文豪とホロスコープその27 江戸川乱歩
江戸川乱歩は日本の小説家です。
推理もの以外にも怪奇、猟奇ものなども執筆しています。
代表作は『D坂の殺人事件』『陰獣』など、
推理以外では『パノラマ島奇譚』『人間椅子』など。
ペンネームが小説家のエドガー・アラン・ポーから取ったことは有名。
人見知りだったらしく、学校では友達が少なく、いじめられっ子だったそうです。
就職した後も、寮生活になじめなくて辞めていたり。
作家になる前は何度も転職していて、会社員を始めとして、
古書店をやって、あまりに売れなかったため、志那そば(ラーメン屋)のバイトをし、
探偵になろうとしたこともありましたが、面接で落とされたそうです。
作品を書くのに時間がかかる方で、原稿が書けなくなると
どこかへ失踪する逃亡癖があったそうです。
さらに、長編を書くのが苦手だと語っていたそうです。
『一寸法師』という作品の出来に自分自身でがっかりして、
一年近く書かずに放浪していた時期もありました。
ついでに、自分に関する新聞記事があると必ず切り抜いて集めていた。
記事といえば、同性愛に関する資料を集めていたことが有名で、
本人もその気があったらしい(作品でもテーマにしている)。
色々と濃い人物ですが、古今東西の探偵小説を熟知しており、
また、大正末期のエログロナンセンス好みの風潮により、大衆人気は絶大でした。
本格推理小説から耽美もの、果ては子供向けの少年探偵団までお手の物。
詩人の萩原朔太郎や作家の坂口安吾も乱歩ファンだったそうです。
江戸川乱歩(1894/10/21 出生時間不明)
天秤座の太陽、蟹座の月。
太陽は土星とタイトなコンジャクションで、
風属性の推理小説家は、理路整然と筋道立てて推理をする形式ですね。
同じ風属性ならコナン=ドイルやG・K・チェスタートン、
同じ天秤座なら、自分は有栖川有栖氏が好きです。
太陽と土星の合は自分に対して厳しく、自信を持てないことが多い。
乱歩氏が自分の評価を気にしたり、すぐ作品に自信をなくして書けなくなったり、
逃亡するのはこれが原因じゃないかな、と思います。
怒りや情熱が制限された結果、ちょっと変わった風に出てきやすいというか。
乱歩氏の作品内には、そういうちょっとアブノーマルな展開、
たとえば殺人だったり、人形愛だったり、同性愛だったり、異形の姿をしていたり、
ということが非常に多いです。
ちなみに残虐というか、グロい殺し方も多いです。
さすが牡羊座の火星。
ちなみに、乱歩氏が大いに尊敬した谷崎潤一郎も火星と土星のアスペクトがあります。
どういう作風かは、もう言うまでもない。
推理作家、または探偵小説好きは蠍座に重要な星が入っていることが多いです。
そういう作家は、心理戦や人の心理を利用したトリックが得意なような。
乱歩氏の推理小説には2つの目的があって、
ひとつは探偵が筋道立てて、事件の論理を説明すること、
もうひとつは犯人が事件を起こす前後の心理を事細かに描くこと。
前者は本格推理と呼ばれるもので、後者は犯罪小説とも言われます。
乱歩氏の作品では犯人側の視点に立つ倒叙形式のものも多く見られます。
普通の倒叙は、視点を犯人側に置くことで、
一見完全なトリックを裏をかいて見破る探偵のカッコよさ、
犯人の側から探偵に追い詰められる緊張感などを要としています。
しかし、乱歩氏の作品の場合、トリックや推理自体はシンプルで、
代わりに犯人の事情や心理が事細かに書かれます。
犯罪者の心理を書きたいから倒叙にしたんじゃないか、と思うほどです。
多分、乱歩氏としては探偵より犯人に大いに感情移入して、
犯罪を犯すちょっと普通ではない心理を書きたかったんじゃないかなあと思います。
このホロスコープを見て、
もしも乱歩氏が犯罪小説を書いていなかったら、本物の犯罪者になっていたかも・・・
とも思いました。
ちなみに、蠍座の水星・天王星じゃ人付き合いは大いに苦手そうですね。
乱歩氏は実際人嫌いで、近所づきあいもあまりしてなかったらしいです。
代わりに、人の意表を突くようなトリックの才もあったのかもしれません。
江戸川乱歩の作品はけっこう読んだので、まだ語れるところはありますが、
今回はこれまで。
確実に言えることは、乱歩氏は探偵や犯人に劣らずキャラが濃いということです。