文豪とホロスコープ

星占い&読書好きが主に古今東西の文豪のホロスコープを見ていきます。ほか、読書感想や星占い関連について、日々のつれづれなど。

文豪とホロスコープ イギリス作家編その3 メアリ・シェリー

メアリ・シェリーはイギリスの女性作家です。
夫は不倫関係から正式な関係となった詩人シェリーで、
世界三大怪物であるフランケンシュタインの怪物(フランケンシュタインは科学者の名)を創作しました。
代表作は『フランケンシュタイン』の他、旅行記なども残しているそうです。

 

・人となり

メアリ・シェリーの母親は女性権利運動家のメアリ・ウルストンクラフトであり、
その影響があるのか、作品の中でも女性が強い役割を持っています。
16才の時に妻子ある詩人に恋をして駆け落ちし、
妻だった女性の自殺後、正式な結婚をしましたが、
未熟児の子供を産んで、すぐに亡くしてしまうという経験もしました。
それが『フランケンシュタイン』の元になっているという説もあります。
夫の死後は子供の養育に力を注いだそうです。

 

フランケンシュタイン』は夫と、その友人である詩人のバイロン
怖い話をしているときに浮かんだ話であり、
当時最先端技術だった電気を使っているところが面白いところです。
副題は「現代のプロメテウス」といい、
ギリシャ神話で人間を作り、火を与えたプロメテウスと、
技術の電気によって人造人間を作った科学者を比較しています。

 

ホロスコープ解説
メアリ・シェリー(1797/8/30 23:20)

 

乙女座の太陽、射手座の月、ASCは蟹座。

作家の悪夢、という言葉があります。
『ロボット』で有名なアシモフシェリー夫妻を評した言葉で、
職業文人だった夫を差し置いて、
文学では素人だった妻が有名になったことを言っています。
ただ、素人でも彼女に才能があったことは間違いありません。

 

乙女座の太陽と火星、天王星コンジャンクションしています。
このアスペクトはすごくSFっぽいですね。
人間の科学が作り出した人造人間がやがて創造主を滅ぼす、
というテーマは実に乙女座らしいな、と思います。
乙女座や水瓶座はなんとなく理系や科学っぽいイメージがあります。
ただ、同じく乙女座であるSF作家の、H・G・ウェルズもそうですが、
科学万能主義では全くない。
むしろ、科学で何でも出来ると思う思想に対して警鐘を鳴らしているのが興味深い。
どちらかといえば頭を重視する水瓶座と違い、
乙女座は頭と身体を一緒に考えるところがあって、
自然に反したことは嫌いです。
そう考えると、人造人間は一番自然に反していることですからね。

 

また、水星と金星がコンジャンクション
この配置には有名な作家が多いです。
作風は個性的というよりは、人々に広く読まれるイメージでしょうか。
ここを見ると、彼女は文学としては素人ですが、十分文才があったんじゃないかなあ、と思います。
同時に、このコンジャンクションを持つ作家は
生活や人間関係で問題のある人が多いのですが、
彼女も妻子ある男性と関係を持ってもいますね。

 

フランケンシュタイン』は女性目線でも読める話です。
作品中では、主人公のフランケンシュタインや怪物の他、
主人公の婚約者も重要な役割を持ちます。
怪物は伴侶となる女の怪物を作ってくれと創造主である科学者に頼み、
科学者は怪物が増えるのを恐れて女の怪物を完成させる直前で壊しますが、
代わりに怪物に婚約者を殺されてしまいます。
この話では女性は常に男性の都合で殺されたり、罪を着せられたりして、
女性は男性の付属品であることを批判している、
というフェミニスト的な読み方もできるそうです。
と、大学時代の授業でやった覚えがあります。
そういえば、ギリシャ神話でプロメテウスも男を先に作り、
人類初の女性であるパンドラは後から作られた、ということを受けているのかもしれません。
そういう風に『フランケンシュタイン』は本当に色々な読み方ができるそうなので、
そういうところが夫を超えて有名になったシェリーの実力なのかなあ、とも思います。