で、根暗で病んでるイメージがありましたが、

意外と明るくお茶目な人だったようです。

 

芥川龍之介(1892/3/1 出生時間不明)

魚座の太陽、牡羊座の月。

太陽は水星とコンジャクションしています。

魚座といえば、ぱっと宗教の関連が浮かびます。

芥川さん小説はけっこう宗教色の強いものも多く、

古典を中心にした王朝物の他、キリシタン物が有名です。

キリスト教はもろ魚座っぽいですね。

奉教人の死』『南京の基督』『西方の人』あたりが後者にあたります。

また、『河童』の中にも宗教観を示すものがちらほら見えます。

性格面でも優しくて親切で慕われていたというと言いますから、

こういうのは魚座らしいな、と思います。

そういえば、芥川さんの文章は理知的と言われるのですが、

太陽や水星は、論理的な風星座ではないことがちょっと意外でした。

魚座のテーマは、たとえば信仰や宗教に代表されるように、

本来言語で捉えられないものです。

それをどうにか水星が言語化しようとして、

ああいった理性的、知性的な文章になるのではないか、

とも考えられますね。

 

 

魚座の太陽と水星は双子座の海王星冥王星とスクエアしています。

この組み合わせは病みそうだなあ・・・

とくに、太陽と冥王星がコンジャクションやハードアスペクトだと、

ちょっと精神的に危ない作家が多いような気がするのですが、

芥川さんも普段から睡眠薬を使ったり、偏頭痛に悩まされたり、

危ういところがあったようですね。

自殺の原因には諸説ありますが、宗教観という説もあります。

 

芥川さんは聖書を愛読していたそうで、

そして、自殺の時にも枕元には聖書が置かれていたとか・・・

魚座の信仰を、双子座の理性が打ち壊してしまったのかもしれないなあ、

とも思いました。

 

さて、芥川さんは魚座も強いですが、

牡羊座も強いです。

月と金星が入っています。

これは、ちょっと驚きました。

牡羊座と言えば、純粋・元気・ちょっと怒りっぽい等々・・・

芥川さんにそのイメージは皆無でしたが、

子供のころは負けん気が強かったこと(月は子供時代を意味する)、

奥さんに熱烈なラブレターを書いたこと(金星は恋愛の意味)、

それから偏頭痛?(牡羊座の担当部位は頭部)など、

けっこう思い当たる節があるなあ、と思います。

あと、牡羊座が強い人は童話や児童向けを書いている人が多いのですが、

蜘蛛の糸』『杜子春』など、芥川さんもけっこう書いています。

また、短編がほとんどというのも、

気が短いというか、せっかちな牡羊座らしいな、と思います。

 

余談ですが、

芥川さんの小説の中では、『地獄変』が好きなのです。

牡羊座は純粋さを意味し、魚座も殉教というテーマを扱っています。

芥川さんの小説観として、

人生丸ごとかけて何か(絵や小説などの作品)に打ち込む、

ということだったのかなあと思います。

 

 

 

文豪とホロスコープその23 室生犀星

室生犀星は日本の詩人、小説家です。

友人だった萩原朔太郎とともに、日本近代詩を支えました。

「ふるさとは遠きにありて思ふもの そして悲しくうたふもの」(小景異情その二)

という詩が有名です。

代表作は『愛の詩集』『抒情小曲集』『杏つ子』(小説)など。

 

出身は金沢。この故郷の景色や自然を読んだ歌も多いです。

出生がやや複雑で、

私生児として生まれ、実の両親の顔を見ることなく養子に出されました。

育ての母とも合わず、この事を生涯気にしていたそうです。

その後上京し、貧乏に苦労しながらも北原白秋に認められ、詩を発表。

それを見た萩原朔太郎から熱心な手紙が届き、友人になりました。

が、初対面ではお互いに期待違いだったと言っているそうです。

 

