文豪とホロスコープ

星占い&読書好きが主に古今東西の文豪のホロスコープを見ていきます。ほか、読書感想や星占い関連について、日々のつれづれなど。

文豪とホロスコープその17 武者小路実篤

武者小路実篤白樺派の作家です。

読みはむしゃのこうじさねあつ、です。本当はむしゃこうじらしいですが。

通称、武者(ムシャ)。

長いので、以下は武者さんとします。

理想主義、人道主義白樺派のリーダーとして活躍しました。

 

出身は華族のお坊ちゃんで、作家でも有数の良家出身者です。

学生時代に出会った志賀直哉とは生涯の親友になりました。

志賀直哉有島武郎と共に作った『白樺』で活動。

トルストイに感動し、争いのない理想郷を作ろうと思い立ち、

「新しい村」という共同体も作り、一時期はそこで農業と執筆を行っていました。

他、小説の他に絵にも優れていて、貴族議員になったこともありました。

 

生まれやら思想やら、いろいろとスケールが大きい人ですね。

お坊ちゃんゆえ現実を知らない理想主義、と批判されることも多いですが、

本人なりに理想の実現のために真剣だったんだろうなあ、と思います。

積極的に活動していることは評価されてしかるべきですし、

実際、多くの人に支持されたのだと思います。

批判については、まあ、その通りだなと思いますが。

 

武者小路実篤(1885/5/12 出生時間不明)

牡牛座の太陽、牡羊座の月。

少しでもホロスコープを読める方なら、ぜひ出して見ていただきたい。

牡牛座の偏り具合がすごい。

太陽、金星、海王星でコンジャクション、水星、火星でコンジャクション。

特に太陽と金星と海王星がすごいですね。

太陽を本人とすると、生まれがとても恵まれている。

金星は外見や芸術感性、金銭も表わします。

さすが華族のお坊ちゃま。さすが絵も得意としただけのことはある。

それに、『白樺』創刊や「新しい村」とか活動をするときに、

なんだかんだ言いながら、他の人が助けてくれている。

やっぱり、人柄が好かれたのだろうなあ、と思います。

牡牛座は地のエレメントで大地によく関わるから、

一時期農業に携わっていたのも納得がいきました。

 

ただ、海王星が気になるところ。

かなりがっつりコンジャクションしていますが、

現実離れするほどの理想を本気で信じてやまない、

という感じですね。

特に金銭感覚に関して曖昧にしてしまうところがあるような気がなきにしもあらず。

「新しい村」の経営についてですが、

何度か親友の志賀直哉にお金を送ってもらっています。

ちゃんと返したならいいんですけど。

それに、この太陽、金星、海王星に獅子座の木星がスクエアしています。

これがまた怖い。

獅子座の木星は目立ちたがり屋で自分が強いです。

俺が、俺が!と自分を全面に押し出す。

崇高な理想が、ただの自己満足や傲慢、甘えになりかねない。

口では理想を叫ぶけれど、実際はただの自己満足。

まさに、批判される内容そのままです。

その木星に負けないように、甘ったれないようにしなければなのですが・・・

この辺りは作品に表われていそうですね。

むしろ、紙の上の方が理想は綺麗に描けるものですから。

 

ところで、水星と火星のコンジャクションなのですが、

志賀直哉高村光太郎にもありましたね。

スポーツ万能の志賀直哉や柔道でアメリカ人を倒した高村光太郎と違って、

学生時代、武者さんは運動が苦手だったそうです。

あれ、と思ってよく考えてみれば、

牡牛座の水星、火星だからではないかと。

ちょっと鈍くさい・・・のんびり屋なところがあって、

ここまで牡牛座に星が集まっていると、そうなっていてもおかしくはないと思います。

別に虚弱ってわけではないですし。(享年90才)

そういうところも含めて、

けっこう面白いホロスコープだなあ、と思います。