文豪とホロスコープ

星占い&読書好きが主に古今東西の文豪のホロスコープを見ていきます。ほか、読書感想や星占い関連について、日々のつれづれなど。

文豪とホロスコープその37 中原中也

中原中也は日本の詩人です。

30才とかなり早めに亡くなりましたが、死後に再評価が進みました。

代表作の詩集は二つだけで『山羊の歌』『在りし日の歌』、他翻訳など。

詩では「サーカス」とか「汚れつちまつた悲しみに・・・」とか。

「サーカス」の「ゆあーん、ゆよーん、ゆやゆよん」とかはよく取り上げられてます。

すみません、今回長いです。

 

出身は山口県の温泉街で、医者の家の長男でした。

跡継ぎとして大切に育てられたそうですが、しつけは厳しかったようです。

8才の時に死んだ弟のために詩を作ったのが初めての詩作。

中学校に入って文学の他、酒や煙草をやって荒れ始めます。

16才の頃に女優の長谷川泰子と出会って同棲、

彼女と一緒に上京しますが、親友の小林秀雄の元に行ってしまいます。

しばらくは東京で酒を飲んだり詩を作ったりしていましtが、

遠縁の女性と結婚し、息子も生まれます。

中原さんは息子を大層可愛がっていましたが、2才の時に病気で死んでしまいました。

それがきっかけで精神を病んでしまい、30才の若さで亡くなります。

 

中原中也といえば、まずは酒乱ですね。

酒癖が悪く、酔っては暴言を吐いたり人を殴ったり。

太宰治が絡まれた事件が有名ですが、

親友の安吾と出会った時の話が面白いです。

よく分からないけれど、安吾ヘゲモニーで偉いらしい。

そういや、独特な罵り方をする人で、

太宰治は「青鯖が宙に浮かんだような顔」をしているらしい。

・・・どんな顔? 魚っぽいってこと? 何か分からないでもないけれど。

 

あとは、宮沢賢治が大好きで、

投げ売りされていた賢治の詩集を読んで感動して、

買い集めて、色々な人に配っていたそうです。半分押し付けで。

好きなものや人には純情なのかもしれない。

 

ところで私事ですが、

わたしは、文アルで一番中原さんが好きです。

むしろ、もっと知りたくて他の漫画にも手を伸ばしたというか・・・

見た目と性格のギャップやら、強そうに見えて意外と繊細とか、

自分では格好いいと思っているだろう絶妙に変なセンスとか、

とにかくもう、かっこかわいい。

中二病溢れる詩もかっこよくて好きです。

中原さんは中二病ですよね? 

中学の時に学校にサングラス掛けてったって聞きましたけれど。(『文豪失格』より)

でもわたしが一番好きな詩は『また来ん春・・・』です。切ない・・・。

 

中原中也(1907/4/29 出生時間不明)

太陽は牡牛座、月は蠍座(確定)。

時間不明なので12時でホロは作ってるのですが、

ひょっとしたら太陽と月がオポジションかな、とも思っています。(分かりませんが)

太陽と月がハードの人はたまに親を早く亡くしたり家庭が不和だったりしますが、

中原さんの場合は、教育方針がかなり厳しかった。

近所の子供と遊ばせなかったり、勉強が出来なかったら納屋に閉じ込めるとか、

過保護&体罰です。

しつけにしても厳しかったのでは?

同じ蠍月の安吾や、二つ下の中島敦(しかも同じ太陽牡牛・月蠍)もそうですが、

蠍座の月は小さい頃に苦労というか、「自分」を圧殺されるような経験があるのかも。

中学、高校になって不良になったのも、それに反発していた意味もあるのかも。

 

にしても、のんびりやの牡牛座? かとおもいきや、水星と金星は牡羊座inです。

自分としては、中原さんの特徴である、

低身長(150㎝前後)と暴言暴力と聞いて、牡羊座がぱっと浮かびました。

牡牛座はどちらかといえば穏やかなイメージがあるのですが、

水星や金星が牡羊に入っている牡牛は別です。

牛の頑固さに羊の自己中と衝動的に行動する癖が加わって、

下手すると本家羊より羊らしい。

萩原朔太郎が中原さんのことを「短刀を懐に入れた子供」と言ったらしいですが、

まさにそういう感じ。

牡羊座は自己中心的で暴力的と言われますが、案外繊細で純情です。

人間が怒る時は自分の欲求が叶えられなかった時なわけで、

正義感が強くて子供みたいに素直だからこそ傷つきやすいわけで、

あー、やっぱ好きだわ。

 

中原さんのホロを、ひとことで言えば「反抗」です。

山羊座の火星と天王星

蟹座の木星海王星

牡羊座の水星、

でTスクエアです。

天王星海王星のオポは同世代に共通していますが、

一番影響が強いのはこの人でしょう。

安吾にも天王星木星海王星のオポはありましたが、そこに火星が加わります。

これ単体でも結構きつい。

火星と天王星のコンジャクション(しかもほぼゼロ)はストレスが半端ないようで、

中原さんも酒が止められなかったり、ノイローゼになったりしています。

そこに蟹座の木星海王星オポジション

もうどうしようもない。

ストレスから逃れるために酒止められなくても無理はないと思う。

Tスクエアはスクエアが集中する星が重要になるのですが、それが牡羊座の水星です。

牡羊座は12星座の一番目で、アイデンティティや自己を意味します。

蟹や山羊が意味する歪んだ常識や良識、腐った伝統やらに対して、

羊が真っ向から「自分自身」を主張しての反抗・反逆って感じです。

見ていて、とても爽快です。

自分は、中二病とは自己主張の賜物だと思っているのですが、

第一詩集の『山羊の歌』はそういう傾向があるなあ、と思います。

とくに「羊の歌」というのがあるのですが、タイトルからしてもう羊。

内容もこのTスクエアっぽくて好きです。一番の大作かもしれない。

ただ、ホロ自体は痛ましい。傷つきやすい水星に大惑星が集中しているから。

本当は傷つきやすいくせにあえて喧嘩を売って、生傷絶えない感じ・・・

 

他にも恋愛のことやら絶妙なセンス(とくに帽子)のことやら、

詩のことについて語りたいのですが、

ただでさえ長くなったので、この辺りで終わります。

火属性として言わせてもらうと、中原さんの詩はいいぞ・・・!