文豪とホロスコープその19 石川啄木
一時期は小説や詩を書いていた時もありましたが、
やはり一番有名なのは短歌です。
「東海の 小島の磯の白砂に われ泣きぬれて蟹とたわむる」
「はたらけど はたらけど 猶わが生活楽にならざりぢつと手を見る」
などが有名ですね。
代表作は『一握の砂』『悲しき玩具』など。
岩手県の出身で、寺の住職の長男として生まれました。
一時期は教職に就きますが、生活の一新を夢見て北海道の函館に渡ります。
北海道に渡った後は教員をしたり、新聞社の記者をしたりと奮闘しますが、
あまり上手くいかず、
東京に移っても暮らしは楽にならず、26才で病死しました。
歌のイメージに反して、
実際の啄木は友人から借金をして踏み倒す借金王だった、というのは有名な話です。
借金した金は生活費の他、娼妓と遊ぶ金に使われたとのこと。
また、和歌の中に、
「一度でも 我に頭を下げさせし 人みな死ねと祈りてしこと」
という歌があります。
初めて見た時は驚きましたが。
ちょっと、感じ悪いな。
実際、なかなか良い性格をした人だったようです。
石川啄木(1886/2/20 出生時間不明)
戸籍上の誕生日は2月20日となっていますが、
1885年の10月28日(または12月4日)という説もあります。
いちおう、ここでは2月20日で見たいと思います。
日本人は海外と違って、きっちりと出生年月日と時間が管理されていないので、
ややこしいですね。
魚座の太陽で乙女座の月。
おお・・・なんかキラキラしい。
『一握の砂』の中の歌は、雄大な自然を詠ったものではなく、
身近な生活を詠んだ、共感しやすい歌が多いと言われています。
水星、金星のコンジャクションは表現力に優れていて、
わかりやすい、伝わりやすい文章を書く傾向があると思います。
端的にいえば、言葉のセンスが良い、かなあ。
水星・金星のコンジャクションがあると、
自分に甘くて、特に女性問題を起こしやすい傾向があると思います。
啄木氏の場合、
借金してまで娼妓遊びをすることは言わずもがなですね。
あるとき、親友と奥さんが通じていると思った啄木は、
わりとあっさり奥さんを離縁してしまいます。
そのくせ自分は他の女性にラブレターを書いたりしていますが。
しかも、その相手が男だったという痛い目を見ることもありましたが・・・
これだけならいいのですが、太陽・水星・金星に、
双子座の冥王星がほとんどきっちりスクエアしています。
これが結構厄介なんじゃないか。
啄木氏の歌の中には、
たまに死や自殺を仄めかすような内容が見受けられます。
一例として、
「高きより 飛びおりるごとき心もて この一生を 終わるすべなきか」
「死ね死ねと 己怒りもだしたる 心の底の暗きむなしさ」
「こそこその 話がやがて高くなり ピストル鳴りて 人生終る」
・・・(゚д゚;)
あれ、太宰治かな? っていう感じですね。
冥王星はほとんど無意識の領域なので、怖いですね。
金星ともスクエアしているから、借金苦と娼妓遊びもこの辺りに原因がある?
どちらにせよ、合掌。
こんな啄木ですが、
友人からはなぜか大目に見られていましたした。
借金に借金を重ねて、自分で付けていた記録によれば
総額は約1400万らしい(笑)
うつろに笑うしかない一方で、
よく友達も貸してくれたな、と思います。
啄木氏は太陽・水星・金星のコンジャクションに加えて、
木星が天秤座にあります。
何だかんだ憎めないキャラというか、
友人には大層恵まれたのだろうなあ、と思います。
他に月と火星など、まだ見るべきところがありますが、
今回はこれで締めます。
少なくとも、
日本で一、二を争うほど作品と人柄にギャップのある詩人でしょう、彼は。