本人は無愛想で人見知りと自称していましたが、

面倒見が良いためか、室生さんの周りには多くの人が集まりました。

特に田端に住んでいた時には芥川龍之介堀辰雄中野重治など、

文学、詩で有名な人が集まっていました。

どれくらい面倒見が良いかというと、

若手を集めてご飯を食べさせてやる会の幹事をしていたとか。

たまに芥川さんも来ていたそうです。

芥川さんは室生さんのことを、これほどの世話焼きは他にいない、と言っています。

 

 

室生犀星(1889/8/1 出生時間不明)

獅子座の太陽、乙女座or天秤座の月。

獅子座には水星、土星も入っています。

熱い。

獅子座は納得です。

自分の気持ちを詠った叙情的な詩はもちろん、

後に始めた小説は、かなり自伝的な要素が強めです。

自我が強くて自己肯定的な獅子座らしいです。

ただし、(コンジャクションはしていませんが)同サインの土星の影響も強そうで、

ただの自己肯定ではなく、生まれなどのコンプレックスもあってのことかもしれない。

どちらかといえば、

今の自分の気持ちや存在を確かめるために書いているのかなあ、と感じます。

ちなみに親友だった萩原朔太郎とは、ほぼきっちりの太陽スクエア。

よく仲良くなれたなあ、と思いますが、

お互いに性格に似たところがないから、と語っていました。

なるほどなー。

 

月は乙女か天秤か不明ですが、

個人的には乙女座っぽいなと思います。

詩の中に故郷の自然の景色を詠んだものが多かったり、

庭いじりが好きだったり。

乙女座ってガーデニング大好きなイメージがありますが。

この月は、乙女、天秤にかかわらずですが、

双子座の金星、射手座の木星とTスクエアを形成しています。

ここが幼少期のコンプレックスの原因かなあ、と。

子供の時にあまり愛されなかったのかもしれない。

家や生まれのことで、あまり堂々としていられなかったのかもしれない。

それが詩や歌にも影響しているのかなあ、と。

面倒見の良さにも繋がっているのかも・・・。

 

面倒見の良さといえば、室生さんは蟹座に火星があります。

蟹座の火星は身内と外様をきっちりと区別します。

初対面には冷たいけれど、一度心を許せばかなりべたべたにくっついて甘やかします。

人見知りだけれど、面倒見が良い。ついでに世話焼き。

おお、ぴったりかもしれない。

けれど、蟹座にはもう一面あって、

感情的で、キレると手が付けられなくなる、という。

有名な話ですが、

あるとき、詩のことで仲間と口論になった萩原朔太郎

それを喧嘩だと誤解した室生犀星は驚きの行動に出ます。

助太刀のために、なんと、椅子を持って駆けつけた(笑)

まさかの暴力沙汰です。

他、友人に長男の名前が変だと言われた時に、

「変じゃない!」と熱湯の入った鉄瓶を投げつけたという噂も。(中野重治談)

一歩間違えれば大怪我です。

獅子座も強いためか、

激しくキレるタイプのようですが、

どちらも親友だったり、自分の子供だったりと、

身内のためにキレているところがそれらしいです。

 

室生さんの詩はあたたかみがあるなあ、と思います。

自然や、自分の気持ちを詠んでいても、

あまり尖っていなくて、ひょうひょうとしているような。

詩人って、ひょっとすると小説家より人柄が作品に出るのかも。

 

 

文豪とホロスコープその22 菊池寛

菊池寛は日本の作家です。

きくちかんと読みます。本名は寛と書いてひろし。

小説家というよりも、編集者・実業家としての方が有名かもしれません。

文藝春秋の生みの親で、数々の作品を世に送り出してきました。

芥川賞直木賞を作ったのもこの人。

代表作は『恩讐の彼方に』『真珠夫人』『無名作家の日記』など。

また最近は中学の教科書に『形』という話が載っています。

 

