文豪とホロスコープ

星占い&読書好きが主に古今東西の文豪のホロスコープを見ていきます。ほか、読書感想や星占い関連について、日々のつれづれなど。

永井荷風についてその1

前に永井荷風について書いた時、いまいちどんな人かわかっていなかったので、

集英社新書の『永井荷風という生き方』(松本哉、2006年、集英社

にて、勉強してきました。

以下、永井荷風についてまとめてみました。

 

1、女好き? 家庭嫌い?

永井荷風といえば、生涯様々な女性と付き合ったことで有名。

あるとき思い至って、愛人一覧表を作ってみた荷風

関係を持った女性の数(妻、臨時のものを除く)は、挙げてみれば16人ほど。

30代半ばに結婚もしましたが、まず家庭というものが息苦しくて仕方がない。

妻への遠慮や煩わしい親戚づきあいが大嫌いで、半年もしないうちに離婚。

すぐに付き合っていた芸者と再婚もしましたが、そちらも一年経たずに破局

理由は荷風の女好きと浮気の他に、家庭というものが嫌いだったかららしい。

口うるさい妻や面倒な子供なんていないのが一番。

それから後、40年間以上は独居を通しました。

 

荷風氏は家庭というものが大っ嫌いだったと聞いて、

ぱっと浮かぶのは月の問題です。

蟹座か獅子座かは分かりませんが、

もし月が獅子座だとしたら、個人主義ですから納得です。

もし月が蟹座だった場合は天秤座の金星とスクエアとなります。

月と金星のハードアスペクトは、よく浮気や不倫、好色さに繋がります。

甘えん坊なところがあるというか、女性関係に対してルーズというか、

女性関係に対して我慢しないところがあるのが原因かと思うのですが、

まあ、なるほどな、と思います。

そもそも、太陽は女関係には積極的な射手座ですし。

タイプ的には純粋に美しい女性が好きでしょうか。

月や火星から見ると、肉感的でスタイルが良いとなお良いでしょうね。

 

2、ライフワーク=日記

永井荷風は日記が大好きな人でした。

いくつか日記は付けていたのですが、有名なところでは『断腸亭日乗』。

37才から79才まで毎日付けていた記録をまとめたものです。

わざわざ一年ごとにまとめて製本していたとか。

 

この日記のすごいところは、本音が何でも書かれているところ。

もちろん、日々の移ろいが文豪らしい美文で綴られている部分もありますが、

それ以上に荷風の正直さがすごい。

永井荷風は人の好き嫌い(とくに文士に対して)が激しい人だったらしいのですが、

人の悪口が書いてあるわ書いてあるわ。

ちょっとでも気に触った、または批判した人間は許さない。

日記で即座にぶった切っています。

特に嫌いな菊池寛についてはメッチャ書いてある。年賀状もわざわざ送り返したほど。

大丈夫かな・・・文アルの図書館・・・

直接言わないあたりは大人なのか、単に小心なのか、判断に迷います。

 

また、すごいのが戦時中の日記。

フランスが大好きでヨーロッパに留学したほどの荷風は、

日記の中でフランスが勝って欲しいと書いています。

他にも戦争の愚かさや小役人の態度にイラッときた等々、愚痴を挙げれば切りがない。

たかが日記といえども、されど日記。

戦争中のこともド正直に書けるのは日記だからこそ、という面もありました。

 

荷風氏は日本では比較的珍しく射手座(ちなみに筆者の誕生日の一日前)なのですが、

射手座といえば正直者です。

たまに大言壮語したり誇大妄想が膨らむことがありますが、

基本的には常に真実を言っていたい、嘘を嫌う人種です。

人を欺くとか、空気を読むとか、おべっかを使うことも嫌いです。

けど、周りの人を傷つけたくないし、嫌な雰囲気にはしたくない。

が、真実は言いたいし、自分が感じたことは絶対に正しい(と思っている)、

火属性に共通する悪癖、「根拠なき自己肯定感」が発動している。

その折衷案が日記だったのかなあ、とも思います。

周りをあまり気にしない牡羊座(例えば佐藤春夫氏とか)と違って、

射手座って、案外そういうのを気にする性質だと思います。

個対世界の星座だから、意外と社会性があるというか。

そういうところは対岸の双子座と似ているのかなあ。

また、荷風氏は水星も射手座なのですが、逆行の水星です。

ここも口で言うよりも日記に書く、ということに関係しているのかな?

 

他にも羊座の土星(意外と気が小さい)とか、牡牛座の火星(形に残したい欲)など、

思い当たる節がいくつかあります。

まず、40年以上も毎日書き続けるというところがすごい。

ただの射手座だったら、100%途中で飽きる。もう、三日くらいで飽きる。

牡牛座とか、不動宮の力がないと絶対に不可能。

しかし、この火星も逆行しているんですよね。やっぱり口で言えなかったのかな・・・

 

 

(その2に続きます)