ジョージ・オーウェルの『動物農場』
こんにちは。
今日、6月25日はイギリスの作家、ジョージ・オーウェルの誕生日です。
というわけで、彼の著作の『動物農場』をホロスコープから見てみたいと思います。
まず作者についてですが、
オーウェルはイギリスの作家です。
監視社会を描いた『1984』を書いた作家といえばわかりやすいでしょうか。
生年月日は1903/6/25。蟹座です。
『動物農場』はそれほど長くなく、出来事が順々に起こってわかりやすく、
寓話となっていて読みやすいため、ぜひ一度読んでみていただきたい。
あらすじを簡単に言うと、
『農場の動物たちが人間を追い出して、自分たちの力を合わせて理想郷を作った。
けれど、いつの間にか一部の動物たちが人間と同じように権力を握り、
人間の支配以上の独裁社会を作り上げていく』
という内容です。テーマは独裁者批判(特に当時のソ連とか)と言われています。
オーウェルは自分でスペイン内乱に参加して、その経験を元に作品にするくらい社会に関心が強い作家なのですが、
蟹座の太陽と月と海王星がコンジャクションしています。
蟹座は閉じたコミュニティを表わしていて、
そのため何故か家庭的と言われますが、
実際は家族以外にも、生まれ育った土地や基盤となる地域社会にも関心が強いです。
蟹座に星が多いともっと広く、父なるものとか、母なるものとか、
親や地域から押し付けられたものに反抗する人もいます。
正反対の山羊座も社会に関わりが深いというか、専売特許みたいになっていますが、
蟹座も同じくらい社会への関わりが深いと思います。
山羊座が社会の上の立場ならば、蟹座は下の立場というか。
そういうイメージです。
『動物農場』では一貫して下の立場の動物たちに温かい目、同情の視点が向けられています。
革命を起こし、自分たちの手で農場を経営していく働き手の動物たちの喜びや誇りと、
小ずるく自分たちの利益だけを考えて働きもせずに利益をむさぼる豚たちとの対比が鮮明に描かれています。
オーウェルがもし蟹座じゃなかったら、ここまで働き手の動物たちを重点的に書かなかっただろうな、とも思います。
この蟹座に天秤座の火星がスクエアしています。
動物たちを脅かす、法的に『正しい』とされる存在に強い怒りを覚えていたのではないでしょうか。
オーウェルといえば『1984』で、ディストピア小説と言われているのですが、
実際に話の中で起こっていることはかなり悲惨なのですが、
その様子を同情とユーモアを交えつつ、客観的に淡々と描いている。
オーウェルは双子座水星で、水瓶座の土星とトラインしています。
双子座に水星が入っているから軽口を交えつつの、面白い語り口印象。
ついでに、この二つと天秤座の火星でグランドトラインも作っています。
この中で特に蟹座のライツと、土星がポイントかなあ、と思うのですが、
ここでは語りきれないので、いつかオーウェルについて書く時に書きます。
ちなみに、『動物農場』は革命の話ですが、
これを労働者による革命、つまりプロレタリア文学とも読めると思います。
オーウェルは1903年で生まれですが、
同い年にプロレタリア文学で有名な小林多喜二(『蟹工船』)がいます。
ついでに言うと、四つ上(1899)には同じく日本プロレタリア文学者の徳永直、中国の労働者について書いた老舎が、
一つ上(1902)にはまた同じくプロレタリア文学の中野重治、アメリカの労働者について書いたスタインベックがいます。
妙に集まっているのが興味深いです。
実際、オーウェルも下層労働者について興味があったらしく、
自ら炭鉱に行ったり、貧民窟に混ざったりしていたらしいですね。
オーウェルを労働者文学として読んでみても面白いかもしれません。
長くなりましたが、ご精読ありがとうございました。