出身は香川県。中学時代は図書館の蔵書を読みあさり、

スポーツが得意で代表選手に選ばれ、成績優秀で首席だったそうです。

しかしその後は何があったのか、学校をサボったり退学したりしています。

記者を経て小説家になり、雑誌文藝春秋を創刊し、人気を博します。

敏腕編集者だった菊池氏は多数の作家と知り合いでした。

同級生の芥川龍之介久米正雄吉川英治川端康成横光利一など。

実業家で金持ちでもあったため、若手には資金援助を惜しまなかったそうです。

ポケットには、常に札束が入っていたとか。

 

菊池氏は多趣味な人としても有名でした。

読書、スポーツの他、よく知られているのでは将棋、麻雀、競馬などのギャンブル。

真面目な実業家と思えば、けっこう遊び人のところもあったようです。

 

菊池寛(1888/12/26 出生時間不明)

山羊座の太陽、月は乙女座or天秤座。

太陽は水星とコンジャクションしています。

太陽水星のコンジャクションは作家として有望ですが、

自分の人生経験や体験したことを作品に盛り込むことが多い、

主観的な作品を書く傾向があるので、賛否両論かなあと思います。

菊池氏にもその傾向があって、

自分の人生経験を活かしたり、身近な人物をモデルにしたり、

「二十五歳未満の者、小説を書くべからず」(『小説家たらんとする青年に与う』)

とも言っています。

文章よりも先に、経験を積んで人生観を養いなさいよ、と。

菊池氏は山羊座の太陽・水星ですが、

山羊座は堅実で、経験を力にすることが大得意な星座です。

それと同時に、山羊座は現実主義者でお金に関する才能もあるので、

作家と同時に敏腕編集者というのは、かなりらしいなと思います。

ひょっとしたら編集の方が天職だったかもしれない。

誰がどこで言ったか忘れましたが、

「生活第一、芸術第二」

という信条を掲げていたとかなんとか。

 

他、水瓶座で金星と火星がタイトにコンジャクションしています。

ギャンブル好きはここが原因かなあと思います。

何か刺激になりそうなことが好きというか、

賭事みたいに勝った負けたがはっきりすることが好きだったんだろうな、と察せます。

将棋や麻雀のように知的な要素が入るのが水瓶座らしいですが。

菊池氏は賭事の他に女遊びも好きだったらしく、

カフェ(当時のキャバクラ)に通ったり、複数の愛人もいたそうです。

水瓶座の方には失礼ですが、これもぽいなあと思います。

恋愛観が自由というか、独自で奔放というか。

 

ちなみに、この金星・火星に、獅子座の土星オポジション

前述のギャンブルについて逸話がありまして、

社内であまりに麻雀が流行って仕事にならないから、麻雀禁止令を出した菊池寛

けれど、真っ先に破ったのも菊池寛だった。

という(笑)

そして麻雀に負けると途端に不機嫌になる菊池寛

ついたあだ名はくちきかん(笑)

獅子座の土星だけあって、プライドが高いところがあったんでしょうかね。

そういえば、作品の『恩を返す話』や『忠直卿行状記』にも、

高すぎる誇りのせいで思い悩む主人公が描かれています。

 

さらに、この土星と射手座の木星、天秤座の天王星が小三角、

天王星は金星・火星と土星の調停をしていて・・・

と連なります。

色々とややこしいですが、

菊池氏の作品を通してのテーマには、

封建制の打破、というものがあります。

家柄や世間の評判から生まれた誇りや見栄は、実は意味のないものではないのか・・・

このテーマに、このアスペクトが呼応しているような。

人生経験で裏打ちされているからこそ、強い説得力を感じました。

後年はもっぱら編集者として活動が忙しく(芥川龍之介が心配していた)、

ちゃんと作品も優れているんじゃないかなあと思います。

まあ、これは本人のプライド次第でしょうし、

編集者、実業者として向いていることも確かですが。